徒然地獄編集日記OVER DRIVE

起こることはすべて起こる。/ただし、かならずしも発生順に起こるとは限らない。(ダグラス・アダムス『ほとんど無害』)

二人のペテン師とうまくつきあうことができれば

2008-05-19 01:55:24 | SHIMIZU S-Pulse/清水エスパルス06~10
もし周囲の人がみな度を失って あなたを非難しても 落着きを失うことがないなら
もしみんなの者があなたを疑っても 自分に確信を持ち 人の疑いを思いやることができるなら
もしあなたが待つことができ 待ちくたびれることがないなら
もし偽りを言われても 偽りを返さないなら
そして善人ぶったり りこうぶったりしないなら

もし夢を持っても その夢に振り回されないなら
もしよい思いが浮かんでも それを最後の目標としないなら
もし勝利を得ても 敗北をなめても 勝利に酔わず 敗北にくじけないなら
勝利と敗北のふたりの詐欺師を同じように扱えるなら
もしあなたの語った真理のことばが 無頼の徒によって
愚か者をとらえるわなとしてゆがめられるのを聞いても 耐えることができるなら
もし心血を注いだものが破壊されるのを見て 腰をかがめてそれを拾い 古い道具で再建するなら
(中略)
地はあなたのもの そこにあるすべてのものもあなたのもの
--私の子よ もうあなたは一人前だ
ラドヤード・キップリング「もし」/『人生の訓練 新版』V・レイモンド・エドマン/海老沢良雄・翻訳/いのちのことば社

<自分としては、サッカーの試合の結果などにできるだけ影響されないようなふりをしています。しかも本当はふりをするのではなく、実際そういうことに影響されないよう心がけたいと思います。キップリングの有名な詩があります。

あなたがそれら二人のペテン師とうまくつきあうことができれば、
勝利と時も敗北の時も
あなたがそれら二人のペテン師と同じようにつきあうことができれば
あなたは男なのです

しかし現実はそう簡単なものではありません。私はまだサッカーを生きているからです。>
(『勝利の時も、敗北の時も』オスヴァルド・アルディレス/鍋田郁郎・構成/NHK出版)

サポーターと掟

2008-05-18 02:53:49 | Sports/Football
浦和対ガンバ戦が盛り上がっている。
ピッチの内外で。
そういえば昨年は日本平でも同じようなことがあったが。
で、今回の<事件>直後に浦和の社長はこう発言した。

「仕返しから物を投げ合うのは良くない。こんな事態になって残念。(敵地で)挑発と取られかねない行為は避けるべきだとガンバ側と話をした」(藤口光紀社長)

この発言はまったく他クラブのサポーターには理解できないもので、さらにローカル番組でこの期に及んで審判批判をしている某サッカージャーナリスト氏の発言にも呆れた。しかし、他サポであるオレたちに理解できないのは当然なのだ。藤口さんの発言は誰でもない、レッズ関係者に向けて、そう言ったのだから(と思う)。

この藤口発言を読んで思い出したのが、宮崎学さんの「法と掟」だ。
書評「法と掟と―頼りにできるのは、「俺」と「俺たち」だけだ!」(柄谷行人)

サポーターというのは擬似的な個別社会なのだから、これは掟の世界に生きている。
起こってしまったことは「法」に照らし合わせて裁かれなければならないだろうが、法ではカバーしきれない、<はみ出してしまった思い>は何らかの形で救われなければならない。それが掟である。
今回、浦和の社長は行為自体は謝罪したものの、あくまでも<仲間>を守る発言をした。その点では浦和というクラブは、羨ましいぐらい見事に<掟>を体現化しているなあと思わざるを得ないのである。浦和サポーターのみならず、個々のプレーヤーのクラブへの帰属心の強さは、そんな意味で当たり前なのだと思う。これ意外と大事なことだと思うよ。
浦和だけで通用する掟があり、そして清水だけで通用する掟がある。

もちろん、これはサッカー(スポーツ)の世界に限ったことではない。
日々の生活の中でも感じていることだ。
目の前にいる人間が、ここ一番で自分を守ってくれないとわかった時に人は信頼するだろうか。やはり、どんなに自分が悪いとわかっていても、あえて<仲間>を守る人を信頼するだろう(「守る」という言葉を「共感」という言葉に置き換えてもいい)。
いくら貧乏でも、馬鹿でも、そういう<仲間>がいる人は本当に幸福なんだと思うのだ。そういう人になりたいね。

あ、でもレッズは好きではないですけどね。

(追記)
ちなみにこのエントリは“行為”を肯定しているものではないです。ここで書いているのは“それ”以前と以後の話であって、“それ”そのものは冷静な検証と適切な処置が取られるべきなのは仕方がないことです。本来“掟”ってのは内部にこそ強い拘束力が働くものだしね。

日本一の屋上

2008-05-16 22:06:47 | LB中洲通信2004~2010
木曜日。
六本木ヒルズ森タワー「東京シティビュー」のスカイデッキを取材。52階の東京シティビューは以前も取材で行ったことがあるのだけれども、こちらは4月末に開放された新スポット。エレベータと階段を登ると、ヘリポートの周囲をデッキが囲む森タワーの屋上に出る。一見してむき出しの屋上。一見しなくても屋上そのもの。それだけだ。でもそれが気持ちいい。デパートの屋上じゃないんだから。
当たり前なんだけれども、オープンエアってのが気持ちがいいです。短時間にリフレッシュできるような気がする。気がするだけですが。
ただし身に付けられるもの以外、荷物は禁止。手に持つ紙類も禁止。飛ばされちゃうから、というのがその理由。それ故にちょっとでも雨が降ったり、風が強いとスカイデッキは中止。花火シーズンは凄そ。

ソロ/『the divorced rockstar』

2008-05-13 23:59:34 | Music
佐藤タイジの完全ソロ第一弾『the divorced rockstar』到着。
<我に返ったロックスターの心の告発>てなコピーが、タイトルとともに何とも不吉なのだけれども。
いかにも“一発録り”らしく、全編ざらついた感触。ひとりぽつんと荒野に立ち尽くしているような世界。疾走ギターでポールのmy love風味なラブソング「旅人のアトリエ」や原曲の世界をまったく塗り替えてしまったロッキン・バラッドな「every little step」はいかにもタイジらしい。<あまったれるのは大好きさ>(銀の鳥)とは歌うが、スウィートさ一切なしの乾いた男の世界。
でも、これもまだ次のステップへのための第一歩。

沼澤さんと中條さんがブルーズの旅に出ている間にタイジも原点回帰か。

シンプル/第12節鹿島戦

2008-05-12 07:29:57 | SHIMIZU S-Pulse/清水エスパルス06~10
健太「やっぱり初めて……なんか熱くなるようなゲームができたのかなと。やっぱりなかなか……それまでは何となくというような戦いが続いてたという風に思うんですけど、それがやっぱり厳しい状況というのも選手も……当然にわかってる中で(中略)その辺の気持ちの部分が相手より若干上回ったのかなと。それが結果につながったという風には思ってます」(Sの極み 5月11日付)

スカパーで「清水対鹿島」戦。
鹿島相手に5年ぶりの勝利。特に健太就任後は節目節目で鹿島に痛い目に遭わされて来た……というか、ですね。トニーニョ・セレーゾ、パウロ・アウトゥオリ、オズワルド・オリヴェイラという鹿島歴代の名監督たちに痛い目に遭わされて来たと表現した方が正確かもしれない。これまでもゲームの内容として手も足も出ないと感じたことはなかったが、ゲーム中の的確な指示・修整、きっちりモチベーションを上げたプレーヤー個々の球際の強さ(そしてスーパープレー)といった彼らのマネージメントは、他サポながら感嘆を挙げるしかなく、新人監督だった健太にとっても強く印象に残っていることだろう。
しかし正直言って、今回のゲームではこれまでのようなマネージメントの冴えが感じられなかった。確かにマルキはいないし、ACLの疲労もあるだろう。しかし、前々から書いているように、まあそんなことは総力戦で戦うリーグ戦ではどのクラブでもあり得ることで、そのための選手層なのだ(開幕前から今季の鹿島と川崎の選手層には疑問がある)。
今回はヤジと西澤に替わって、前線はフェルとオカの2トップに枝村のトップ下とフレッシュなメンバーになった。技術的な面ではともかく、気持ちを出して献身的に走り続けるオカの存在は今のチームには必要なもので、ポストとしても十分機能したのは意外だったが、このチョイスは正解だった。あんまし言いたくはないが、現状のようにチームの調子が上がらない時には、いろんな意味でリクエストが多いヤジよりも、いろんな意味でシンプルなオカの方が機能しやすい(おそらくチーム状態が上がったときにヤジ本来の実力も発揮されるはずだ)。で、ピッチ内の人間関係もいろいろあるようだが、フェルに関しても淳吾に加えて枝村が入ったことで連携は非常にスムーズになった。もうね、こういうときは人間関係もシンプルな方がいい。
シンプルってのは、まあ要するに対症療法的で、早晩行き詰るけれども。

そして恐らく乗り切れない現状で鹿島と対戦することについて、期するものがあったであろう健太が、後半40分過ぎに淳吾に代えて山ちゃんを投入したことにも明確なメッセージを感じた。もちろん守備的な戦術的交代ということもあるだろうが、それ以上に苦しい時間帯に耐えて声を出せるプレーヤーということが大きいのではないか。ナビスコ予選を戦う上で、決勝トーナメント初戦の相手に鹿島を想定しているように、健太の今季鹿島戦に対する思いはこれまで以上に強い。期待している。

ここ7ゲームで4勝2分1敗ならば責められるような内容ではないのだけれども、決して、いまだに乗り切れているとも言えない。それでも自分たちの力を証明するためには、自分の力を信じて戦い続けなきゃならんのよ。
次はようやく一週間空けて、日曜日(19日)不発弾処理でキックオフ時間変更の味スタで東京ヴェルディ戦。中断前最後のリーグ戦。

VIBE/『VIBRASTONE歌詞集“VIBE RHYME”』

2008-05-11 06:04:55 | Books
久々にVIBRASTONEを聴く。

<ルールをよく守れだって
ルールはいつだって勝手に変えていいってルールだもん
そんなのインチキじゃーん>

という「パブリック・エネミー」のフレーズは、17年前と変わらず現在もダイレクトに響く。まあ元々歌詞カードの存在しないバンドだったのでネット上でも、ほとんど歌詞を見つけることはできない(聴きゃいいんですが)。ということで、「金っきゃねえ」と「パブリック・エネミー」の2曲を全文引用しちゃう。どうしても聴き取れない部分がいくつかあるのだが、どなたか『VIBRASTONE歌詞集“VIBE RHYME”』(アイ・セクション)譲っていただけないっすかね~。復刊ドットコムでも、この歌詞集の復刊はさすがに無理だろうなあ……内容的にも。
近田さんは相変わらず活躍中ですが、バンドが自然消滅して、もう14、5年前になる。ラップだから当たり前だけれども、一点突破全面展開で饒舌だったバンドが、インストで終焉を迎える(Wikipediaより)というのは何やら時代を象徴しているようにも思える。もっと聴かれていい生音ヒップホップ・バンドだ。
歌詞をそのまま受け取るかどうかは個人の判断に任せますが、近田さんが「考えるヒット」(無論、それ以前からも)で日本語の歌詞への言及を続ける理由がわかるわな。

(5月20日編集)
<金っきゃねえ>

<パブリックエネミー>

<NATIONAL>

<Hoo!Ei!Ho!>

<[ハードコア]憎悪>

十番

2008-05-10 18:53:18 | LB中洲通信2004~2010
金曜日。
午前中は原稿。午後から残りのアポなど企画を詰めて、夕方麻布十番へ向かう。
コの字取材で、居酒屋十番さんの取材。麻布十番の駅から徒歩30秒ほど、長いコの字型カウンター、頭上にずらっと並んだ提灯はかなり派手で、まさにエキゾチック・イザカヤ・ジャパンなのであります。土地柄からもガイジンさんの客も多いというのも納得。北野さんおすすめの(入り口そばのコの字の先端にある)鉄板焼きが美味。戦後まもなく、まず食堂として建てられたという木造の店内も眺めているとなかなか味わい深い。
17時の開店から19時頃までは比較的空いているそうなので、是非是非。

井上さん

2008-05-09 01:13:42 | LB中洲通信2004~2010
高田馬場へ移動して、19時からGateoneでジャズ・ドラマー井上功一さんの取材。久々のJAZZ連載取材だ。
店で袴田さんと合流し、リハを撮影後、40分ほど話を伺う。
この日のライブは馬場和子(p)、岸徹至(b)、そして井上功一(dr)。
ライブの合間にも井上さんの話に加えて、マイルスやバカラックの話も伺いつつ23時頃まで。

今日はほとんど酒を飲まず、真っ直ぐ帰ってこれから原稿。

糸井さん

2008-05-09 01:05:32 | Works
昼から南青山の東京糸井重里事務所で、糸井重里さんの取材。ほぼ日もあと1ヶ月でサイト設立から丸10年を迎える。その10周年の記念イベント(いや、正確にいうと10周年だからというわけでもなさげなんだが)についてインタビューなわけである。詳細はまだ発表されていないようなので控えておく。

ほぼ日というと、5年ほど前に開催された『智慧の実を食べよう。300歳で300分』というロングラン講演イベントのパンフレットや書籍の編集・構成に関わった。全身で感じてこそのライブを、一旦文字に起こして再現するには読み取る技術や俯瞰する技術というものがやっぱり必要で、とても悩ましい作業だったことを思い出す。アレはなかなか勉強になりました。

関係ない話もちょっとできて収穫。

ホトケさん

2008-05-08 00:13:11 | LB中洲通信2004~2010
新宿でブルーズマン、永井ホトケ隆さんの取材。
70年代に関西で起こった一大ブルーズブームの中心的存在だったウエストロードブルーズ(ス)バンドのヴォーカリストで、現在に至るまで日本のブルーズシーンで歌い続けてきた第一人者。まずは2時間ほどお話を伺ったあと、歌舞伎町と新宿駅近くで撮影。そしてカフェに入り、さらに1時間半。

現在、ホトケさんのパーナメントなバンドはblues.the-butcher-590213のみ。このバンドは、その前身バンドとも言えるThe Blues Powerのリーダー(ホトケさんが無理やりリーダーにしたらしいが)で、1年前のアルバム発売日に急逝されたギタリスト浅野butcher祥之さんの意志を継いで結成されたブルーズバンドだ(沼澤尚.dr、中條卓.b、KOTEZ.harp&voという超強力メンバー)。このblues.the-butcher-590213の1stアルバム『SPOONFUL』がいよいよ6月20日にリリースされる。ソロシンガーよりも、バンドマンを男子一生の仕事と自認しているホトケさんにとっても、このバンドへの気合いの入りっぷりというのはちと驚くべきものがある(沼澤さんの気合いの入りっぷりというべきかな)。
ビートルズとの出会いから70年代のジャパニーズロックを語る上で欠かせないユーヤさんの話、昌子ちゃん祭りのハッピ姿に驚愕したウエストロードの面々など、バイオグラフィ的なインタビューに加え、このThe Blues Power~blues.the-butcher-590213の話も。7月号はホトケさんのブルーズ特集です。

6月、7月はムッシュ&“ホトケ”のRocking Blues Tour、blues.the-butcher-590213『SPOONFUL』発売記念ツアーなど、この強力ブルーズマンたちが全国を旅する予定。

勝利の時も、敗北の時も

2008-05-07 19:52:09 | SHIMIZU S-Pulse/清水エスパルス06~10
たぶん人生と同じように、サッカーは立ち止まってしまったら後から来た者に追い抜かれてしまうものです。私はサッカー選手として一度たりとも立ち止まったことはありませんでした。(中略)肉体の衰えを止めるのは不可能です。でも現実にはそれ以前に、精神が衰えていく選手が多いものです。そういう意味では、私とともに歩んだエスパルスの選手はみな若かったのです。(中略)96年に初めて見た清水の試合は、自殺したくなるようなレベルのものでしたが、しかしすでに何人かの選手はタレントにあふれ、興味深いものを持っていることがわかりました。森岡などがそのひとりで、プレー自体は評価のしようがないものでしたが、その中に相当の才能が眠っていることがわかりました。そういう未完成の選手たちが日々信じられないペースで成長していく姿を見るのは、監督として大きな喜びでした。(中略)
清水エスパルスは私に自信を取り戻させてくれたと言わなければなりません。(中略)私は清水エスパルスが持っていた純粋さをとても心地良く感じていたのです。チームの誰もが持っていた、もっと上手になりたい、もっと学びたい、もっと前に進みたいという純粋さを、私は肌で感じることができました。(中略)私のことを愛してくれ、尊敬してくれる人々がいる場所に自分から別れを告げるのは、本当に辛かった。(中略)その後の試合で私は、大袈裟に言っているのではなく、エスパルスのサポーター2万人のひとりひとりに手を差し伸べなければなりませんでした。どこへ行ってもみんなが「どうか行かないでくれ、どうか行かないでくれ」と言ってくれ、泣いてくれました。空の上まで飛んでいきそうな気分でした。
『勝利の時も、敗北の時も』オスヴァルド・アルディレス/鍋田郁郎・構成/NHK出版

「最後までやる」クゼ監督が辞意否定(スポニチ 5月6日付
ついに…千葉がクゼ監督を解任(スポニチ 5月7日付

保留/第11節新潟戦

2008-05-07 05:27:44 | SHIMIZU S-Pulse/清水エスパルス06~10
健太「まあ良い形でこの試合に入って、で出鼻挫かれたというのはまず大きかったという風に思ってます」

山ちゃん「だってもうこんだけポテンシャルがあるわけだから……みんな。あとはそれをどういう精神状態で出すかでしょ。結局そういうのがダメなら力も出せないよってことだと思うんですよ。だからグラウンドに立ってやるのは選手だから、もっと選手が自覚持たないと」
(以上、Sの極み 5月6日付)

スカパーで「新潟対清水」
ダービーでの戦いで緊張感が切れたのか、ここ5ゲームと打って変わってストレスの溜まる、非常に不細工なゲームになってしまった。
先月26日から始まったGW5連戦の4戦目。内容としては決して悪くない展開だったとは思うが、中央を固めた新潟に対してPA周辺での崩しのアイデアやプレーの精度を欠き、無得点。さらに狙いをカウンター(セットプレー)に絞るホーム新潟の狙い通りのゲームプランで今季最悪の3失点。清水のようなチームが3点取られる状況というのは、はっきり言ってフォーメーションやら戦術的な分析では説明がつかないと思う(ましてや同じようなセットプレーから2失点ではお話にならない)。このような若く、甘い面が今後もゲームで顔を覘かせるようならば、このタイプの対戦相手には苦労させられそうだ。ただしプレーヤーが言ったら言い訳にしかならないが(だからオレは書く)、連戦とアウエーの疲れは間違いなく影響している。
まあ、ホームで戦える利は新潟にはあったが、ゲーム数は相手も同じわけだ。
やはり山ちゃんの言う通り、精神的な成長が今季最大のキーポイントになる。
状況(個の力量、戦力、選手層)は高いレベルで揃っているのにも関わらず、その力をコンスタントに発揮できないのでは観ている方にストレスがたまっても仕方がない。もう少しタフになろうよ。

と言いつつ、GW連戦シリーズも次が最後の5戦目。4日後にはリーグ中断前最後の大一番、鹿島戦。ACL予選を戦う鹿島の手負いの状況を見れば、極めて怪我人が少なく、ホームで戦える清水に当然分があるゲームだと思うが、この敗戦が鹿島戦の前で良かったと、正直思う。
この敗戦もどういう状況で6月のリーグ中断を迎えられるのかで評価は変わってくるだろうと思う。

最後の鴉/鴉の肖像~渡辺啓助の世界

2008-05-06 04:41:15 | Documentary
八本正幸さんから“最後の探偵作家”渡辺啓助翁の晩年のインタビューを中心に構成したドキュメンタリーDVD「鴉の肖像~渡辺啓助の世界」が届く。企画・制作・撮影・編集・脚本・監督、すべて八本さんである。
啓助先生とは一度だけ、中洲通信1995年9月号の取材でご自宅へ伺ってお会いした。そのときの記憶がよみがえって来るような内容だ。
啓助先生は自らを<時間外居住者>、そして<鴉>と名乗る。

以前も引いたけれども、もう一度引用しておこう。

<私のカラス好きはみんなに知られている。私自身の持っていないもの、あのアッケラカンとして物に動じない生活態に憧れて、しかも生物中一番頭がよく、長生きで、イヤ、何よりも黒いということが気に入った――それで私は、カラスと同類であることを自認したのである。>(渡辺敬助『鴉白書』東京創元社より)

<あの声は寂寥(せきりょう)を食べて生きてきたのだ
 誰でも一度は鴉だったことがあるのだ
 人が死ぬと鴉が一羽何処かで死ぬのだと隣の部屋の老人が言った
 あたかも七十年生きてきたその秘奥を始めてうちあけるように>
(村上昭夫『動物哀歌』「鴉」より)

最近なぜか、その取材のときに啓助先生からいただいた鴉の絵を部屋に飾っている。これも何かの縁だろう。
真夜中だってのに、今晩はやけに外で鴉が啼いている。

「黒い太陽」ではないけれども、そろそろ<鴉のように黒く>生きてみたいもんですな。

泣くにはまだ早い/第10節磐田戦

2008-05-04 19:33:05 | SHIMIZU S-Pulse/清水エスパルス06~10
淳吾「まあ一樹もやっと取ったし、僕にとってすごい頼れる人が戻って来たんで、うまくお互いを活かし合ってゲームを作ってやっていければ良いとは思います」(Sの極み 5月3日付)

5月3日。静岡ダービー。最初の5分を除いて前半はバックラインに人数が集まりすぎ中盤で押し込まれるような体たらくで、どうなるかと思ったが、後半最初からイチが高い位置をキープするようになり、ほとんど3バックのような形でジュビロを圧倒していくとダービーに相応しい熱い内容になった。
ジュビロで唯一危険な香りがしたジウシーニョが前半30分に負傷交代し、さらに後半20分に河村が退場すると、1トップがゴンで、トップ下が名波で、それを西が追い越していくという、7、8年前のジュビロ黄金時代の再現フィルム軽く観ているかのような驚くべき布陣。西もかなり危険なプレーを繰り返していたが、それだけエスパルスのプレッシャーが強烈だった証明だろう。ほとんどこの時点で負けるとは思えなかったが、さすがにゴール前を固められた上に、スクランブル時には(相手にとっては)必要以上の集中力を発揮してしまう川口の好セーブ連発で残念ながらドロー。
確かに34分の1ということで考えれば惜しい引き分けと見るべきなのだろうけれども、静岡ダービーで、内容的には(シュートが決まらなかった点を除けば)ほとんどストレスを感じることはなかった好ゲームだったと言える。選手層、総力戦という観点で言えばジュビロとエスパルスにはもはや明らかな差があると言わざるを得ない。まあそれをドローにされてしまうというマジックがダービーにはあるわけで、やはり<埼スタのレッズサポーター>と並ぶぐらいに、静岡ダービーは、ニッポンのサッカーファン(スポーツ好き)にとって観る価値のあるものだと再確認したのであります。

7本ものシュートを撃った淳吾も連戦の疲れを口にしていたし、このドローを含めたGWシリーズは11日の鹿島戦が終わった段階で評価するべきだろう。明後日はもうアウエイ新潟戦、そして中4日で鹿島戦だ。まだまだDon't Look Backだよ。

そして、この静岡ダービーが、ようやくこの男の開幕戦になった。



兵働「完全に泣いてましたね。(中略)いや……なんか最後挨拶してて、みんなすごい『お帰り』とか言ってくれたりとか……」」(Sの極み 5月4日付)

しかし、<健太を男にする>まで、泣くにはまだ早い。

ちなみにこの静岡ダービー、今年これからまだ3回もあります。

08静岡ダービー ジュビロ選手バス日本平入り(YouTube)
08リーグ静岡ダービー エスパルス選手紹介(YouTube)

6月号到着、など

2008-05-03 11:28:12 | LB中洲通信2004~2010
金曜日。予約していた資料を神保町で受け取り、神楽坂の事務所へ向かう。

LB6月号到着。今月の特集は『世界で一番美しい夜』の田口トモロヲさん。少年時代から、ばちかぶり以前の演劇青年時代、90年前後の音楽的な挫折の真相あたりは詳しく語っていただいています。いまどき、トモロヲさんにばちかぶりどころか、じゃがたらやアケミのエピソードを語らせるインタビュアーもいないよなあ…と思ったり。今回はヴィジュアルもなかなかかっちょよく仕上がっております。
また『世界で一番美しい夜』の天願大介監督にも映画について語っていただいています。ちなみにこの映画はR-18なんだが、ここまで大きく取り上げる雑誌は他にはないだろうなあ。それにしても最近にはない快(怪)作であります。
ご協力者、関係者の皆様ありがとうございました。只今発送中です。

担当分を発送後、GW明けの取材の打ち合わせ。さらにGete Oneへ行きJAZZ連載の次回取材のご相談。
この夜のライブは、橋本信二(gt)、小林幹(p、尺八)、小杉敏(b)、村上寛(dr)、梶原まり子(vo)。小林君はまだ20代前半らしいのだけれども、ピアノに尺八とフル回転でなかなか新鮮なライブでありました。信二さんのサンタナっぷりも久々に拝めたし……ということで、最初はそのつもりはなかったのだけれども、また最後まで呑んでしまった。

気合いで酒を抜き、これから静岡ダービーに参戦します。