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■大陸の、夜行列車をみる
9/13(木)の朝。本日17時過ぎの羽田便で帰国します。
コブレンツからフランクフルト空港までは、インターシティで2駅、約1時間の距離です。
今日は雨。本当は、コブレンツの観光名所ドイチュスエッグを眺めて帰ろうかと思っていましたが、
雨では仕方ありません、フランクフルトに早めに移動して、中央駅で列車を眺めることにしましょう。
で、まずは早朝のコブレンツ駅から。
二日連続早起きですが、今度はコブレンツ駅を7時8分に出発する
夜行の豪華列車『ナイトジェット』を見に行きます。
ナイトジェットは、オーストリア国鉄の運営する夜行列車です。もともとはオーストリアと周辺諸国を走っていたそうなのですが、
2016年にドイツ鉄道が夜行列車をすべて廃止した際に、いくつかの路線を引き取って運行しているのだそうです。
オープン・アクセスだと、こんな芸当もできてしまうんですね。JRバスの廃止路線を名鉄バスが運行するような感じでしょうか。
現在も結構本数が走っており、現在も夜行列車網を拡大させている頼もしい存在です。
(見てもアレかもしれませんが、公式ホームページ https://www.nightjet.com/en/)
コブレンツには7時6分の到着です。発車案内では「EN(ユーロナイト:ドイツ鉄道が運行していた夜行列車)」として案内されていました。
ホームにあがると、既に到着していました。
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これが、ナイトジェットです。
一晩走ってきて、小休止といった感じ。
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いいですね、寝台列車が走っているという事実もそうですが、
よーく見ると古いのから新しいのから、色々なタイプの客車が連なっていて
ブルートレインとはまた違った趣がありますね。
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9両編成でしょうか。一部にオーストリア国鉄カラーの客車が挟まっていますが、あれは座席車でした。
夜行寝台列車ですが、寝台車から座席車まで、様々なタイプの客車で需要にこたえますといったところでしょうか。
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ところで、前のほうを見ると、何やら客車ではないものが。
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おー!車運車ですよ!
この列車、自動車も一緒に運んでしまうんですね。
日本でも一昔前まであった「カートレイン」のようなものでしょう。
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車運車があり、ごちゃまぜ客車が連なり…
この、何でもありの、ごった煮感が
ヨーロッパらしいと思うのですが、どうでしょうか。
なお、内装はきちんと改装されていて、動くホテルと形容されているので、ご安心ください。
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牽引はオーストリア国鉄のタウルス型機関車です。
こんだけの長編成を1両で牽引できる、パワフルなやつですが
その気になれば200キロ以上の高速も出せる、ツワモノとのこと。
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車運車3両も繋いでるんですね。しかも、雨ざらしw
日本のカートレインは、すべて有がい車にフォークリフトで乗せていたと思いますが
そこらへんは、法律とか考え方の違いなのでしょうね。
(機関車次位の車運車なんか、パンタグラフから飛んでくるスパークやら何やらで、汚れないのでしょうかw)
oebb NightJet leave from Koblenz
■コブレンツからフランクフルトへ…行けなかった
さて、ホテルで準備を済ませ、チェックアウトして再びコブレンツ駅へ。
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昨日お世話になった、ルクセンブルク国鉄の2階建電車が停まっていました。
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かっちょええんだかどうなんだか…微妙なデザイン(嫌いではないですが)
で、この電車、行先がなんとデュッセルドルフ
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どうやら昨年11月に、ルクセンブルクからデュッセルドルフまで直通便が設定されたようです。
デュッセルドルフって、ここからあと2時間ぐらいあると思いますけど。結構な長距離を走るんですね~
(日本だと、線路使用料がどうだ、とか問題になりそうな運行です。ルクセンブルク国内を走るのは30分ぐらいのものですからw)
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ドイツ鉄道の車掌さんが犬をかわいがる之図
割とよくみた光景です。
※ドイツ鉄道の車掌さんの特徴
・喫煙率が高い(インターシティ発車前のホーム、喫煙所に行けば大概いますから、何か聞きたいことがあれば喫煙所に行くのがいいですw)
・動物をかわいがる(野良犬、野良猫、ホームでかわいがる姿はよく見かけます)
・何か悪いことがあると、あからさまにテンションが下がるが、ぎりぎりまで言わない(なんとなく雰囲気でわかることはある)
さて、本日はこの旅ではじめてICE、インターシティ・エクスプレス(イーツェーエー)に乗車します。
ドイツ鉄道の誇る最高サービスの、フラッグシップトレインですね。
座席指定は2列窓側の席でしたが、既に先客がいて(しかも、男性が奥さんと二人で座っていて)
私が通りかかるとあわててコーヒーをもって動こうとされるのですが、一人掛けの席が全然空いてましたから、
ノーノー、オーケーオーケー!エンジョイトリップ!アイヒア~と言って席を譲ったところ
あとで通りがかりに、Thanks kind!といって、5ユーロを置いていきました。なんていい人だ。
※5ユーロは座席指定料金です。
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ICE、すごいですよ、乗車したとたん車掌さんからメニュー渡されるわ、コーヒーでてくるわ
注文すればビールや食事も席でできるんですね。
残念ながら朝食を食べてきたので、おなかいっぱい、
コーヒーをもらって(コーヒーも紙コップとかではなく、ちゃんとした食器のガチのやつ)ドイツの車窓を眺めておりました。
と、何やら車掌さんがドイツ語で、にゃらにゃらにゃら~としゃべっています。
おっと?不穏な空気だぞ?
やがて、止まりまして。動く気配がなくなります。
おっとぉ?と思っていたら、英語放送で、この先の線路に重大な何かがあって、フランクフルト方面へは行けなくなった。
我々はいったん、コブレンツ駅に戻る、申し訳ないが、急いでいる人はこの駅で、タクシーに乗り換えてくれ、と
ええええええええ
確かに、DBナビゲーターを見ると、1.5時間遅れの文字が
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そんなこと、ある?
コブレンツまでもどって、その先どうなるの?と聞いたら
線路点検が終わるのを待つ、とのこと。
なるほど、それまでレストランでも…ってことですかね
いやいやいやいや、それで点検終わらなかったらどうするのさw
飛行機は17時。まだまだ余裕はありますが、戻るのはなんとなく不安だったので、ここで飛び降りました。
本来はICEが停まるような駅ではなく、ホームは低いので、文字通り『飛び降り』ですw
このとき、先ほどの男性が、私のほうにきて、空港へ行くのか?とか、何時のフライトだ?金はあるのか?と
色々親切にしてくださったのです。
そのうち、トラブル大好きドイツ人wですから、1等車の車内の色々な方が、あーしたらいい、こうしたらいいと
教えてくれたのでした。
・この駅から、渡し舟で対岸に渡ると、ローカル線があって
それなら、もしかしたら動いているかもしれないけど、保証はできない
・コブレンツからケルンに行けば、ケルンからフランクフルトまでの高速線があって
そっちが動いているなら、それに乗ればいい
もしかしたらこの電車もそうするのかもしれない。
・タクシーに乗ったほうがいい、払い戻しが受けられるはずだから、窓口で聞いてみなさい
27号車?に大きい車掌さんがいるから、その人に聞いてみるといいわ
最終的には、やっぱりタクシーがいいよ、ということになって、私は下車を選択したのでした。
降りるときも男性が、幸運を祈る、とスーツケースを下すのを手伝ってくれたり。
いざ自分がトラブルに巻き込まれると、こういったドイツ人のやさしさは、本当にうれしいものです。
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で、ここはどこだ?w
グーグルマップをみると、ビンゲン(ライン)駅とのこと。
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一応ドイツ鉄道が急遽手配したと思われるPOLICEの方と
DBのチョッキを着た職員さんがいて、安心はできました。
物は試しとDBの方に聞いてみたら、私はセキュリティだから運行のことはわからないとバッサリ。冷たいなぁ
こういうとき、ドイツ人はどうするのかな~と思ってみていたら、
ぞろぞろと近くのレストランに入っていくではありませんか。
どうせ列車が来ないなら、飯でも食ってしまおうと、そういう心構えなのですね。
正解だと思います、人身事故で止まって駅で何時間もイライラするぐらいなら、そっちのほうが正解だね。
■また、人に助けられる
さて、私もそうしようかと思いましたが、やはり空港まで行けるかどうかが不安で。
駅近くのタクシー乗り場に行ってみたものの、タクシーは全部出ていった後。
どうしようかな~と困っていたら、近くのおじいさんとおばさんが、タクシーを手配してくれまして。
(最初は、呼んでやるから金よこせ、的なやつかと思ったんですが、どうやらそうではなく…
騒がしいから出てきたら、大変なことになっていた、この辺はタクシーめったに通らないから、呼んであげるよ、という親切。
逆に、チップを渡そうとしたら、ノーノーノー!といって、受け取ってくれませんでした。なんだっけな、ノープロブレム~的なこと言ってた)
ということで、図らずも
“アウトバーンをメルセデスで疾走し、空港に乗り付ける”という
たいへん貴重な経験ができたのですw
本当に、この旅では人に恵まれまして。
タクシーの運ちゃんも、とてもやさしい方でしたよ。
聞いたよ~大変だったね~でもドイツ鉄道はいつもこうだからね、とか
ドイツ人はやさしいでしょ?とか
飛行機の時間は何時?と聞かれて、17時と言ったら、じゃ急がなくていいね~安全運転で行くよ!と
アウトバーンを195キロで“ゆっくりと”走ってくれたりw
最初はドイツ語のニュースを聞いていたみたいなのですが、途中で、これは君はわからないよね?と言って
クラシックかなんかのチャンネルに変えてくれたり。
これは文化の差なのかもしれませんが…
彼ら、前を見て運転しないんですねw
追い越す車に手で合図したりとか、同僚のタクシーを見つけるとなんか話したりとか(195キロでw)
こちらと話をするときも、興味あると平気でこっちをくるっと向くんですw
お願いだから、前向いて…とw
でも、危ないことはまったくなかったので、プロドライバーだなぁ~という感じでした。
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無事、14時過ぎにフランクフルト空港到着。
あれ、なんやかんやで出発3時間前ですか、ええ時間になりましたね。
(当然ですが、今更フランクフルト中央駅に行く気力は、残っていませんでした。とりあえず到着できたことがうれしくて…笑)
タクシー料金、300ユーロぐらい請求されるかな~と思っていたら、130ユーロでした。
安くはないですが、60キロの距離を乗ったことを考えると、意外と安い?
(後で調べたら、東京駅から成田空港ぐらいの距離を乗っていたみたいです。東京駅から成田空港ってタクシーでいくらだろう?)
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何にしても、無事ここまで来ることができて、感無量なのであります。
そしてこれは同時に、5泊6日ベネルクス旅行が無事遂行されたということでもあります。
すべて自己手配の旅、色々なことがありましたが、
こうして何事もなく(何事は、ありましたが…ともかく)出発地点に戻ってこれたのは、とてもうれしかったです。
こんなに達成感のある旅は、はじめてですよ。
最後に、お土産を買って、時間が少しあったので
初日に行かなかった、Frankfurt flugharfen fernbf駅を見て、帰国しましょう。
■帰国
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の前に、腹ごしらえ、カリーブロストですよ。めっちゃうまいぜ。
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はい、こちらが、Fernbf駅(長距離列車駅)です。
ね、めちゃんこ綺麗です。
向かって左のエレベーター、満員で、1階と2階の中間に停止してましたが、
あれは、大丈夫だったのだろうか…笑
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旅のラストにICE。結局、6日間いて1時間ぐらいしか乗らなかったですね~、ICE
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さて、帰国します!
出国手続きを終えた先で、バイスブローストとビア
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ふたたびLufthansaで、羽田へ。
帰路を羽田にしたのは、フランクフルト-中部便が飛ぶ日が限られることと、中部に朝8時という微妙な時間設定のため。
羽田便なら、フランクフルト17時で羽田に13時着ですから、その日のうちに時差ボケ解消しつつ、自宅に戻って片付けが十分できるのです。
で、10時間のフライトを終えて、羽田に到着。
(私の席のモニターが壊れていて、10時間暇を持て余しました…ほとんど寝てたから、まぁいいですが)
羽田の入稿審査、お役所~って感じが、やっぱり日本ですね。
早速トイレのウォシュレットではしゃいでいる外国人を見ましたw
日本ですね~。
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空港駅で。お!黄色い京急がお出迎えです!
なんかいいことあるな。
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SHINKANSENで羽島へ戻る。
(前のサラリーマンさん、その恰好ができるのは、日本だけですよ~と、心の中で忠告)
さて、長いようで短いようでな5泊6日(初日の中部空港宿泊も入れると、6泊7日)の旅がおわり。
多くのことを、学んできました。
自己手配で、海外の国境鉄道を乗りまくる、という経験は、なかなかできることではないでしょう
したい人も、いないかもしれませんが…w
とにかく、この経験を、一人でも多くの方に共有したいと思いますし、
これを読んで、ちょっと行ってみようかな…という方が一人でも増えてくれると、面白いかなという思いで
ここまで、書いてきました。
鉄道模型をやっていても、圧倒的に日本型が中心で
海外の鉄道って、人気ないんですよね。なんでかわかりませんが。。
もっと鉄道趣味を通じた、日本と海外の交流が盛んになるといいな、と
そのきっかけに、本ブログが役立つと嬉しいな、と思いながら
いったん完結させたいと思います。
書くのもなかなか大変でした…でも、書きながら色々調べるのも楽しかったです。
来年は、どこの国に行こうか。
とりあえずベルギーの鉄道は、もう一回ちゃんと見ておきたいな、と。
これからは、旅の中で感じた
私の目から見た、日本と海外の文化、鉄道の違いだとか
未公開になっている写真の公開とか
出発からおよそ1か月経ちましたので、今思っている反省点とか
そういった内容で、ぼちぼち記事を更新していければよいなと思っています。
完
(で、これ、本にしたいw)
★2018ベネルクスの旅 各記事へのリンク★
(序)準備編~ドイツまで
(1)ドイツからベネルクス入国まで
(2)リエージュの吊り掛け電車達と、オランダ国境の街
(3)ベルギーを大移動、屋根のない博物館へ
(4)芸術の駅へ
(5)芸術の街からオランダへ
(6)オランダは自由の国(いろんな意味で)
(7)風車の村
(8)フリッツァー事件
(9)アムステルダムで鉄道を見る
(10)ユトレヒトで、もっと鉄道を見る(散策編)
(11)ユトレヒトで、もっと鉄道を見る(鉄道博物館編)
(12)ドイツへ戻る。。。。
(13)コブレンツと、ルクセンブルク(前編:鉄道編)
(14)ルクセンブルク(後編:観光編)
(15)帰国日に、事件発生<本記事>
■大陸の、夜行列車をみる
9/13(木)の朝。本日17時過ぎの羽田便で帰国します。
コブレンツからフランクフルト空港までは、インターシティで2駅、約1時間の距離です。
今日は雨。本当は、コブレンツの観光名所ドイチュスエッグを眺めて帰ろうかと思っていましたが、
雨では仕方ありません、フランクフルトに早めに移動して、中央駅で列車を眺めることにしましょう。
で、まずは早朝のコブレンツ駅から。
二日連続早起きですが、今度はコブレンツ駅を7時8分に出発する
夜行の豪華列車『ナイトジェット』を見に行きます。
ナイトジェットは、オーストリア国鉄の運営する夜行列車です。もともとはオーストリアと周辺諸国を走っていたそうなのですが、
2016年にドイツ鉄道が夜行列車をすべて廃止した際に、いくつかの路線を引き取って運行しているのだそうです。
オープン・アクセスだと、こんな芸当もできてしまうんですね。JRバスの廃止路線を名鉄バスが運行するような感じでしょうか。
現在も結構本数が走っており、現在も夜行列車網を拡大させている頼もしい存在です。
(見てもアレかもしれませんが、公式ホームページ https://www.nightjet.com/en/)
コブレンツには7時6分の到着です。発車案内では「EN(ユーロナイト:ドイツ鉄道が運行していた夜行列車)」として案内されていました。
ホームにあがると、既に到着していました。
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これが、ナイトジェットです。
一晩走ってきて、小休止といった感じ。
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いいですね、寝台列車が走っているという事実もそうですが、
よーく見ると古いのから新しいのから、色々なタイプの客車が連なっていて
ブルートレインとはまた違った趣がありますね。
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9両編成でしょうか。一部にオーストリア国鉄カラーの客車が挟まっていますが、あれは座席車でした。
夜行寝台列車ですが、寝台車から座席車まで、様々なタイプの客車で需要にこたえますといったところでしょうか。
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ところで、前のほうを見ると、何やら客車ではないものが。
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おー!車運車ですよ!
この列車、自動車も一緒に運んでしまうんですね。
日本でも一昔前まであった「カートレイン」のようなものでしょう。
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車運車があり、ごちゃまぜ客車が連なり…
この、何でもありの、ごった煮感が
ヨーロッパらしいと思うのですが、どうでしょうか。
なお、内装はきちんと改装されていて、動くホテルと形容されているので、ご安心ください。
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牽引はオーストリア国鉄のタウルス型機関車です。
こんだけの長編成を1両で牽引できる、パワフルなやつですが
その気になれば200キロ以上の高速も出せる、ツワモノとのこと。
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車運車3両も繋いでるんですね。しかも、雨ざらしw
日本のカートレインは、すべて有がい車にフォークリフトで乗せていたと思いますが
そこらへんは、法律とか考え方の違いなのでしょうね。
(機関車次位の車運車なんか、パンタグラフから飛んでくるスパークやら何やらで、汚れないのでしょうかw)
oebb NightJet leave from Koblenz
■コブレンツからフランクフルトへ…行けなかった
さて、ホテルで準備を済ませ、チェックアウトして再びコブレンツ駅へ。
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昨日お世話になった、ルクセンブルク国鉄の2階建電車が停まっていました。
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かっちょええんだかどうなんだか…微妙なデザイン(嫌いではないですが)
で、この電車、行先がなんとデュッセルドルフ
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どうやら昨年11月に、ルクセンブルクからデュッセルドルフまで直通便が設定されたようです。
デュッセルドルフって、ここからあと2時間ぐらいあると思いますけど。結構な長距離を走るんですね~
(日本だと、線路使用料がどうだ、とか問題になりそうな運行です。ルクセンブルク国内を走るのは30分ぐらいのものですからw)
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ドイツ鉄道の車掌さんが犬をかわいがる之図
割とよくみた光景です。
※ドイツ鉄道の車掌さんの特徴
・喫煙率が高い(インターシティ発車前のホーム、喫煙所に行けば大概いますから、何か聞きたいことがあれば喫煙所に行くのがいいですw)
・動物をかわいがる(野良犬、野良猫、ホームでかわいがる姿はよく見かけます)
・何か悪いことがあると、あからさまにテンションが下がるが、ぎりぎりまで言わない(なんとなく雰囲気でわかることはある)
さて、本日はこの旅ではじめてICE、インターシティ・エクスプレス(イーツェーエー)に乗車します。
ドイツ鉄道の誇る最高サービスの、フラッグシップトレインですね。
座席指定は2列窓側の席でしたが、既に先客がいて(しかも、男性が奥さんと二人で座っていて)
私が通りかかるとあわててコーヒーをもって動こうとされるのですが、一人掛けの席が全然空いてましたから、
ノーノー、オーケーオーケー!エンジョイトリップ!アイヒア~と言って席を譲ったところ
あとで通りがかりに、Thanks kind!といって、5ユーロを置いていきました。なんていい人だ。
※5ユーロは座席指定料金です。
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ICE、すごいですよ、乗車したとたん車掌さんからメニュー渡されるわ、コーヒーでてくるわ
注文すればビールや食事も席でできるんですね。
残念ながら朝食を食べてきたので、おなかいっぱい、
コーヒーをもらって(コーヒーも紙コップとかではなく、ちゃんとした食器のガチのやつ)ドイツの車窓を眺めておりました。
と、何やら車掌さんがドイツ語で、にゃらにゃらにゃら~としゃべっています。
おっと?不穏な空気だぞ?
やがて、止まりまして。動く気配がなくなります。
おっとぉ?と思っていたら、英語放送で、この先の線路に重大な何かがあって、フランクフルト方面へは行けなくなった。
我々はいったん、コブレンツ駅に戻る、申し訳ないが、急いでいる人はこの駅で、タクシーに乗り換えてくれ、と
ええええええええ
確かに、DBナビゲーターを見ると、1.5時間遅れの文字が
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そんなこと、ある?
コブレンツまでもどって、その先どうなるの?と聞いたら
線路点検が終わるのを待つ、とのこと。
なるほど、それまでレストランでも…ってことですかね
いやいやいやいや、それで点検終わらなかったらどうするのさw
飛行機は17時。まだまだ余裕はありますが、戻るのはなんとなく不安だったので、ここで飛び降りました。
本来はICEが停まるような駅ではなく、ホームは低いので、文字通り『飛び降り』ですw
このとき、先ほどの男性が、私のほうにきて、空港へ行くのか?とか、何時のフライトだ?金はあるのか?と
色々親切にしてくださったのです。
そのうち、トラブル大好きドイツ人wですから、1等車の車内の色々な方が、あーしたらいい、こうしたらいいと
教えてくれたのでした。
・この駅から、渡し舟で対岸に渡ると、ローカル線があって
それなら、もしかしたら動いているかもしれないけど、保証はできない
・コブレンツからケルンに行けば、ケルンからフランクフルトまでの高速線があって
そっちが動いているなら、それに乗ればいい
もしかしたらこの電車もそうするのかもしれない。
・タクシーに乗ったほうがいい、払い戻しが受けられるはずだから、窓口で聞いてみなさい
27号車?に大きい車掌さんがいるから、その人に聞いてみるといいわ
最終的には、やっぱりタクシーがいいよ、ということになって、私は下車を選択したのでした。
降りるときも男性が、幸運を祈る、とスーツケースを下すのを手伝ってくれたり。
いざ自分がトラブルに巻き込まれると、こういったドイツ人のやさしさは、本当にうれしいものです。
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で、ここはどこだ?w
グーグルマップをみると、ビンゲン(ライン)駅とのこと。
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一応ドイツ鉄道が急遽手配したと思われるPOLICEの方と
DBのチョッキを着た職員さんがいて、安心はできました。
物は試しとDBの方に聞いてみたら、私はセキュリティだから運行のことはわからないとバッサリ。冷たいなぁ
こういうとき、ドイツ人はどうするのかな~と思ってみていたら、
ぞろぞろと近くのレストランに入っていくではありませんか。
どうせ列車が来ないなら、飯でも食ってしまおうと、そういう心構えなのですね。
正解だと思います、人身事故で止まって駅で何時間もイライラするぐらいなら、そっちのほうが正解だね。
■また、人に助けられる
さて、私もそうしようかと思いましたが、やはり空港まで行けるかどうかが不安で。
駅近くのタクシー乗り場に行ってみたものの、タクシーは全部出ていった後。
どうしようかな~と困っていたら、近くのおじいさんとおばさんが、タクシーを手配してくれまして。
(最初は、呼んでやるから金よこせ、的なやつかと思ったんですが、どうやらそうではなく…
騒がしいから出てきたら、大変なことになっていた、この辺はタクシーめったに通らないから、呼んであげるよ、という親切。
逆に、チップを渡そうとしたら、ノーノーノー!といって、受け取ってくれませんでした。なんだっけな、ノープロブレム~的なこと言ってた)
ということで、図らずも
“アウトバーンをメルセデスで疾走し、空港に乗り付ける”という
たいへん貴重な経験ができたのですw
本当に、この旅では人に恵まれまして。
タクシーの運ちゃんも、とてもやさしい方でしたよ。
聞いたよ~大変だったね~でもドイツ鉄道はいつもこうだからね、とか
ドイツ人はやさしいでしょ?とか
飛行機の時間は何時?と聞かれて、17時と言ったら、じゃ急がなくていいね~安全運転で行くよ!と
アウトバーンを195キロで“ゆっくりと”走ってくれたりw
最初はドイツ語のニュースを聞いていたみたいなのですが、途中で、これは君はわからないよね?と言って
クラシックかなんかのチャンネルに変えてくれたり。
これは文化の差なのかもしれませんが…
彼ら、前を見て運転しないんですねw
追い越す車に手で合図したりとか、同僚のタクシーを見つけるとなんか話したりとか(195キロでw)
こちらと話をするときも、興味あると平気でこっちをくるっと向くんですw
お願いだから、前向いて…とw
でも、危ないことはまったくなかったので、プロドライバーだなぁ~という感じでした。
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無事、14時過ぎにフランクフルト空港到着。
あれ、なんやかんやで出発3時間前ですか、ええ時間になりましたね。
(当然ですが、今更フランクフルト中央駅に行く気力は、残っていませんでした。とりあえず到着できたことがうれしくて…笑)
タクシー料金、300ユーロぐらい請求されるかな~と思っていたら、130ユーロでした。
安くはないですが、60キロの距離を乗ったことを考えると、意外と安い?
(後で調べたら、東京駅から成田空港ぐらいの距離を乗っていたみたいです。東京駅から成田空港ってタクシーでいくらだろう?)
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何にしても、無事ここまで来ることができて、感無量なのであります。
そしてこれは同時に、5泊6日ベネルクス旅行が無事遂行されたということでもあります。
すべて自己手配の旅、色々なことがありましたが、
こうして何事もなく(何事は、ありましたが…ともかく)出発地点に戻ってこれたのは、とてもうれしかったです。
こんなに達成感のある旅は、はじめてですよ。
最後に、お土産を買って、時間が少しあったので
初日に行かなかった、Frankfurt flugharfen fernbf駅を見て、帰国しましょう。
■帰国
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の前に、腹ごしらえ、カリーブロストですよ。めっちゃうまいぜ。
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はい、こちらが、Fernbf駅(長距離列車駅)です。
ね、めちゃんこ綺麗です。
向かって左のエレベーター、満員で、1階と2階の中間に停止してましたが、
あれは、大丈夫だったのだろうか…笑
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旅のラストにICE。結局、6日間いて1時間ぐらいしか乗らなかったですね~、ICE
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さて、帰国します!
出国手続きを終えた先で、バイスブローストとビア
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ふたたびLufthansaで、羽田へ。
帰路を羽田にしたのは、フランクフルト-中部便が飛ぶ日が限られることと、中部に朝8時という微妙な時間設定のため。
羽田便なら、フランクフルト17時で羽田に13時着ですから、その日のうちに時差ボケ解消しつつ、自宅に戻って片付けが十分できるのです。
で、10時間のフライトを終えて、羽田に到着。
(私の席のモニターが壊れていて、10時間暇を持て余しました…ほとんど寝てたから、まぁいいですが)
羽田の入稿審査、お役所~って感じが、やっぱり日本ですね。
早速トイレのウォシュレットではしゃいでいる外国人を見ましたw
日本ですね~。
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空港駅で。お!黄色い京急がお出迎えです!
なんかいいことあるな。
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SHINKANSENで羽島へ戻る。
(前のサラリーマンさん、その恰好ができるのは、日本だけですよ~と、心の中で忠告)
さて、長いようで短いようでな5泊6日(初日の中部空港宿泊も入れると、6泊7日)の旅がおわり。
多くのことを、学んできました。
自己手配で、海外の国境鉄道を乗りまくる、という経験は、なかなかできることではないでしょう
したい人も、いないかもしれませんが…w
とにかく、この経験を、一人でも多くの方に共有したいと思いますし、
これを読んで、ちょっと行ってみようかな…という方が一人でも増えてくれると、面白いかなという思いで
ここまで、書いてきました。
鉄道模型をやっていても、圧倒的に日本型が中心で
海外の鉄道って、人気ないんですよね。なんでかわかりませんが。。
もっと鉄道趣味を通じた、日本と海外の交流が盛んになるといいな、と
そのきっかけに、本ブログが役立つと嬉しいな、と思いながら
いったん完結させたいと思います。
書くのもなかなか大変でした…でも、書きながら色々調べるのも楽しかったです。
来年は、どこの国に行こうか。
とりあえずベルギーの鉄道は、もう一回ちゃんと見ておきたいな、と。
これからは、旅の中で感じた
私の目から見た、日本と海外の文化、鉄道の違いだとか
未公開になっている写真の公開とか
出発からおよそ1か月経ちましたので、今思っている反省点とか
そういった内容で、ぼちぼち記事を更新していければよいなと思っています。
完
(で、これ、本にしたいw)
★2018ベネルクスの旅 各記事へのリンク★
(序)準備編~ドイツまで
(1)ドイツからベネルクス入国まで
(2)リエージュの吊り掛け電車達と、オランダ国境の街
(3)ベルギーを大移動、屋根のない博物館へ
(4)芸術の駅へ
(5)芸術の街からオランダへ
(6)オランダは自由の国(いろんな意味で)
(7)風車の村
(8)フリッツァー事件
(9)アムステルダムで鉄道を見る
(10)ユトレヒトで、もっと鉄道を見る(散策編)
(11)ユトレヒトで、もっと鉄道を見る(鉄道博物館編)
(12)ドイツへ戻る。。。。
(13)コブレンツと、ルクセンブルク(前編:鉄道編)
(14)ルクセンブルク(後編:観光編)
(15)帰国日に、事件発生<本記事>
Cedarも身体が動くうちに旅したいとかねがね思ってますから、いろいろ参考になりました。
ネット情報が整備されて、独り旅も変わりましたね
参考にしていただけますと幸いです、かなり赤裸々に書いたつもりですので…!
今後も、気づいた点などがあれば、順次更新していきます。
>ネット情報が整備されて
スマホが1台あれば、ほとんどのことが事足りますから
一人旅のハードルは、国内旅行と変わらないぐらい低いと思います。
飛行機の搭乗券も、ホテルのチェックインも、ドイツ鉄道の切符購入も全部スマホで完結でした!
人々の優しさに触れられる旅でしたねー
鉄的にはごった煮感満載の客車列車。なんであんなにお洒落に見えるんだろう。日本でやったら例えばトワイライトと普通のブルトレ繋いだところでそんな風には見えないですもんね。
とてもステキな旅行記でした。ありがとうございます。
本当に、ドイツの方は困っている人を見たときの団結力がすごいです。私もこれからは、日本で困ってる外国の方を見かけたら、積極的に助けていこうと心に決めたのです。
>ごった煮編成
おしゃれにみえますよね~、まさに、トワイライトに普通のブルトレどころか、座席客車がぶらさがっている状態ですが、全体として不思議な魅力を纏っておりました。
ありがとうございます。私自身、書いていて楽しかったですし、旅行が終わってから1か月も楽しめました(^^)
当面の更新ネタが、なくなってしまいましたが…笑
これからもぼちぼち更新していきます。