すばる望遠鏡やアルマ望遠鏡による観測から、宇宙年齢が10億年程度の時代に存在する銀河が見つかりました。
銀河の星の大部分は、その7億年前に誕生したとみられ、現在から135億年前の銀河では星形成活動が予想外に効率的だったことが分かってきたそうです。
宇宙で最初の星や銀河が誕生したのはいつ?
宇宙で最初の星や銀河は、いつどのようにして誕生したのか?
これは天文学上の大きな研究テーマの一つなんですねー
現在見つかっている中で(距離が正確に求まったものとして)もっとも遠い銀河は132.8億年前の宇宙に存在しています。
2018年に日本のグループによって発表されたものです。
実際にこうした初代の銀河が誕生したのはさらに数億年前、宇宙誕生から1~5億年の時代だと考えられています。
ただ、現在の技術では誕生したばかりの初代銀河を直接観測することはできません。
でも、何らかの方法で初代銀河の様子を探ることができるはず…
そこで、東京大学宇宙線研究所と早稲田大学のチームが目を付けたのは、年老いた恒星からなる銀河、いわば“老けた銀河”でした。
“老けた銀河”は一度に大量の星が作られ、その後は星が単に年老いていくだけという変化をたどった銀河だと考えられています。
なので、こうした銀河を調べれば、発見された時代よりも過去の様子を探ることができるのかもしれない っと考えたんですねー
“老けた銀河”を探す
初期宇宙の研究では、これまで活動の活発な“若い銀河”が注目を集めてきました。
でも、“老けた銀河”も“若い銀河”にはない貴重な情報をもたらしてくれます。
今回、研究チームが試みたのは、ろくぶんぎ座の方向にある“COSMOS”と呼ばれる天域で“老けた銀河”を探すこと。
“COSMOS”は、すばる望遠鏡を含む多数の天体望遠鏡や天文衛星でサーベイ観測された領域なので、高感度・広視野・多波長の観測データが揃っているんですねー
さらに、領域内で“老けた銀河”を見分けるために研究チームは、スペクトル中に現れる“バルマーブレーク”という特徴に注目。
これにより、6つの天体を“老けた銀河”候補として選び出しています。
この6天体に対してアルマ望遠鏡で追加の観測を実施。
すると、3天体が“老けた銀河”の最終候補として残ります。
最高感度を誇るアルマ望遠鏡でも未検出ということが“老けた銀河”である可能性を劇的に高めたそうです。
可視光線から電波まで計15波長の画像を用いた詳細なスペクトル解析の結果、結論付けられたこと。
それは、これら3天体が宇宙年齢10億年程度の時代に存在し、その星の大部分は年齢7億歳であるとことでした。
つまり、3天体は宇宙年齢わずか3億年の時代に誕生した“老けた銀河”である可能性が高いことになります。
さらに、宇宙最初期の銀河の星形成活動が予想外に効率的であったことを示唆する解析結果も得られています。
今回発見された3つの天体が本当に“老けた銀河”かどうかは、バルマークブレークの詳細な分光確認が必須になります。
2021年にはジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡がNASAによって打ち上げられるはず。
この望遠鏡によってバルマークブレークの詳細な分光確認がされれば、宇宙初期にどうやって効率的に大量の星が作られたのかという物理過程も解明されるのかもしれません。
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金属量が少ない低質量星を見つけて分かってきた。宇宙で最初に誕生した星は今でも生き残っている?
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2018年に日本のグループによって発表されたものです。
実際にこうした初代の銀河が誕生したのはさらに数億年前、宇宙誕生から1~5億年の時代だと考えられています。
ただ、現在の技術では誕生したばかりの初代銀河を直接観測することはできません。
でも、何らかの方法で初代銀河の様子を探ることができるはず…
そこで、東京大学宇宙線研究所と早稲田大学のチームが目を付けたのは、年老いた恒星からなる銀河、いわば“老けた銀河”でした。
“老けた銀河”は一度に大量の星が作られ、その後は星が単に年老いていくだけという変化をたどった銀河だと考えられています。
なので、こうした銀河を調べれば、発見された時代よりも過去の様子を探ることができるのかもしれない っと考えたんですねー
“老けた銀河”を探す
初期宇宙の研究では、これまで活動の活発な“若い銀河”が注目を集めてきました。
でも、“老けた銀河”も“若い銀河”にはない貴重な情報をもたらしてくれます。
今回、研究チームが試みたのは、ろくぶんぎ座の方向にある“COSMOS”と呼ばれる天域で“老けた銀河”を探すこと。
“COSMOS”は、すばる望遠鏡を含む多数の天体望遠鏡や天文衛星でサーベイ観測された領域なので、高感度・広視野・多波長の観測データが揃っているんですねー
さらに、領域内で“老けた銀河”を見分けるために研究チームは、スペクトル中に現れる“バルマーブレーク”という特徴に注目。
これにより、6つの天体を“老けた銀河”候補として選び出しています。
この6天体に対してアルマ望遠鏡で追加の観測を実施。
すると、3天体が“老けた銀河”の最終候補として残ります。
最高感度を誇るアルマ望遠鏡でも未検出ということが“老けた銀河”である可能性を劇的に高めたそうです。
今回見つかった“老けた銀河”の1つの観測画像と、その測光スペクトルエネルギー分布。 赤線は観測を最もよく再現するモデル銀河のスペクトル。 緑線は、さらに宇宙年齢が進んだ時代にある星間チリの熱放射が多いというモデル銀河のスペクトルだが、アルマ望遠鏡の観測からこのモデルは棄却される。 |
それは、これら3天体が宇宙年齢10億年程度の時代に存在し、その星の大部分は年齢7億歳であるとことでした。
つまり、3天体は宇宙年齢わずか3億年の時代に誕生した“老けた銀河”である可能性が高いことになります。
さらに、宇宙最初期の銀河の星形成活動が予想外に効率的であったことを示唆する解析結果も得られています。
“老けた銀河”(左)と、その銀河が星形成をしていたころ(右)のイメージ図。 |
2021年にはジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡がNASAによって打ち上げられるはず。
この望遠鏡によってバルマークブレークの詳細な分光確認がされれば、宇宙初期にどうやって効率的に大量の星が作られたのかという物理過程も解明されるのかもしれません。
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