徒然地獄編集日記OVER DRIVE

起こることはすべて起こる。/ただし、かならずしも発生順に起こるとは限らない。(ダグラス・アダムス『ほとんど無害』)

革命の行方/ヤマザキナビスコカップ Aグループ 川崎戦

2013-04-12 00:00:29 | SHIMIZU S-Pulse/清水エスパルス11~14


水曜日は等々力でナビスコカップ予選川崎戦
「ゴトビ革命」と「革命前夜」の革命対決である。
革命というのは、まずヴィジョンを打ち立て、そのメッセージを広く伝えること(出版)から始まる。その意味では、革命の萌芽だらけで、何にも成果を受け取っていないのに本を出すというのはまず「革命」的に正しいのだ(皮肉じゃないですよ)。そしてその意志を実行し、どこまで貫き通せるかが革命を成就させることができるかどうかの分かれ目となる。
有言実行で革命を進める両者が、同じように、そして同じタイミングで苦悩するような状況になっているのは皮肉だが、それもまた当然の帰結か。まあ、しかしサポーターにとってみれば悩ましいどころか、メッセージが結果になかなか結びつかないチームにキレるような人もいるんだろうけれども、革命戦士(サポーター)は理想を信じて支えるしかないわけです。
オレは理想主義者です。

すでに未勝利ロードに入っていた去年11月のリーグでの対戦でも内容的にはナビスコファイナルに近い状態の好ゲームを見せていた対戦相手。自慢の攻撃力は相変わらずも、いまだに調子に乗り切れない川崎、である。
初勝利には大いに盛り上がったのだけれども(土曜日は呑みすぎた…)、もう、とにかく、次が大切だと思っていた。
勿論予選を突破するためには結果も必要なのだけれども、初勝利のプレッシャーからもひとまず解放され、両チームとも多少メンバーを変更してきたこともあり、今回は内容が問われる。
週末には今度こそ結果も内容も問われるダービーが控えている。

内容から言えば今回はチームが確実に前進していることを確認できただけでも十分納得できるものだったと思う。
今季清水に復帰した竹内が攻撃面のアクセントとして機能していたことも確かだったし、カウンターやセットプレーに苦しめられた中で櫛引の活躍も光った。選手層という意味でも確実にチームは前進している。特に前半は顕著だったが、中盤の激しいプレスにチーム全体がキックオフ直後からゲームをコントロールしようという意志を感じられた点はポジティブに受け取れた。贔屓目を差し引いたってゲームは清水のもので、数回のカウンターとセットプレーぐらいしか川崎にはチャンスはなかったと見た。多少ペース配分に無理があったとしても(それはそれで、「若い」のだからいいのである)、それは「全力(を出し尽くして)で闘う」というメッセージである。
これには「去年の状態に戻りつつある」と感じた。去年の状態に戻りつつあるので「内容はいい(悪くない)けれども、結果がついてこない」というわけである。90分通して決定的なゴールチャンスも少なくなかった。清水並みの大量失点を繰り返している川崎相手とはいえ、ゴールは近づきつつある(勿論川崎…というか、これほどの状況になれば八宏さんだってさすがに「無失点」は強力なテーマになっているはずだ)。

しかしJ's Goalの八宏インタビューの、特にスカウティングの件は川崎を取り巻く状況の悪さを証明しているんじゃないか。清水も3月に嫌というほど味わったが、チームの状態はともかく、川崎は去年から状態よりも「状況」に悩まされていると思う…まあ結果が出なければ仕方がない面もあるんだけれども。
ていうかですね、
<Q:向こうがゴール前がうまくなかったということで安心してたところはありますか?>
この質問、スカウティングの話題で弄ばれている八宏だけじゃなくて清水にも失礼過ぎだろ…こんなんだったら清水戦以外で川崎の革命成就も祈りますよ。

そんな川崎の「革命前夜」はともかくオレたちの「ゴトビ革命」は続く。
オレとしてはゴトビ解任論のトーンダウンはもはや間違いないと思っているのだけれども、おそらく明日のダービーでその方向性が決まる。
現場へ行かないわけにはいかないじゃないか。
オレたちの「革命」の行末を決定付ける静岡ダービーはIAIスタジアム日本平で、明日土曜日17時キックオフ。


ちなみに等々力陸上競技場のメインスタンド(スタンドはすでに不使用)、思いっきり工事現場みたいな仮設でした。

「急速なシャリアの適応が憎悪をかき立てる」/北・西アフリカのイスラム過激派地図

2013-04-09 04:00:20 | News Map

<AP通信が、マリ北部トンブクトゥで2月に入手した文書には、イスラム過激派の司令官が戦闘員に宛てた秘密の指令が事細かに記されていた。現場の状況に業を煮やし、戦闘員たちの行動を改めさせようとしたのは、AQIM指導者ドルクデル司令官。AQIM首脳陣の内部資料が流出するのは極めてまれなだけに、彼らの本音を探る重要な手掛かりとなる。(中略)無論、AQIMなどが掲げる究極の目標は、シャリア(イスラム法)を統治の原則とする「イスラム国家」の建設である。しかし、司令官は「君らの誤りの一つは、あまりに急速なシャリアの適用だ」と指摘。「人々が置かれた状況を考慮せずに(強引に)適用すれば、イスラムへの拒否反応やムジャヒディン(イスラム戦士)への憎悪をかき立ててしまう」と戒めている。>
(東京新聞2013年4月8日付 ニュースがわかるA to Z 北・西アフリカのイスラム過激派/各地の勢力が連携/教義の強制を自戒)

玉突き合意/米軍施設返還合意地図

2013-04-08 16:36:21 | News Map

■米軍嘉手納基地以南の6施設・区域の返還区分


■普天間移設問題の経緯
<民主党政権だった昨年4月、日米両政府は普天間移設と嘉手納以南返還を切り離して取り組むことで合意した。だが、安部首相が両者を関係づけていることは明らか。地元が期待する負担軽減と引き換えに、埋め立てを認めるよう「踏み絵」を迫る姿勢にも映る。(中略)計画で明示された返還時期にはいずれも「またはその後」と、先送りの可能性がにじむ文言が入った。前提条件をクリアするのが容易ではないからだ。各施設・区域はおおむね、今の役割を維持するため、「県内で機能移設後に返還」と条件が付けられた。(中略)政府は盛んに「負担軽減」をアピールするが、今回発表された計画が全て実現しても、県内の米軍施設・区域の5%足らずが引き渡されるだけ。返還対象の8割以上、今ある機能を県内の別の場所に移転する「玉突き」にすぎない。>
(東京新聞2013年4月5日付 米軍施設の返還合意 沖縄に負担構図不変/県内「玉突き」にすぎず/計画前提条件が多く)


(東京新聞2013年4月6日付 米、普天間進展に期待/「負担軽減と思わず」名護市長)

2013シーズン始まる/第5節 鳥栖戦

2013-04-08 12:16:20 | SHIMIZU S-Pulse/清水エスパルス11~14
土曜日、スカパーで鳥栖戦
先々週、先週とチーム、クラブに対する抗議が起こり、様々な思惑が交差する中での今シーズン初勝利。
いかにも、そして期待通りのバレーのゴールとしか言いようのない振り向きざまのゴール(実況のアナウンサーがシュートの直前「バレーがターンするぞ!」と叫ぶのは何回観ても笑える。スカパーを観ていた人たちもバレーがボールを受けた瞬間、きっと同じことを思ったはずだ)、勝った瞬間の高揚感というのはちょっと言葉にならないものだった。何てったって公式戦では13ゲームぶり、昨年10月の鹿島戦以来の勝利なのだ。
思えば先週の広島戦終了後の抗議にはもう後には引けないような危機感があった。抗議の主張のほとんどは同意できるものではなかったとはいえ、目の前であれほどの罵倒を受け止めたアフシンがトレーニングを完全非公開(報道陣には冒頭のみ公開)という決断を下したのも当然だったと思う。アフシンと彼のチームが勝つことだけに集中するのならば、こちらもサポートに集中するだけである(しかしゲーム前日のスポパラで女子アナが「アフシンとチームとの間に溝がある(んじゃないか)」と発言したのには呆れたけれども)。

「相手が鳥栖だったから」というのは、90分間途切れることのない運動量で走り続け、ホームで強い鳥栖に対してあまりにも失礼な感想だとは思うが、3月の戦いの中でアフシンがハーフタイムに言い続けた「コンパクト」が実現できていたのは確かだっただろう(ミスを誘発させるのもまた戦術的なディシプリンがあってこそだ)。
負ける続ける中から学ぶこともあるだろう。そこから学習能力を問う(批判する)ことは容易い。しかし勝つことで思い出すことだってきっと大きいはずだ。
得失点差-8はあまりにも大きな代償だったけれども3月の戦いが無駄でなかったことをこれから証明していきたいと思う。この日の戦いを高めていけばきっと結果はついてくるはずだ。
まあ正直この状況では、勝つならアウエイだろうとは思っていたけれども…。

次は水曜日、等々力でナビスコ予選の川崎戦。必ず参戦する。

永遠に続くオフ会/安田浩一「ネットと愛国」

2013-04-07 18:59:17 | Books


安田浩一『ネットと愛国 在特会の「闇」を追いかけて』
昨年10月にリリースされ、9日に受賞作が決定する第44回大宅壮一ノンフィクション賞候補作にもなっている作品なので(候補作が原発関係と半島関連作品ばかりというのがいかにも2012年なんだが…)、今更取り上げるのもアレなんだが、やはりここ2、3ヶ月のレイシストとの“闘争”を考える上では本書抜きには語れない、ネトウヨたちの物語。
その感情論を出ない思想はまったく容認することはできないし、そもそも論外なのだけれども、実は彼らに共感しない部分もないわけではない。それは彼らのネットを介したアプローチで、その方法論というのは、今多くの人々が共有しているものだ。掲示板、SNSは、あくまでも“道具”であり、その道具を介して情報の拡散と行動の輪が拡がっていく--その方法論を信奉するスタンスは理解できなくもない。というか、3.11以降の反原発運動の輪も同じようなアプローチで拡がったのは間違いない。
そして彼らは町に出た。オレたちも同じように町を歩いた。
何の違いがあるだろうか。その“新しい社会参加”に違いはない。

しかし実際に行動すればするほど、ネットを介して情報や感情を共有すればするほど、ヘサヨ連中に辟易しながら「個人」を自覚する他なかったオレたちに対して、彼らは寄り集まり、リアル(もどき)なフィクション(要するに“ネタ”だ)を共有することで強固な共同体を作り上げていく。それはまるで永遠に続くような「オフ会」でしかないと思うのだが(本書で取り上げられているフジデモの件など、まさにネタを面白がるだけの巨大オフ会以外の何物でもない)、決して満たされることのない個人の欲求不満の受け皿としての組織を、彼らは次々と妄想敵を作ることで維持し続けていく。そして今、自分たちに対してのカウンター行動が激しくなればなるほど、彼らはより強固に、そして頑迷になっていく。
ウォッチャーやカウンターは以前から行動していたものの、レイシストしばき隊の登場以来、ここ数ヶ月彼らは激しくリアルと出会いつつある。
今なお同時進行のノンフィクションである。リリースされているKindle版はわずか250円なので是非読んでいただきたいと思う。

太陽光に力/石油元売り各社メガソーラー地図

2013-04-04 23:19:51 | News Map

■メガソーラー発電所を建設する主な石油関連施設
<給油所に燃料を卸売りしている石油元売り各社が、新たに太陽光などの発電事業に力を入れている。自動車の低燃料化でガソリンの需要が減っており、閉鎖した精製関連施設の跡地など遊休地を有効活用。再生可能エネルギーで発電した電力を固定価格で買い取る国の制度も追い風に、新たな収益の柱として期待している。>(東京新聞2013年4月2日付 ガソリン需要減・遊休地を活用/石油元売り 太陽光に力)

何年も大丈夫とは言えない/3.11後に蠢いた日本の火山地図

2013-04-04 22:59:42 | News Map

■東日本大震災後にうごめいた火山
<「地下のマグマだまりが地震で揺さぶられた」「地殻変動などの影響でマグマが絞り出された」など、巨大地震が噴火を誘発するメカニズムには諸説ある。いずれにしても「富士山が今は大丈夫だからといって、何年も大丈夫とは言えない」(藤井敏嗣・火山噴火予知連会長)だけに、備えだけは十分にしておきたいね。>(東京新聞2013年4月3日付 3・11後を生きる「大地震で火山に異変?」箱根山噴火の兆候なし/わずかに膨張、噴気も)


■記録に残る大規模噴火
<東日本大震災後に、国内の多くの火山で地震が増えるなどの影響がみられた。9世紀(平安時代)や18世紀(江戸中期)に日本全体で大地震や大規模噴火が相次いだことから、今後も同様に噴火が活発化する可能性が指摘されている。(中略)全国の110の活火山のうち、噴火の社会的影響が大きい47火山で避難計画作りが進む。だが、避難の移動手段まで定めた具体的な計画があるのは九州の桜島と霧島山だけ。>
(東京新聞2013年5月17日付 大規模噴火備えを/内閣府検討会 避難計画遅れ指摘)

そして皆、深く傷ついた/第4節 仁義なき広島戦

2013-04-02 04:30:07 | SHIMIZU S-Pulse/清水エスパルス11~14


さて時間は土曜日まで遡る。
<君がどこの誰であろうとも>という言葉は土曜日の広島戦で改めて思ったことだ。サポーター、そしてゴール裏こそ「君がどこの誰であろうとも清水エスパルスを愛し続けるのならば」という一点(シングルイシュー)だけで成立している集団であり、「社会」ある。

サッカーはエンタテイメントで、ショーという見方もできるのだが、サポーターはお客さん(ファン)ではなく当事者(プレーヤー)である。ボールを蹴っていなくとも、ピッチを走っていなくともオレたちはプレーヤーだ。
エンタテイメントでショーであるということは「フィクション」なのだが(フィクションならば目くじらを立てて怒ることもないのだが)、そのフィクションに対していかに向き合い、シリアスに付き合っていくのかがサポーターだと思っている。そのフィクション=理想が現実に拡がっていくことを祈りながら。
勿論サッカーそのものを愛してはいるが、オレにとってエスパルスを応援するということは、フィクションだがリアルで、限りなく理想主義的な行動なのだ。四半世紀も離れてみるとやはり静岡はいい土地で、愛してもいるが、本当に全力で、無邪気に静岡を愛しているというだけならば東京よりも静岡に住む。オレが抱いているのは、素晴らしい土地であるが故に自己完結しがちな静岡的なるものへの愛憎で、エスパルスを通じて、そしてエスパルスに託しながら静岡がポジティブに変わっていくことも願っているのだ(ああ、めんどくせえ奴…)。
というわけでオレはJリーグ理念厨でもある。

広島戦前、地元衆のサポーターの告知行動は素晴らしかった。サッカークラブが単なるエンタテイメントの消費物ではなく、サポーター自らが当事者を自覚していること、そして行動が自発的であることを身を持って表現していたと思う。
危機感で突き動かされる行動や自己表現は、決して広島戦後に起こることになるバス出入口封鎖のようなネガティブな怒りだけではないのだ。
当日には先週のナビスコカップ磐田戦での惨敗を受けて、選手バス到着時にバス待ちが行われた。オレもいつもよりも早めにスタジアムに到着すると駐車場に集まった集団に合流してチャントを繰り返した。
諦めるのはまだ早い、どこまでもオレたちは信じている、いつまでもオレたちが支えているというわけだ。さらにキックオフ前には珍しくメインスタンドに巨大な横断幕が掲示された。勿論キックオフ前のプレーヤーたちにしっかり目にしてもらうためだ。
しかもこのゲームの最中、普段はチャントやコールがほとんど聞こえないメインスタンドからつぶやくようなチャントやコールが聴こえて来た。まるで「ポジティブではいられない」状況でスタンド全体から「ネガティブではいられない」といった雰囲気が感じられた。



しかし今回もものの見事にチャンピオンチームに手酷く蹴散らされてしまった。
計ったようにワンタッチで清水のプレーヤーを交わしていく広島のプレーヤーとの戦術理解度、成熟度の差は明らかで、時間が経つごとに完敗以上の絶望感が拡がった。それでも岡根の退場までは「ボール泳がせながらカウンターチャンスを狙う」といった広島のプランに拮抗していた時間帯もあったのだが、それも数的不利な状況になってからは立て続けに崩れ始めてしまった。
勿論内容的にはポジティブに思える局面も少なくはなかったのだが、これで今シーズン4点差以上の大敗は3回目を数える。開幕一週前のPSMを含めれば、一ヶ月で実に4回である。
プレーヤーやクラブは勿論、これはさすがにサポーターにとってもキツい。
「勝ちなし」よりも、何が状況を悲惨なものにしているかといえば、それは汲めども尽きぬ大量失点に尽きる。そもそも清水はシュートも少ないが、シュートを打たれるのも少ない「ディフェンスは悪くない」チームだったはずだ。これは去年の岩下離脱以降、CBの問題を放置し続けたツケがいよいよ歯止めが効かなくなってきたと言わざるを得ない。ベテラン云々ではなく、CB問題は見続けてきた人ならば誰だって感じていたことだと思うのだ。



ゲーム終了後には選手バス出入口前をサポーターが封鎖する事態になった。
残念ながらそういう「愛情表現」をしてしまうのもサポーターなのだ。
しかしオレは、強化責任を一手に負うはずの強化部長の原さんの見解こそ直接聞きたかったものの、そもそもアフシンを責める気はほとんどないし、フロントが出て来さえすれば選手バスはすぐにでも出発させた方がいいと思っていたので、封鎖を主導していたサポーターの主張の90%は同意できない。それどころか、封鎖組のほとんどはアフシンへの怒りを剥き出しにしていた…いた、のだが、その一方で、あの場所のすべての人がフロントと真剣に話し合うといった雰囲気があったのかといえば、それはそれで疑問でもあったのだ。だからオレも心ならずも某サポーターと一瞬揉めたりしたんだけれども(「たかがサッカー」だからこそオレは真剣に喧嘩したいと思う)。

広島の選手バスを拍手で送り出すと、社長、強化部長、そしてアフシンと通訳の遠藤さんがバスの前に出てきた。
アフシンの言葉は予想通りで、これまで彼の言葉を読み続けてきた人ならば「そう言わざるを得ないだろう(≠言い訳)」という言葉しか出てこない(フロントに対して辞任要求をしたところで、あの場所で、あの瞬間に辞任を認めるフロントがどこにいるというのだろう…いたらその方が嫌だな)。
しかし座り込み中心部はこれまた予想通りに「言い訳」と受け取った。
これではもう話し合いなどできるはずもなく、ただの晒し上げといった状況になってしまった。座り込みの中には、アフシンの目の前で発売したばかりの『ゴトビ革命』を破り続ける若者もいた。アフシンにとっては酷い屈辱であり、侮辱だと思うが、あまりにも直接的に怒りを表現した彼は、気の毒だがもう後戻りができないだろうと思う。
「結論ありき」の似非話し合いなどお互いが不幸になるだけだ。
真摯な話し合いの場が成立しない場所では、後戻りできない傷つけ合いしか起こらない。もうあの場所には批判、要求というよりも、時間が経過すればするほどオレだって耐え切れないほどの罵倒、嘲笑が渦巻いていた(時にはアフシンだけを矢面に立たせることに対して異議を唱える発言をした「仲間」さえ嘲笑したのだ…これではまるで現在の“しみじみ”スレである)。
その場にいた人間がエスパルスを愛していることは確かだろう(たぶん)。しかし愛情表現が違い過ぎた。

じゃあお前は何でほとんど最後まで居残っていたのかと言われれば、あの寒風の中、アフシンがぎりぎりまで立ちながら説明を続けていたことと、オレたちのリーダーが目の前に出てきてしまった以上、どうしたって最後まで見届けなければいけないと思ったのだ。辞任要求も結構だけれども、彼が自ら戦うことを止めない限りはオレたちのリーダーであることは間違いがないのだ(クラブにとっては13時キックオフが仇になったと思うけれども)。
監督の辞任要求なんてリアリティのない主張や要求は、スポーツ新聞のネタを提供するだけで、あの場で主張するのなんてまったくナンセンスだ。首の挿げ替えをしてでも計算できる豊富な戦力がある、選手層の厚いチームならばともかく、清水というチームは計算できない、しかし可能性だけが残されているいうチームなのだ(戦力批判、移籍批判はまた別の話でシーズン終了後にでもやればいい話だ)。開幕一ヶ月の現時点でのリーダーの変更は明らかにリスクの方が高い。
それにしても限られた条件の中で戦うしかないアフシンに対して、「限られた」という意味では同条件とはいえ予算問題の弁明に終始した強化部長の原さんこそもっと説明を求めるべきだったと思う。オレは「これから先」を原さんに問いかけたつもりだったが、答えてはもらえなかったと思う。



ゲーム終了後のバス出入口封鎖が2時間ほど経過したところで飛び出した「誠意がない」というあるサポーターの言葉を聴いたときには耳を疑った。それはサポーターがいうべき言葉ではないだろう。
しかしその発言が出たということは、またこの「話し合い」の状況があまりにも混沌とした、ぐだぐだの状況に入ってしまったということだった(ほとんど最初からそうだけど)。あえてクレーマーとは言わないけれどもオレたちは決して「消費者運動」をやっているわけではないのだ。フロントは当事者だが、オレたちだって無責任な消費者ではなく当事者でありたいと思う。
もう、その瞬間、この抗議も終わったと思った。
アフシン、遠藤さんと原さんがミーティングのため立ち去り、社長の竹内さんがひとり残ると一部サポーターが詰め寄った。

竹内さんは、この場の意見を受け止めると同時に「そうではないサポーターの意見もある(多い)」という言葉を繰り返した。
それはそうだろう。その「そうではない意見」の人間が目の前にいるんだから(少なくともオレはこの場の意見に矢面に立って答えるべきだったのは原さんだと思うので)。
オレはやはりアフシンと彼のチームが戦い続けている以上は、少数派になったって支えていきたいと思う。
彼らがかろうじて戦えるのは、周囲がいくら批判したって、それでも応援(サポート)し続けてくれる人たちがどこかにいると信じていることに他ならない。
勿論批判や批評は必要だが、オレはアフシンやプレーヤーたちを孤立無援にはさせたくない。たとえその批判や批評で、こんな風に互いを傷つけ合ったとしても、それが「大事なもの」を守るってことだろう。

19時頃にアイスタを後にすると、坂下でタクシーを拾って新清水へ向かった。
タクシーの運転手さんはかつて柏戦でオフサイドインチキゴールに激怒して柏の選手バスを座り込みで止めた猛者だった…あの頃の方がもっと暴力的で、直接的で、牧歌的だったかもね。
しかし、まったく何ていう週末だったんだろう。

次は鳥栖戦。行けっかなあ…行きたい。

西新宿攻防戦/排外デモカウンター行動(3.31)

2013-04-01 22:20:54 | News


14時30分過ぎ、新大久保に到着。
まだまだ大きく取り上げられているとはいえないものの、ここ一週間ほどは有田芳生さんや宇都宮健児さんらによるデモ認可差し止めアピール、殺人予告に対する人権救済申し立てによって猛烈にニュース化されている在特会(在日特権を許さない市民の会)系の反韓デモ(今回は「特定アジア粉砕新大久保排害カーニバル!!」)が新大久保で行われた。
これはライトな気分でストレス解消するだけの、明らかな人種差別デモである。そして彼らは、本人たちもほとんど公然と認めるレイシストで排外・排斥主義者の集団なのだ。
その集団が在日を含む韓国人に対する殺人、排斥を訴えながら新大久保にいる「当事者」たちの町を練り歩くのだから、この2、3ヶ月の週末の新大久保(大阪は鶴橋)は凄まじい状況になっている。
デモが通過する瞬間、この町は殺す人たちと殺される人たちの町になる。
どこの国の無法地帯なのか。驚くべきことに、ここは日本なのである。

すでにデモは出発していて、レイシストしばき隊やカウンターの参加者もデモの進行に合わせて歩道から併走しながらカウンターを始めていたようだ。
駅前の喫煙所周辺にはおそらく渋谷経由でここにやってきた人たちが続々と集まってくる。
デモ隊の新大久保駅前通過が15時頃ということを確認しつつ、プラカード隊の皆さんと買い物客でごった返す大久保通りを早足でデモ進行の逆方向へ向かう。そしてヒステリックなアナウンスを続けるデモ本隊と遭遇すると同時に、歩道のカウンターと合流し、全力で怒号をぶつける。
半端なトラメガでは対抗できないくらいの大音量の「レイシスト帰れ」「在特帰れ」のシュプレヒコールが沿道から巻き起こる。沿道の声の凄まじさに彼らの立派なトラメガも手持ち無沙汰で、その後ほとんど使われることはなかったように思う(まったく何のためのトラメガなのかと思った)。
カウンターの行動者だけではなく、たまたまその場に居合わせた人たちからもデモ隊へ向けて怒りの声が挙がった。トラメガの先導だけではなく、一人ひとりの自発的なコールと怒号が歩道に渦巻く。
通りすがりの「つぶやき」も含めて、一人ひとりの生の声は自分たちを守る一番手っ取り早い「武器」なのだ。

一方でデモ隊のカメラは「自分たちの行動を記録する」というよりも、ほとんど沿道に向かっている。
彼らは注目されていることを身悶えるように、プラカードを掲げ、怒号を浴びせるオレたちにレンズを向ける。きっとあのカメラは自分たちを守ってくれる武器だと信じているのだろう。彼らはネットの中だけの住民で、自分の顔は晒さない代わりに、「相手を晒す」という行為は自分を守ると信じているのだろうと感じた(堂々と顔を晒しているのは、デモ中の行動を見ても本物のアレなのだが…)。
しかし彼らには気の毒だが、もはや数十倍、数百倍のレンズが彼らを「晒し」ている。




デモ隊が駅前を通過した後もゴール地点の柏木公園までカウンターの集団はじりじりと彼らを追いかけ続けた。何箇所も、何度も警官が通行規制をする中で、それでも少なくない人たちが公園まで向かった。
公園周辺では「在特帰れ」を基調にしたコールが繰り返し繰り返し叫ばれた(こういうときこそドラムの大切さ=リズムのキープって痛感するよね)。デモ隊を「安全に」解散させるためにスクラムを組んだ機動隊から何度も押し戻されながらカウンター集団の力強いコールは続いた。そしてネットの中のストレス解消から現実へと足を踏み入れた彼らが醜悪な主張を捨て去らない限りカウンターのコールは続くだろう。

君がどこの誰であろうとも/TwitNoNukes#15(03.31)

2013-04-01 22:11:09 | News


日曜日は渋谷でTwitNoNukesの15回目の反原発デモ。
スタートはいつもよりも早い12時ということで、12時ぎりぎりに原宿駅に到着し、急いで集合場所の代々木公園へ向かうが既に出発済み(当たり前だ)。公園通り下で何とか追いついたが、天候とスタート時間の問題だったのかこの時点では1梯団(だったらしい)。しかしオレと同じような遅刻組やいつもながらの途中参加の方々で列はさらに伸びていたようだ。
さて、15回目である。今月でTwitNoNukesのデモも2年になる。風化だの空洞化だの弱体化だのといったロマンチックな言葉を使わなくても、事故が収束せず、原発があり続ける限りオレたちは「リアルな日常」である。今回はコースこそ多少変わったものの、集団が小さかったということもありコールリーダーが分散することもなく、いつも通りの熱いコール&レスポンスが続き、ドラム隊の皆さんは淡々とリズムを刻んだ。何ら特別なことはない。

3.11以降の反原発デモのスピリットはやはりここにあるんだと思う。
主催デモは15回を数え、3.11以降の抗議行動でも中核的存在のひとつであるTwitNoNukes。フロントメンバーは勿論、名前こそ知らないし話したこともないけれども、もはや見知った顔は少なくない。だからといってサロンを求めているわけではない(まあ可愛い女の子ならば話してみたくもなるけれども)。
君がどこの誰であろうとも、そしてオレがどこの誰であろうとも、その場所を共有しているのならば関係ない。
どのデモでも行動でも「飛び入り歓迎」「出入り自由」は定番のフレーズなのだけれども、TwitNoNukesではいつでもそれを強く感じる。
君がどこの誰であろうとも、そしてオレがどこの誰であろうとも、たったひとりでもレスポンスがあるのならば、オレたちのコール&レスポンスは続いていく。
そしてこの週末は「それ」を強く感じざるを得ないいくつもの場面に遭遇した。

14時過ぎにゴール地点のけやき並木に到着。参加者の少なくない人たちがそのまま新大久保へ向かった。
けやき並木でダンス規制法反対パレード(デモ)に出発する春風2013を見送りながらオレも 新大久保へ向う。