2月3日はぼく、ももすけの死んだ日にあたります。
ちょうど2年、人間の世界でいうと3回忌ということです。
おかあさんは、いつまでこの「ももすけの日記」をぼくに書かせておくつもりなんだろう。
”ぼく”だったり、”おかあさん”だったり。
でも、前回、1月24日はすべておかあさんが”私”で出ています(?)。
意を決して、本人で行こう、と!
でも、まあ、どっちでもいいことなんだけど、おかあさんにも迷いがあってね。
”ぼく”から”私”にかわってしまうと、なんだかmomosukeのことを忘れようとしているようでさびしいし(実際、忘れられていない!)、”ぼく”のほうが下手くそな文章でも、少しくらい品が無くっても平気なような気がするんだ。
これって、実は依存症なのかもしれない、なんて、ふと思ったりします。
おねいちゃんのことをこの日記に書くのは久しぶりですが、相変わらずおとなになりきれていません。
死ぬまで、人間はかわらないのかもしれない、とも思います。
数日前の良く晴れた日、おかあさんは急に思いたって二上山に登りました。
山に登るときの帽子を、ハットにしようか、キャップにしようか、と考え、キャップにしました。
そして、キャップのほうが、自立しているみたいな感じがすると思いうれしくなりました。
この年になって、自立も何もあったものでもないと思いますが、なんとなく、そんな気がしたのでした。
ひとりで行くと、いろいろな人とお話しする機会が多いように思います。
ほとんどが中高年ですが、犬を連れた人の近くにすわってお昼にしました。おにぎりとりんごのお弁当です。
犬にみかんを食べさせていたので、よかったらどうぞ、と、おかあさんはりんごを一切れあげました。
いろいろお話して、ついでにおかあさんが食べているりんごも小さくかじって、わんこ(湯の山温泉の湯乃ちゃん)に食べさせてあげました。
そして、momosukeもりんごがだいすきだったなぁ、と思い出していました。
そこから少し下って、野鳥などを観察できるあずまやがあります。 おかあさんがそこに着いた時、テーブルの上に、ずっと昔からあったような籠がおいてありました。
「すてきなカゴ~!」と言うと、そばにいたおじさんが、「あの人が今作ったところなんや。1時間ほどかかって、」と、別のおじさんをさしました。
葉っぱでつくった虫も2匹。そこへ、小さな男の子とママがやってきました。男の子は目を輝かせて”虫”に迫ります。
それを作ったおじさんが、「これは、こうして飛ぶんやで。ほら、飛ばしてごらん。」と。
なかなかうまく飛ばせない。「ほな、もって帰り」と、おじさん。
男の子とママはよろこんで、何度もありがとうと言って、てっぺんの方に登って行きました。
おじさんは、また、少し離れたところにいた家族連れに、もう一匹の”虫”をあげに行きました。
そして、ずっとカゴを眺めていたおかあさんに、あげるよと言って、立ち去りました。
しばらくして、家族連れの中の男の子が”虫”を持って走ってきました。
「もう一人いるので、もう1匹ください!」と。
「あら、それを作った人はもう山の上の方に行ったよ。」と言うと、男の子は走っておって行きました。弟の分かな?
しばらく小鳥の写真を撮ったり、もうひとりのおじさんとおしゃべりしたり、なにしろカゴをゲットしておかあさんはご機嫌でした。
ものすごく肩が凝っていて、腕の付け根が抜けそうなほど痛かったのに、膝が痛かったんだ、と山を上り始めて思い出して不安になったり、なあんとなく、おねいちゃんのことが気になってもやもやしていたのだけれど、山を下るころ、すごく元気になっていました。
山は元気になれるのだね~!気持ち良かった~~!
もっとも、湯乃ちゃんのおかあさんは「私にしたら、この二上山は山ではない」と言っていたけど。彼女はほんとうの山に登っているらしい!