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昨日は柏で<原発なくそう!子どもたちを放射能から守ろう9.3柏デモ>。
前日まで心配された台風の影響は何とか避けられたものの、それだからなのか結構暑い。
公民館での集会に少し遅れて到着すると室内はほぼ満席。といってもそれほど広い集会場ではなかったので室内にいたのは数十人名足らずだったけれども、何人かのスピーカーの発言で雰囲気はわかった。「主張するなら具体的な数字を提示しろ」というお爺さんや同世代の子育てをする母親に会いたかったという若いお母さん、柏の秋山市政を批判するおじさん、攻撃的なデモではなくて「別のやり方」で脱原発を伝えていきたいというお兄さん。かなりキツい口調で主催者に迫っていたお爺さんを除けば、彼らに共通していたのは市民の無関心と参加者の少なさを嘆くものだった。
確かに参加人数から考えれば、40万人の都市に起こった「ホットスポット」という事実に対して、当事者意識はあまりにも低いと思わざるを得ない。
事故現場周辺よりも現場から比較的離れたホットスポットでの無意識のままの被曝と、その後の被害の拡大は事故直後から指摘されてきた問題だったはずだ。
つまりフクシマという現場からある程度距離があるだけに、そこに「フクシマ」と同じような状況が起こりつつあるにも関わらず警戒心と危機感を持てないままに、その後の被害をただただ拡げてしまうという最悪の事態が起こる可能性はある。電気が足りる足りないとか原発がいるいらないとかいう政治的な議論以前に、ほとんど事故の現場とも言えるホットスポットの問題なのだから、事態は本当に深刻に受け止められるべきじゃないか。
参加者は最終的には150名ほどだったそうだ。集会では見かけなかった高校生風の若者たちも途中から加わっていた。今はまだ少なくたって声を挙げたい若者は柏にもいるんだよ。
この日はエラソーに支援などと言って東京から参加したものの、やはりこれは柏、松戸周辺の市民、そして千葉県民の問題である。本来ならば当事者が、もっと当事者としての権利をしっかりと主張していくべきだろう。
もちろんSAYONARA-ATOMの方々が横断幕を持って東京から参加したのは心強かったし、東京のデモで見かけた人たちもいた。オレらが支持するツイデモのアプローチは別の場所でも拡げて行くべきだとも思う。集会場に集まっていたおじさん、おばさんにSAYONARA-ATOMのコンセプトがどれぐらい伝わっていたのかは不明だけれども…。
これがスタートなのだから個人的には参加人数というのは少なくても仕方がないし、続けていくことの方が大事なのだから嘆く必要はないと思っている。柏、松戸周辺だけではない、首都圏各地のホットスポットでも同じような動きが起こることを願いたい。
しかし参加人数よりも気になったのは町に人が少ないという点だった。地方都市でのデモはなかなか難しいことも実感した。
オレらがやっていることはデモンストレーションなのだから見る人がいなければ、ニュースにでもならない限りはほとんど意味がない。柏の状況がいまいちよくわかっていないのだけれども、千葉の中でもかなり東京寄りのエリアである柏でもはやりクルマ社会なんだろうか。まあ、たぶんそうなんだろう。
それを考えると改めて東京は広いと実感した。おそらく東京ならばどの繁華街でも2時間ほどのコースは引けるだろうし、官庁街でもない限りは「見物人」はいると思うけれども、やはり都心から少し離れてしまうとそれは難しい問題になる。柏の二番街は確かにそれなりの繁華街なのだけれども、あまりにも短すぎるし、暑さの問題があったとはいえ町に人は少ない。
また東京の人間は比較的よく歩くけれども、それがクルマ中心の日常になってしまうと歩道には人が少なくなり、さらには駅を離れると歩かなくなる。それは「歩く人」に興味を示さなくなるということで、そして興味を示さないかわりに歩道の「異物」を奇異の目で見やすくなるということでもある。
もっと人の耳を惹きつけ、また参加者に声を出させやすいアプローチやコールを考えるべきじゃないかとも思ったな。
柏には地元が誇るデモンストレーションのプロ集団である(勇)太陽工務店がいる。
そんな「ボランティア活動」をしたら彼らもスタンドに復帰できるんじゃないか。
柏は政治問題以前に生活問題として熱く語られるべきホットスポットの町なのだから、これは「スタンドに政治を持ち込むな」という話とは別ですよ。
と、半分本気で思っている。
みゃ長さん、無理すかねえ…無理だろな。
(追記)
柏が日立の町ってのはやっぱし影響あるんだろうか。皮肉にも。
(さらに追記)
柏・松戸周辺の市民の参加が少ないと嘆く気持ちもわかるんだが、オレは東京その他のエリアの参加者も愕然とするくらい少なかったと思う。柏なんて上野からたったの30分だよ? 「現場の当事者は声を挙げづらい」という事実はこの半年ではっきりしたことで、ならば周辺の人間ができる限り支援していく他ない。
当事者が当事者過ぎて当事者としての声を挙げづらいってのはいかにも日本人らしい奥ゆかしさだと思うんだが、結局それは起こっている現実からの忌避に過ぎないんじゃないか。結果的にホットスポットの影響が残らないのであれば、それはそれで幸運なことだし、数年後、バカと呼ばれても構わない。歌うバカに歌わぬバカ、同じバカなら歌わにゃ損(損)、だと思うよ。