南天の夜空で肉眼で、もやっと光る雲のように見える銀河が大マゼラン雲と小マゼラン雲です。
これらの銀河は天の川銀河の周りを回っている矮小銀河で、
1970年代に、この2つの銀河からたなびくリボンのようなガス流が発見されました。
天の川銀河を半周取り囲むほど長いこのガス流は、“マゼラニック・ストリーム”と呼ばれているんですねー
大小マゼラン雲は、天の川銀河に近づく方向に移動していて、
天の川銀河を球状に取り囲む高温ガスの圧力で、マゼラン雲中のガスが押し出されています。
この圧力と、2つのマゼラン雲の間にはたらく重力相互作用の両方の影響で、“マゼラニック・ストーム”が作られたと考えられています。
でも、その由来がマゼラン雲のいずれかひとつなのか? あるいは両方なのか?
この疑問の答えは、これまではっきりと分かっていませんでした。
アメリカ宇宙望遠鏡科学研究所では、ハッブル宇宙望遠鏡と超大型望遠鏡“VLT”を用いて、
“マゼラニック・ストーム”中の6ヵ所領域の組成を分析。
“マゼラニック・ストーム”の向こう側に見えるクエーサーからの紫外線を調べると、
“マゼラニック・ストーム”に含まれる元素について情報を得ることができました。
そして分かってきたのが、“マゼラニック・ストーム”中のほとんどの箇所では、酸素や硫黄などの重元素が少ないこと。
これは、かつての小マゼラン雲の組成と一致しているので、20億年前に小マゼラン雲から出ていったっと考えることができます。
一方、マゼラン雲からすぐ近くには硫黄が多い領域もあります。
ここは、比較的近年に大マゼラン雲から出ていったものだということが分かったのですが、
コンピュータシミュレーションで、“マゼラニック・ストーム”のガスのほとんどが、より重力の小さい小マゼラン雲由来であることが示されていたので、これは意外な結果だったんですねー
やがて天の川銀河に引き込まれ、新たな星の材料となる可能性がある“マゼラニック・ストーム”。
この起源が明らかになってきたことは、銀河の星形成について知るうえで重要な一歩になるようです。
これらの銀河は天の川銀河の周りを回っている矮小銀河で、
1970年代に、この2つの銀河からたなびくリボンのようなガス流が発見されました。
天の川銀河を半周取り囲むほど長いこのガス流は、“マゼラニック・ストリーム”と呼ばれているんですねー
上は、天の川銀河の可視光画像と、それを取り巻く“マゼラニック・ストーム”(電波画像) 下は、大小マゼラン雲(右)と、そこから伸びる“マゼラニック・ストーム”(電波画像) ×印が組成を調べた領域 |
天の川銀河を球状に取り囲む高温ガスの圧力で、マゼラン雲中のガスが押し出されています。
この圧力と、2つのマゼラン雲の間にはたらく重力相互作用の両方の影響で、“マゼラニック・ストーム”が作られたと考えられています。
でも、その由来がマゼラン雲のいずれかひとつなのか? あるいは両方なのか?
この疑問の答えは、これまではっきりと分かっていませんでした。
アメリカ宇宙望遠鏡科学研究所では、ハッブル宇宙望遠鏡と超大型望遠鏡“VLT”を用いて、
“マゼラニック・ストーム”中の6ヵ所領域の組成を分析。
“マゼラニック・ストーム”の向こう側に見えるクエーサーからの紫外線を調べると、
“マゼラニック・ストーム”に含まれる元素について情報を得ることができました。
そして分かってきたのが、“マゼラニック・ストーム”中のほとんどの箇所では、酸素や硫黄などの重元素が少ないこと。
これは、かつての小マゼラン雲の組成と一致しているので、20億年前に小マゼラン雲から出ていったっと考えることができます。
一方、マゼラン雲からすぐ近くには硫黄が多い領域もあります。
ここは、比較的近年に大マゼラン雲から出ていったものだということが分かったのですが、
コンピュータシミュレーションで、“マゼラニック・ストーム”のガスのほとんどが、より重力の小さい小マゼラン雲由来であることが示されていたので、これは意外な結果だったんですねー
やがて天の川銀河に引き込まれ、新たな星の材料となる可能性がある“マゼラニック・ストーム”。
この起源が明らかになってきたことは、銀河の星形成について知るうえで重要な一歩になるようです。