<陪審の皆さん、私にはまだ半時間残されていますが、それを使わないことにいたします。私の主張をただ今もって終えます。最後に短い話、賢い老人と、彼をばかにしてお利口ぶりたい少年の話を聞いてください。少年の計画はこうでした。【ぼくは森で小鳥を捕まえる。それを手の中に入れて老人のところに行き、言ってみるんだ。「賢いおじいさん、ぼくが手に何を持っているか当ててみて」。「あー、キミは手に小鳥を持っているね、坊や」と老人は答えるだろう。そうしたらぼくは訊くんだ。「賢いおじいさん、鳥は生きているか、それとも死んでいるか?」老人が「死んでいる」と答えたらぼくは手を開くんだ。そして鳥が飛び去るのを見せてやろう。老人が「生きている」と答えたらぼくは手の中の鳥をじわじわ握り殺すことにしよう、そして手を開いて「ほら、死んでる」と言うんだ】そこで少年は賢い老人のところへ行き、訊きました。「賢いおじいさん、ぼくが手に何を持っているか当ててみて」。「えーと鳥だろう、坊や」と老人。少年は訊きました。「賢いおじいさん、鳥は生きているか、それとも死んでいるか?」老人は答えました。「鳥はきみの手の中にある、きみ次第さ、坊や」
どうもありがとうございました。皆さんと人生の一部を共にしたことは私の喜び、神がくださった喜びでした。本当です。
ありがとうございました、裁判長。>
(マイケル・S・リーフ、H・ミッチェル・コールドウェル、ベン・バイセル/藤沢邦子・訳『最終弁論 歴史的裁判の勝訴を決めた説得術』朝日新聞社刊「プルトニウムの死」より)
どうもありがとうございました。皆さんと人生の一部を共にしたことは私の喜び、神がくださった喜びでした。本当です。
ありがとうございました、裁判長。>
(マイケル・S・リーフ、H・ミッチェル・コールドウェル、ベン・バイセル/藤沢邦子・訳『最終弁論 歴史的裁判の勝訴を決めた説得術』朝日新聞社刊「プルトニウムの死」より)