徒然地獄編集日記OVER DRIVE

起こることはすべて起こる。/ただし、かならずしも発生順に起こるとは限らない。(ダグラス・アダムス『ほとんど無害』)

終わり、始まる/第30節 湘南戦

2010-11-15 13:37:58 | SHIMIZU S-Pulse/清水エスパルス06~10


伸二「そうですね。勝ち点が40点代になった頃から凄く失速したんで……今日も(勝利して勝ち点が)50点越えてるのかなと思ったら、48点だったんで、ちょっとびっくりしましたけど、まあとにかく、このままね、勝ち点3を積み重ねて、最後はどうなるかっていうのはね、ホント勝つことだけ考えてやってきたいなと思います」(Sの極み 11月14日付)

日曜日。アウスタで湘南戦
ゴールポストが折れて中断したとか、久しぶりの5-0の爆勝だとか、選手・監督の退団報道合戦後の初のホームだとかいろいろと思う所もあったが、セレッソ戦があまりにも惨めなゲームだったのに比べ、とにかく感動的なゲームになった。
退団が報じられているフローデがゴールを決め(しかも前回のアウエイ湘南戦で決めて見せた時に似た低い弾道のゴール)、イチ、テルが自分の存在価値を証明するような動きを見せたのは、プロとして当たり前といえば当たり前なのだが、実に感動的だった。西部も好セーブを見せたし、直前に移籍交渉が報道された淳吾も伸二のビューティフルゴールをビューティフルアシストした。ミスも多かったように見えたがこれなら名古屋が欲しがるのも当たり前である(当たり前だ、清水の10番である)。また兵働、タクはセレッソ戦より遥かにアグレッシヴな動きを見せ、元紀は方向性が変わり始めたチームを歓迎し、象徴するように躍動した。
ほぼ降格が決まっている湘南相手とはいえ、またこのチームから4、5人のプレーヤーが離脱する可能性があるとはいえ、スコア以上にとても前向きなゲームに見えた。
それぞれのプレーヤーがそれぞれの価値を証明するようなゲームが出来れば、このチームは本当に強いのである。
特にテル、イチ、西部に関しては感傷的になってしまうのだけれども…最終戦は泣くね。間違いなく。
ゲーム後にチャントの中、いつもの淡々とした表情で歩いているテルとか、マフラーを受け取った西部の姿を見ると胸が締め付けられるような思いになる。
テル、イチを擁護したいがために、フロントはともかく、淳吾や西部をやり玉に挙げて非難する、外様嫌いの近所のオヤジさんはうんざりだけれども。まあ、それもこれもうんざりするようなこともあるけれども、チームは終わりと始まりに向かって走り出したんだから、よしとする。

これから天皇杯四回戦を挟んで中2日、中3日のゲームが来週末まで続く。京都以外のJ1クラブはどこも同条件とはいえ、リーグの最終盤にこういうスケジュールはいかがなものかと思わなくもないが、この日の後半のようなゲーム(つまりシーズン前半戦のような戦い)が取り戻せる、取り戻せているのならば、短いインターバルでゲームが続くのも悪くはない。また本当に選手層が薄いチームはここで脱落していくからね。
とりあえず水曜の天皇杯四回戦は必勝で。

以下、どちらでもいい話。

このゲームで湘南の降格が決まったことにより恒例の勝ちロコが自粛された。いや、“公式”には自粛されたけれども実際には行われた。
以下、経緯。

・エール交換
・強制「王者の旗」の後、OWコール
・パルコールの途中で一部が勝ちコロ開始
・コールリーダーの呼びかけにブーイング
・改めて勝ちロコ
・エスパルスコール

まあサポ同士がエールを送るのはJリーグのイイ話だと思うのだけれども、プレーヤーがピッチから去ってもスタンドにはそれなりに多くの“客”も残っていた。彼らが待っていたのは間違いなく勝ちロコだっただろう。ホームのメンタリティというのはそういうものである。敗れ去っていく相手に対する気遣いというのは美しいものだし、プレーヤーが湘南のプレーヤーを気遣って勝ちロコを自粛する気持ちもわかる。勿論サポ同士がエールを送り合う気持ちもよーくわかる。
しかしホームのサポが義理を果たした上で、ホームの儀礼まで自粛しようとする意図がわからない。
アウエイだったらまだわかる。実際他クラブではそれで揉めたりするゲームもあったわけだから。
しかし、だったら5点取って喜ぶなって話だよ、それ。ホームなのに。健太の退任、テル、イチ、フローデ、西部、アオの退団報道後、初めてのホームなのに。しかも何ゲームか振りの爆勝なのに。
おまけにゲーム前に湘南を気遣うコメントしていたオカが、ダメ押しの後の徹底的なダメ押しになった2点を獲っているというw(まあ、それは“ゲーム”だから当たり前なんだけど)
オレにとっては湘南の降格よりも健太の退任発表後の初勝利の方がとてつもなく重い。
だって、ここはホームだもん。

勝利の時にはホームのスタンドを歓喜で埋め尽くす。自分たちも<闘って>、チームのプレーヤーに勝利を要求するっていうのはそのためなんだと思うよ。
あなた、湘南の降格よりも清水の勝利の方が大事でしょ。
ま、それもこれもバランスの話ですけどね。難しいけど。
ゲリラ的な勝ちロコの後にすかさずエスパルスコールをしたコールリーダーはさすがバランサーだなあとは思ったな。

そんな話はここまで。
次は中2日で、横浜で天皇杯四回戦のマリノス戦。
ここで勝てるかどうかでまたクラブの方向性も決まってくると思うんで、今度は気遣いなしでw全力で声を絞り出します。
まあ、状況はかなり有利に動いているとは思う…。

ゲーム後は駅南で時間まで2時間ほど呑む。
カウンターで呑んでいてブルーハーツががっつり沁みた。
終わっちゃうんだよなあ、このチーム。まあ、これから始まるんだけど。
ちなみに酒場の兄ちゃん情報によると兵働や元紀は素でもいい人らしいです。