三菱重工業は、神戸造船所(兵庫県神戸市)内において、将来の発電システムである宇宙太陽光発電システム(Space Solar Power System:SSPS)の中核技術として開発が進んでいる無線送電技術の地上実証試験を実施し、長距離の無線送電に成功した。
SSPSは、太陽光パネルを地上から3万6,000kmの宇宙空間に打ち上げ、静止軌道上の太陽電池で発電した電力をマイクロ波/レーザーにより地上に無線伝送して、地上において再び電気エネルギーに変換して利用するシステム。
今回、送電ユニットから10kWの電力をマイクロ波で無線送電し、500m離れた受電ユニット側に設置したLEDライトをその電力の一部を使って点灯させることに成功したもの。
無線送電距離としては500mは国内最長で、10kWも国内最大電力。
また、ビームが受電ユニット以外の方向へ放射することのないように制御する先進の制御システムの適用試験も実施し、問題のないことを確認した。