徒然地獄編集日記OVER DRIVE

起こることはすべて起こる。/ただし、かならずしも発生順に起こるとは限らない。(ダグラス・アダムス『ほとんど無害』)

最後?/ハシケン・デビュー15周年記念ライヴ

2010-11-25 04:19:47 | Music
渋谷のプレジャープレジャーでハシケン・デビュー15周年記念ライヴ11月編「ハシケン・フルバンドスタイル!!」。109の横、ユニクロの上という渋谷の超メジャーな立地、映画館のようなふかふかの座席に違和感を覚えつつ…だってどうせ始まったら立っちゃうんだから…と思ってたら予想通り、トータルで10分も座らず(そのうち10分はスタート待ち)。

『LIVE ! ~the Best of Best』のオープニングのまんま、「SHAKE ME、SHAKE YOU」に始まり、「セッション」「稲スリ節」「ワイド節」「乳のみほせ」とハシケンフルバンドにしかできないグルーブを聴かせる。
「くっついていたい」でゲストで梅津和時さん登場。またこれが清志郎テイストとも言えるバラードで、いかにも梅津さんらしい硬質でエモーショナルなサックスが聴けた(saigenjiもゲストとして登場)。
「ワイド節」ではヤギヤスオさんもステージに上がり踊り狂っていた。Twitterでは心配になるようなツイートもしていたんだけど、いや、お元気でした。
(※記憶違い。修正しました)

そしてこのフルバンドスタイルは「おそらく最後」と言う。
6月のブログでハシケンは自主企画でのライブを無期限休止することを明らかにしている。それにしても「いつも応援してくれる皆さんへ」(シェフは気まぐれ、テーゲー日誌 2010年06月24日)は活動報告として残念だけど、昨日のブログ「いよいよ明日!」(シェフは気まぐれ、テーゲー日誌 2010年11月23日)の内容の方が赤裸々で切ないような気がするんだよなあ。ジャズ、ロックに限らずビッグバンドというのは「経営」そのもので、だからスカパラの成功はとても凄いことなんだけれども、実際ミュージシャンひとりが「経営」するにはやはり無理がある。
いや、しかし、今日のフルバンドライブを観て、聴いてハシケンという人は音楽的な理想が高い人なんだなと改めて思った。彼の音楽に必要だったのがこのフルバンドだったのだと思う。そんな彼がフルバンドの可能性や達成感を知りつつ、それを「最後かも」と言わざるを得ない状況というのは、やはり断腸の思いだっただろうなと思うわけですよ。

まあ活動そのものを止めるってわけじゃないんだし…最後のMCでもやっぱり「また(フルバンドは)やる」って言ってたしなw 止められるわけないよね。
ハシケン頑張れ。やっぱり同世代の音楽家には頑張って欲しいよ。

ハシケン・デビュー15周年記念ライヴ12月編はまだ続く。
12月15日は東京のホーム下北沢・440です。

走馬灯/第32節 広島戦

2010-11-25 02:29:27 | SHIMIZU S-Pulse/清水エスパルス06~10
そもそも今年の開幕戦で意味不明のPKで出足を挫かれたのが広島戦だった。そして6年間という長きに渡った健太エスパルスの息の根を止められてしまったのも広島戦だった(ナビスコ準決勝敗退の翌日に契約の満期終了を通告)。
何なんだ広島、コノヤロー。
という地味な遺恨を抱えつつ、火曜日はアウスタで広島戦
アウスタもフルハウスとはいかないまでも祭日らしく17000人を越えて良い雰囲気。そして前半は今季でも最高の部類に入る展開だった。直近の公式戦3戦の勢いをそのままに広島を圧倒する時間帯が続く。
コメントにもあるように、中2日とは思えないほどよく動けていたし、周囲がよく見えている。

兵働「『飛ばした』って言うよりは、良いリズムでやれてた分、若干ハイペースになってたというか…」(Sの極み 11月24日付)

こういうときは負ける気がしないものだが、アウスタの雰囲気もまた最高に良くなっている。
それは何故かと言えば、もちろん、このチームが終わりに向かっているからだ。

もう健太には野次は飛ばないし、西部にも、テルにも、市川にも辛辣な野次は飛ばない。まだ進路は明らかになっていないが淳吾にも飛ばないのだ。
ちなみにフローデには最初から飛ばない。

とにかく温かく、ある意味、もう終わりが見えているとはいえ前向きに見守っている雰囲気に満ちている。まあもちろん頓珍漢な連中も中にはいるわけだが、ほとんどいない(と思う)。この期に及んで批判しているのは間違いなくスタジアムにも来ていない連中だ。
それ以前にプレーヤーがそれに相応しいプレーを見せているのが嬉しいんだけどね。
広島もACL圏内を賭けて後半は怒涛の攻めを見せ、アウスタにスタジアムにいないと実感できないような痺れるような時間が続く。広島のプレーヤーも本当に必死だから、チュンソンあたりはブーイングを喰らいながらも素晴らしいゴールへの執着心を見せた。
後半は引き過ぎたとはいえ、それは例えば決勝まで駆け上がった2008年のナビスコカップの決勝トーナメントの日々を思い出させた。何か賭けるものがあるのならばピッチで表現して、証明すればいいのである。淳吾や西部の「現在地」を証明する素晴らしさはそれだ。兵働が魅せたゴールと元紀が表現する躍動感から見えるのは来季に賭ける意志だ。
次は明後日、中3日の土曜日に神戸戦。
神戸戦はどうなるかわからないけれども、ガンバには勝てるよ、今のホームならば。

優勝争いはもちろん、残留争いもほぼ決定して、次節神戸に引導を渡すことでガンバ戦を唯一キャッチーな話題である「ACL圏内を争う注目カード」にすることができる。最終節という「お祭り」の注目カードという形で自分たちのこれまでの/これからの価値を証明できるんだから土曜は必勝しかないのである。
健太が作ったチームをリーグで観られるのはあと2ゲームしかない。

もうね、王者の旗を歌ってるだけで6年間が走馬灯のように蘇って来る。
この日の王者の旗は本当に胸が詰まった。

しかし最終節の王者の旗はどんな気持ちで歌えってんだ?賽は投げられているんだぜ?