甲州街道を漕ぐサイクリング企画、石和温泉でごゆるりした後の峠に挑むパートになります。
記事を書くのが遅すぎて漕いでからだいぶ日が経ってしまっています、嗚呼…
早く起きるのはしんどいなぁと思っていたのですが、4:50頃に目が覚めてしまい朝風呂でさっぱりしてから5:45頃に出発。
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明るくなり始めのこの時間、まだ寒い中峠に向かって進んでいきます。
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石和宿を出て1つ目の宿、栗原宿のあたりから上り坂が始まってきます。
栗原宿の旧甲州街道沿いを走っていると面白いものを見つけました。大戸屋のマークですね。
かの有名な大戸屋の創業者のご出身がここなんですか、こういうのは実際に通ってみないとわからないですよね。
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次は勝沼宿、道路看板で宿場の紹介がされているのはいいなぁと思いました。
中央東線は塩山を経由し大回りしながら標高を上げていく関係で勝沼宿からは少し離れたところに駅が設けられています。
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勝沼を出ると急激に峠モードに突入します。交通量は多めですが歩道が整備されているのが助かります。
時刻は朝7時ごろ、峠を越えた通勤が如何ほどかはわかりませんがそこそこ交通量があったように感じました。
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中央本線の線路が近づいてきて鶴瀬宿の関所跡の近く、線路には近いもののこっち側には線路はありません。
なぜ住宅の目の前に真新しい信号機と特殊発光信号機が…消灯していることからも現役線路に対するものではないことが分かるかと思います。
そしてこの位置に「よそ見注意」の看板。そりゃよそ見しますわと言う気がしました。
甲斐大和駅に至る手前で旧甲州街道は国道20号線から逸れ、山梨県道212号線日影笹子線として分かれます。
この先国道20号線は2,953mの新笹子トンネルで越えていきます。長いトンネルですし自転車歩行者での通行は想定されていません。
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そんな甲斐大和駅のあたりの地図を見ているとおかしなものを見つけました。クロソイド曲線記念碑…?
記念碑が建っているということは日本初なのかと思ったのですがそうでもないようで。
クロソイド曲線っていうのはあれですね、鉄道でいう所の緩和曲線に当たるもので急激なハンドル操作を緩和して徐々に曲線半径を拡大させることでショックを与えないようにするもののことですね。古くからこういう配慮が取り入れられた道路ということでこの区間の国道20号線が重要な路線であったことが分かる気がします。
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国道20号線から分かれてすぐのところに駒飼宿があります。
関所が設けられていた鶴瀬宿からの距離は18町(約1900m)とかなり近く、ここも2つの宿場が半分づつ営業する合宿形式を取っていた宿場でした。
この先にはかの有名な笹子峠が控えます。他の街道にもみられる峠の手前の基地としての意味合いの宿場として設置されたのかなぁと思います。
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自動車の交通は国道20号線新笹子トンネルが担っているため旧道を通る車はほぼ存在しません。その点かなり走りやすいサイクリングロードでした。
山の中をつづら折りに越えていく感じがいかにも古くからの峠越えという感じです。漕ぐのはかなり大変ですが。
峠道はしんどいのでアシストを活用してみたり、急な坂道は押して進んだりしながら進みました。
自転車を押して進むにしても、通常の自転車PASナチュラよりも押すときの負担は少ない気がしました。
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体力が必要な峠道では大塚製薬に生かされていることを実感できます。徳島県が誇る大塚製薬、圧倒的感謝です。
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笹子峠の頂上が近づいて来た頃、あたりが霧が買ってきました。ミスト状の雨が舞ってきてしまいました。
今回から導入したワークマンのZATドライバッグは優秀で、雨はへっちゃらです。
ただ、純粋に体が冷えるので峠道がこの先続くのに雨模様というのは…
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8:56 笹子隧道に到着。
古くからのトンネルであることからかトンネル内壁が補強されているようで入口の形状が不思議なことになっています。
宇津ノ谷峠ほど古くはありませんが、和田峠と同じくらい古い1930年代のトンネル。旧街道が昔から大切だったことが分かる構造物です。
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大月市側のトンネルポータルはレンガの色が残った感じでいい雰囲気でした。
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笹子峠の下り坂の途中で、矢立の杉とやらを発見。
甲州街道笹子峠の有名なスポットらしく、古くから武将が戦勝祈願のために矢を当てたことからこの名がついているみたいです。
雨が舞っていてめんどくさかったので入口だけの撮影でしたが、折角ならちょっと歩いてみておけばよかったかもしれません。
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9:16 笹子峠を下りきり国道20号線に復帰。
笹子峠を越えればしばらくは気楽に走行できます。ここで軽快に飛ばしてあとの負担を軽くしておきます。
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笹子駅を通り過ぎ東京方面へ進みます。
山のほうに霧がかかっているのが分かると思いますが、下山してこのあたりまで来ると雨も止んでくれました。
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10:25 笹子から自転車を飛ばして大月駅の手前に到着。
笹子峠に向かう列車、この区間は掘割状になっていていい感じに列車が観察できます。
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東京方面へ向かう列車はかなりいい感じです。
せっかくなので休憩がてらここで特急を狙っていくことに。
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10:53 特急あずさ16号
結構待って狙った割に、廣嶋流なパッチワークが目立つ編成がやってきました。
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大月の近くで京王線の電車を目撃。気づかないうちに全ての峠ゾーンを制覇して高尾に着いたのか…?
そんなわけはありませんでした。富士急行のリバイバル塗装ですね。この車両は見たかったので嬉しかったです。
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ちょっとした寄り道のつもりが結構上り坂で苦労しました…ようやく見えてきました。
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自転車で大月まで来ておいてあの場所をスルーする訳にはいきません。山を登る形で4kmほど寄り道して山梨県立リニア見学センターにやってきました。
大月駅からも、最寄りの田野倉駅からも微妙な距離なので自転車で来るのが一番楽な気がします。
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この日は幸運なことに走行試験が実施されている日だったので500km/hで試験走行するL0系900番台の姿を見学できました。
よく見る写真は手前の「わくわくやまなし館」からの構図かと思いますが「ドキドキリニア館」からも綺麗に観察できます。
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リニア見学センターでは館内放送とモニターで走行位置や接近情報を知らせてくれるのですが、それでもリニアの通過はとても速くきれいに撮影するのは大変困難でした。
1本目でビシッと決められたのは良かったです。 モニタに表示される「列車速度 504km/h」が痺れます。
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すぐに笛吹市側で折り返し、やってきたのは反対側の顔、改良型のL0系950番台。
こちらは早すぎてノーズ先端が切れてしまいました…
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先程の900番台よりも営業運転を意識した構造になっていて、前方監視用カメラを上に配置したことと誘導集電機構を搭載していることが特徴です。
今までのリニア車両は推進力と別の車内サービス電源を内部で賄っていて、ガスタービンエンジンの発電機を搭載していました。
そのため、先の900番台はまるで気動車かと思うほど黒い汚れがまとわりついています。
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ところで、リニア見学センターのメイン展示物であるこの車両について触れていませんでした。
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こちらはMLX01-2という形式。山梨実験線での実験開始に合わせて導入された編成の先頭車両です。
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愛・地球博で展示されたのちリニア鉄道館に保存されているMLX01-1(↑)が有名ですが、ちょうどこれの反対側の顔に当たります。
新幹線の試験車両でも多くが両端で形状を変えてそれぞれの比較をしているのですが、MLX01は1が尖った感じで2が丸っこい感じになっています。
同じくリニア鉄道館に保存されている新幹線試験車両300Xも尖ったやつと丸っこいやつで比較実験されていました。
リニアの走行試験はこの後も続くようで、またすぐに折り返して笛吹市と上野原市を反復横跳びしています。
正直もっと長く居たいところなのですが、まだまだこの先も峠が控えているので約30分で退散することとなりました。
大月から甲州街道に復帰、山梨県リニア見学センターで時間を使ってしまったのでなるべく巻きで行かなければなりません。
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…と意気込んで早速ではありますが、すごく良さ味が溢れている中央東線の撮影地を見つけてしまいました。
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13:08 第五甲州街道踏切にて 紅葉を背景に背景に進むE353系を撮影。
甲州街道を忠実に辿りながら進んでいただけなのに唐突に見たことのある画が現れてびっくりしました。歩行者自転車専用ではあるものの踏切が廃止されていないっていうのはこれでも旧甲州街道であるんだなと感じられていいものです。中山道もそうでしたが旧街道の踏切は起点側から通し番号で振られる傾向があるようです。それにしてもいいロケーションでした。
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続いて211系の普通列車。これもかっこいい。
反対の東京方もいい感じなので狙いたいところですが時間が押しているのでここまでにしておきます。
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日本三大奇矯の1つに掲げられている猿橋。橋桁を設けることなく、両側の崖に木を差し込んで架橋する刎橋(はねばし)という技術で架けられていることで有名です。
現在の猿橋は完全な木製で保存されている訳ではなく、鋼製の部材に木材を貼り付けることで再現されているみたいです。
刎木に設けられている瓦の装飾も見所です。
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この先、国道20号線と中央東線は桂川(相模川)が削った崖のような狭い場所を進んでいきます。川沿いを行ったほうが高低差が無いものの落ちたら死ぬような道しかなく大変という場合、旧街道は山を分け入っていくことが結構よくあります。
現代の感覚であれば山に登らされるほうが難所ですが、舗装もされていない未整備の頃は崖のほうが難所と呼ばれがちでした。
中山道木曽の桟(かけはし)なんかも同じ感じですね。
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川を離れた旧甲州街道はどこへ向かうのかというと、犬目峠を越えて野田尻方面へ抜けます。
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結構しんどい犬目峠。先程笹子峠を越えたときに頂上付近で甘酒茶屋跡の石碑を見たので、次の犬目峠の休憩のためにと予め大月市街地の自販機で購入しておきました。
やっぱり峠道のお供には甘酒ですね。あとレッドブル(急に現代)
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14:27 峠を越えて犬目宿に到着。
野田尻という地名だとピンと来ないかもしれません。中央自動車道談合坂SAのすぐ近くといえば分かりやすいでしょうか。談合坂SA内に野田尻バスストップが併設されているくらいには同じ場所と言えます。
談合坂という名前はよくよく考えると不思議な名前です。談合というのはあんまり良くないイメージがある気がします。
由来は諸説ある気がします。
古くは話し合いという意味だけで、現在使われるようなイメージはなかったというのは確かみたいです。
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野田尻宿と談合坂SAはかなり近接しているものの旧甲州街道のほうが1段高い場所にあるため、談合坂SA上り設備やスマートICを上から見渡すこともできました。
宿場町に近いのは下り線設備で野田尻バスストップもこちら側に設けられています。
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野田尻宿を過ぎて少し進むと旧甲州街道は中央自動車道を跨ぎ越します。事前に何も下調べしていなかったのですが、ここって有名な高速道路の廃止区間じゃないですか。
YouTubeなどで存在は知っていましたが、旧甲州街道から眺められる場所だったとは気が付きませんでした。
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このうち元上り線の2車線分は一般道として開放されています。上の画像の左側部分ですね。
中央自動車道は高速道路の中でもかなり初期に開通した路線であるため、今の基準では急なカーブがありこの区間は事故が多発したため緩やかなカーブに付け替えられました。
東名高速道路の今須カーブも似たような歴史の区間ですね。あちらは旧東海道がすぐ近くにあるもののここまで綺麗に廃止区間を眺めることはできません。
元高速道路の区間を自転車で走るのも考えましたが大人しく旧甲州街道を進むことにしました。
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中央自動車道は上野原の市街地の高いところを橋で悠々越えていきますが、旧甲州街道は川が作った谷に沿って一旦降りてから登らなければなりません(ヒイヒイ言いながら漕いでいたので写真撮ってませんでした…)
高低差をガン無視で進む高速道路に対して地形に素直な国道20号線、これが結構堪えます。でかい橋で平坦に越えていきたいなぁ…
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15:42 相模湖のほとり、セブンイレブン神奈川藤野町店で糖分補給の休憩。
旧街道の休憩に甘いものが欲しくなるというのは今も昔も変わりません。
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アシスト残量を確認すると残り12kmまで減ってしまいました。この先に控える最後の難関、大垂水峠の頂上までは約10km。登坂時は平坦区間より減りが早いはずなのでかなりギリギリです。
相模湖を過ぎた後、中央自動車道と中央東線は長いトンネルで小仏峠を越えていきます。旧甲州街道も小仏峠を越えていくのですが、この区間は徒歩でしか進めないハイキングコース。自転車で進む場合には国道20号線大垂水峠を越えていくことになります。
ところで、
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この先の峠方面の雲がかなり怪しいのですが大丈夫ですかね。
ウェザーニュースの雨雲レーダーを見る感じは降らないと思うのですが不安すぎます。
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相模ダム、相模湖方面を見つつ最後の峠である大垂水峠へ。
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津久井方面との分岐点にはいい感じの雰囲気の名糖牛乳が。
奥の看板に見える「津久井やまゆり園」は…悪い意味で有名になってしまった悲しい場所ですね。南無。
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大垂水峠はそこそこ交通量があるのに歩道が中途半端にしか整備されておらず結構苦戦しました。細切れの歩道は意味があるのかよくわかりません。
路肩も広いわけではないのに大型ダンプも頻繁に通る国道20号線。もう少しいい感じにしてほしいものです。
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歩道はあっても草木の生い茂っております。なんですかこれは舐めていらっしゃいますね。
甲州街道を辿ることに拘らないのならば、相模川に沿って津久井湖を経由し橋本に抜けたほうが楽なのかもしれません。
電池残量も僅かになってきたので結構な区間で自転車を押して進むことになりました。
自転車では進めない小仏峠と比べるとあれですが、違ったベクトルの大変さがありました。
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17:07 大垂水峠を制覇
すっかり日が暮れてしまいました。峠を越えてようやく武蔵国、この先は広大な関東平野が広がっているのでかなり気持ちが楽です。大垂水峠を越えた時点で勝ったようなもんです。
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ただ、交通量がある道なのでとにかく安全第一で峠を下っていくことにしました。
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快調に坂を下り高尾山口へ。本物の京王線がおる…!
ここからはHELLOCYCLINGステーションが豊富なエリアでいつでも気軽に車両交換が可能です。
寝てる間も利用中扱いでどんどん課金されていってしまうシステムなので結構ありがたかったりします。
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17:52 インプラントきぬた歯科で有名(?)な西八王子駅に到着。
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HELLOCYCLING西八王子駅南口ステーションで一旦ピットインし返却。
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ここで、ハルヒ自転車を拉致したり色々やばい人、ばか者氏(@aul_52I)と初のエンカウントすることとなりました。
元々伊豆のあたりに投入されたのちに散り散りになっていったリアルストリームのうち、都内に転がっていたオレンジ色のを捕まえて襲撃しに来ていただきました。ありがとうございました。
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いやなんですかこれは。HELLOCYCLINGステーションで繰り広げられる光景ではないですよ…
伊豆仕様と安曇野仕様のリアルストリームが八王子で並ぶという謎な感じが凄くよかったです。
こうして並べてみると結構差があって、どちらも別のアプローチながらシェアサイクルをアピールしているのがいい感じです。
その後、泊まる場所の関係で八王子駅まで1駅移動。
せっかくなので双方のリアルストリームを交換して借り直していくことにしました。電池がほぼ無いのに安曇野の利用履歴欲しさに乗っていたあの人は本物なんだよなぁ。
このあたりは八王子駅に向かって緩やかな下り坂なので正直アシストは無くても快適に進める区間だったかなぁとは思いますが。
そんなわけで八王子に手この日の移動は終了。ばか者氏エンカありがとうございました。
記事を書くスピードが遅すぎる気がするので気合で次回完結編を書いてやろうと思います。
つづく。
〈おまけ〉
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東京に住んでいない人なので、日高屋に一度行ってみたいなと思いまして。
運動のあと効果もあるかもですが、とても美味しかったです。
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シェアサイクル紀行別冊、おすすめです。
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記事を書くのが遅すぎて漕いでからだいぶ日が経ってしまっています、嗚呼…
早く起きるのはしんどいなぁと思っていたのですが、4:50頃に目が覚めてしまい朝風呂でさっぱりしてから5:45頃に出発。
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明るくなり始めのこの時間、まだ寒い中峠に向かって進んでいきます。
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石和宿を出て1つ目の宿、栗原宿のあたりから上り坂が始まってきます。
栗原宿の旧甲州街道沿いを走っていると面白いものを見つけました。大戸屋のマークですね。
かの有名な大戸屋の創業者のご出身がここなんですか、こういうのは実際に通ってみないとわからないですよね。
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次は勝沼宿、道路看板で宿場の紹介がされているのはいいなぁと思いました。
中央東線は塩山を経由し大回りしながら標高を上げていく関係で勝沼宿からは少し離れたところに駅が設けられています。
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勝沼を出ると急激に峠モードに突入します。交通量は多めですが歩道が整備されているのが助かります。
時刻は朝7時ごろ、峠を越えた通勤が如何ほどかはわかりませんがそこそこ交通量があったように感じました。
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中央本線の線路が近づいてきて鶴瀬宿の関所跡の近く、線路には近いもののこっち側には線路はありません。
なぜ住宅の目の前に真新しい信号機と特殊発光信号機が…消灯していることからも現役線路に対するものではないことが分かるかと思います。
そしてこの位置に「よそ見注意」の看板。そりゃよそ見しますわと言う気がしました。
甲斐大和駅に至る手前で旧甲州街道は国道20号線から逸れ、山梨県道212号線日影笹子線として分かれます。
この先国道20号線は2,953mの新笹子トンネルで越えていきます。長いトンネルですし自転車歩行者での通行は想定されていません。
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そんな甲斐大和駅のあたりの地図を見ているとおかしなものを見つけました。クロソイド曲線記念碑…?
記念碑が建っているということは日本初なのかと思ったのですがそうでもないようで。
クロソイド曲線っていうのはあれですね、鉄道でいう所の緩和曲線に当たるもので急激なハンドル操作を緩和して徐々に曲線半径を拡大させることでショックを与えないようにするもののことですね。古くからこういう配慮が取り入れられた道路ということでこの区間の国道20号線が重要な路線であったことが分かる気がします。
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国道20号線から分かれてすぐのところに駒飼宿があります。
関所が設けられていた鶴瀬宿からの距離は18町(約1900m)とかなり近く、ここも2つの宿場が半分づつ営業する合宿形式を取っていた宿場でした。
この先にはかの有名な笹子峠が控えます。他の街道にもみられる峠の手前の基地としての意味合いの宿場として設置されたのかなぁと思います。
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自動車の交通は国道20号線新笹子トンネルが担っているため旧道を通る車はほぼ存在しません。その点かなり走りやすいサイクリングロードでした。
山の中をつづら折りに越えていく感じがいかにも古くからの峠越えという感じです。漕ぐのはかなり大変ですが。
峠道はしんどいのでアシストを活用してみたり、急な坂道は押して進んだりしながら進みました。
自転車を押して進むにしても、通常の自転車PASナチュラよりも押すときの負担は少ない気がしました。
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体力が必要な峠道では大塚製薬に生かされていることを実感できます。徳島県が誇る大塚製薬、圧倒的感謝です。
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笹子峠の頂上が近づいて来た頃、あたりが霧が買ってきました。ミスト状の雨が舞ってきてしまいました。
今回から導入したワークマンのZATドライバッグは優秀で、雨はへっちゃらです。
ただ、純粋に体が冷えるので峠道がこの先続くのに雨模様というのは…
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8:56 笹子隧道に到着。
古くからのトンネルであることからかトンネル内壁が補強されているようで入口の形状が不思議なことになっています。
宇津ノ谷峠ほど古くはありませんが、和田峠と同じくらい古い1930年代のトンネル。旧街道が昔から大切だったことが分かる構造物です。
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大月市側のトンネルポータルはレンガの色が残った感じでいい雰囲気でした。
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笹子峠の下り坂の途中で、矢立の杉とやらを発見。
甲州街道笹子峠の有名なスポットらしく、古くから武将が戦勝祈願のために矢を当てたことからこの名がついているみたいです。
雨が舞っていてめんどくさかったので入口だけの撮影でしたが、折角ならちょっと歩いてみておけばよかったかもしれません。
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9:16 笹子峠を下りきり国道20号線に復帰。
笹子峠を越えればしばらくは気楽に走行できます。ここで軽快に飛ばしてあとの負担を軽くしておきます。
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笹子駅を通り過ぎ東京方面へ進みます。
山のほうに霧がかかっているのが分かると思いますが、下山してこのあたりまで来ると雨も止んでくれました。
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10:25 笹子から自転車を飛ばして大月駅の手前に到着。
笹子峠に向かう列車、この区間は掘割状になっていていい感じに列車が観察できます。
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東京方面へ向かう列車はかなりいい感じです。
せっかくなので休憩がてらここで特急を狙っていくことに。
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10:53 特急あずさ16号
結構待って狙った割に、廣嶋流なパッチワークが目立つ編成がやってきました。
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大月の近くで京王線の電車を目撃。気づかないうちに全ての峠ゾーンを制覇して高尾に着いたのか…?
そんなわけはありませんでした。富士急行のリバイバル塗装ですね。この車両は見たかったので嬉しかったです。
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ちょっとした寄り道のつもりが結構上り坂で苦労しました…ようやく見えてきました。
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自転車で大月まで来ておいてあの場所をスルーする訳にはいきません。山を登る形で4kmほど寄り道して山梨県立リニア見学センターにやってきました。
大月駅からも、最寄りの田野倉駅からも微妙な距離なので自転車で来るのが一番楽な気がします。
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この日は幸運なことに走行試験が実施されている日だったので500km/hで試験走行するL0系900番台の姿を見学できました。
よく見る写真は手前の「わくわくやまなし館」からの構図かと思いますが「ドキドキリニア館」からも綺麗に観察できます。
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リニア見学センターでは館内放送とモニターで走行位置や接近情報を知らせてくれるのですが、それでもリニアの通過はとても速くきれいに撮影するのは大変困難でした。
1本目でビシッと決められたのは良かったです。 モニタに表示される「列車速度 504km/h」が痺れます。
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すぐに笛吹市側で折り返し、やってきたのは反対側の顔、改良型のL0系950番台。
こちらは早すぎてノーズ先端が切れてしまいました…
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先程の900番台よりも営業運転を意識した構造になっていて、前方監視用カメラを上に配置したことと誘導集電機構を搭載していることが特徴です。
今までのリニア車両は推進力と別の車内サービス電源を内部で賄っていて、ガスタービンエンジンの発電機を搭載していました。
そのため、先の900番台はまるで気動車かと思うほど黒い汚れがまとわりついています。
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ところで、リニア見学センターのメイン展示物であるこの車両について触れていませんでした。
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こちらはMLX01-2という形式。山梨実験線での実験開始に合わせて導入された編成の先頭車両です。
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愛・地球博で展示されたのちリニア鉄道館に保存されているMLX01-1(↑)が有名ですが、ちょうどこれの反対側の顔に当たります。
新幹線の試験車両でも多くが両端で形状を変えてそれぞれの比較をしているのですが、MLX01は1が尖った感じで2が丸っこい感じになっています。
同じくリニア鉄道館に保存されている新幹線試験車両300Xも尖ったやつと丸っこいやつで比較実験されていました。
リニアの走行試験はこの後も続くようで、またすぐに折り返して笛吹市と上野原市を反復横跳びしています。
正直もっと長く居たいところなのですが、まだまだこの先も峠が控えているので約30分で退散することとなりました。
大月から甲州街道に復帰、山梨県リニア見学センターで時間を使ってしまったのでなるべく巻きで行かなければなりません。
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…と意気込んで早速ではありますが、すごく良さ味が溢れている中央東線の撮影地を見つけてしまいました。
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13:08 第五甲州街道踏切にて 紅葉を背景に背景に進むE353系を撮影。
甲州街道を忠実に辿りながら進んでいただけなのに唐突に見たことのある画が現れてびっくりしました。歩行者自転車専用ではあるものの踏切が廃止されていないっていうのはこれでも旧甲州街道であるんだなと感じられていいものです。中山道もそうでしたが旧街道の踏切は起点側から通し番号で振られる傾向があるようです。それにしてもいいロケーションでした。
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続いて211系の普通列車。これもかっこいい。
反対の東京方もいい感じなので狙いたいところですが時間が押しているのでここまでにしておきます。
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日本三大奇矯の1つに掲げられている猿橋。橋桁を設けることなく、両側の崖に木を差し込んで架橋する刎橋(はねばし)という技術で架けられていることで有名です。
現在の猿橋は完全な木製で保存されている訳ではなく、鋼製の部材に木材を貼り付けることで再現されているみたいです。
刎木に設けられている瓦の装飾も見所です。
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この先、国道20号線と中央東線は桂川(相模川)が削った崖のような狭い場所を進んでいきます。川沿いを行ったほうが高低差が無いものの落ちたら死ぬような道しかなく大変という場合、旧街道は山を分け入っていくことが結構よくあります。
現代の感覚であれば山に登らされるほうが難所ですが、舗装もされていない未整備の頃は崖のほうが難所と呼ばれがちでした。
中山道木曽の桟(かけはし)なんかも同じ感じですね。
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川を離れた旧甲州街道はどこへ向かうのかというと、犬目峠を越えて野田尻方面へ抜けます。
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結構しんどい犬目峠。先程笹子峠を越えたときに頂上付近で甘酒茶屋跡の石碑を見たので、次の犬目峠の休憩のためにと予め大月市街地の自販機で購入しておきました。
やっぱり峠道のお供には甘酒ですね。あとレッドブル(急に現代)
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14:27 峠を越えて犬目宿に到着。
野田尻という地名だとピンと来ないかもしれません。中央自動車道談合坂SAのすぐ近くといえば分かりやすいでしょうか。談合坂SA内に野田尻バスストップが併設されているくらいには同じ場所と言えます。
談合坂という名前はよくよく考えると不思議な名前です。談合というのはあんまり良くないイメージがある気がします。
由来は諸説ある気がします。
古くは話し合いという意味だけで、現在使われるようなイメージはなかったというのは確かみたいです。
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野田尻宿と談合坂SAはかなり近接しているものの旧甲州街道のほうが1段高い場所にあるため、談合坂SA上り設備やスマートICを上から見渡すこともできました。
宿場町に近いのは下り線設備で野田尻バスストップもこちら側に設けられています。
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野田尻宿を過ぎて少し進むと旧甲州街道は中央自動車道を跨ぎ越します。事前に何も下調べしていなかったのですが、ここって有名な高速道路の廃止区間じゃないですか。
YouTubeなどで存在は知っていましたが、旧甲州街道から眺められる場所だったとは気が付きませんでした。
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このうち元上り線の2車線分は一般道として開放されています。上の画像の左側部分ですね。
中央自動車道は高速道路の中でもかなり初期に開通した路線であるため、今の基準では急なカーブがありこの区間は事故が多発したため緩やかなカーブに付け替えられました。
東名高速道路の今須カーブも似たような歴史の区間ですね。あちらは旧東海道がすぐ近くにあるもののここまで綺麗に廃止区間を眺めることはできません。
元高速道路の区間を自転車で走るのも考えましたが大人しく旧甲州街道を進むことにしました。
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中央自動車道は上野原の市街地の高いところを橋で悠々越えていきますが、旧甲州街道は川が作った谷に沿って一旦降りてから登らなければなりません(ヒイヒイ言いながら漕いでいたので写真撮ってませんでした…)
高低差をガン無視で進む高速道路に対して地形に素直な国道20号線、これが結構堪えます。でかい橋で平坦に越えていきたいなぁ…
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15:42 相模湖のほとり、セブンイレブン神奈川藤野町店で糖分補給の休憩。
旧街道の休憩に甘いものが欲しくなるというのは今も昔も変わりません。
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アシスト残量を確認すると残り12kmまで減ってしまいました。この先に控える最後の難関、大垂水峠の頂上までは約10km。登坂時は平坦区間より減りが早いはずなのでかなりギリギリです。
相模湖を過ぎた後、中央自動車道と中央東線は長いトンネルで小仏峠を越えていきます。旧甲州街道も小仏峠を越えていくのですが、この区間は徒歩でしか進めないハイキングコース。自転車で進む場合には国道20号線大垂水峠を越えていくことになります。
ところで、
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この先の峠方面の雲がかなり怪しいのですが大丈夫ですかね。
ウェザーニュースの雨雲レーダーを見る感じは降らないと思うのですが不安すぎます。
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相模ダム、相模湖方面を見つつ最後の峠である大垂水峠へ。
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津久井方面との分岐点にはいい感じの雰囲気の名糖牛乳が。
奥の看板に見える「津久井やまゆり園」は…悪い意味で有名になってしまった悲しい場所ですね。南無。
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大垂水峠はそこそこ交通量があるのに歩道が中途半端にしか整備されておらず結構苦戦しました。細切れの歩道は意味があるのかよくわかりません。
路肩も広いわけではないのに大型ダンプも頻繁に通る国道20号線。もう少しいい感じにしてほしいものです。
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歩道はあっても草木の生い茂っております。なんですかこれは舐めていらっしゃいますね。
甲州街道を辿ることに拘らないのならば、相模川に沿って津久井湖を経由し橋本に抜けたほうが楽なのかもしれません。
電池残量も僅かになってきたので結構な区間で自転車を押して進むことになりました。
自転車では進めない小仏峠と比べるとあれですが、違ったベクトルの大変さがありました。
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17:07 大垂水峠を制覇
すっかり日が暮れてしまいました。峠を越えてようやく武蔵国、この先は広大な関東平野が広がっているのでかなり気持ちが楽です。大垂水峠を越えた時点で勝ったようなもんです。
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ただ、交通量がある道なのでとにかく安全第一で峠を下っていくことにしました。
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快調に坂を下り高尾山口へ。本物の京王線がおる…!
ここからはHELLOCYCLINGステーションが豊富なエリアでいつでも気軽に車両交換が可能です。
寝てる間も利用中扱いでどんどん課金されていってしまうシステムなので結構ありがたかったりします。
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17:52 インプラントきぬた歯科で有名(?)な西八王子駅に到着。
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HELLOCYCLING西八王子駅南口ステーションで一旦ピットインし返却。
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ここで、ハルヒ自転車を拉致したり色々やばい人、ばか者氏(@aul_52I)と初のエンカウントすることとなりました。
元々伊豆のあたりに投入されたのちに散り散りになっていったリアルストリームのうち、都内に転がっていたオレンジ色のを捕まえて襲撃しに来ていただきました。ありがとうございました。
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いやなんですかこれは。HELLOCYCLINGステーションで繰り広げられる光景ではないですよ…
伊豆仕様と安曇野仕様のリアルストリームが八王子で並ぶという謎な感じが凄くよかったです。
こうして並べてみると結構差があって、どちらも別のアプローチながらシェアサイクルをアピールしているのがいい感じです。
その後、泊まる場所の関係で八王子駅まで1駅移動。
せっかくなので双方のリアルストリームを交換して借り直していくことにしました。電池がほぼ無いのに安曇野の利用履歴欲しさに乗っていたあの人は本物なんだよなぁ。
このあたりは八王子駅に向かって緩やかな下り坂なので正直アシストは無くても快適に進める区間だったかなぁとは思いますが。
そんなわけで八王子に手この日の移動は終了。ばか者氏エンカありがとうございました。
記事を書くスピードが遅すぎる気がするので気合で次回完結編を書いてやろうと思います。
つづく。
〈おまけ〉
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東京に住んでいない人なので、日高屋に一度行ってみたいなと思いまして。
運動のあと効果もあるかもですが、とても美味しかったです。
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スゴイ!
今回のルートは、バイクやクルマで通った事がありますが、私には自転車ではムリですね・・。
E353系は、今回の関東行きの際に、時間があれば乗車したかったのですが、夢かなわず・・。
山梨も6年ほど行ってないので、次は行ってみたいですね!!
(*⌒▽⌒*)
峠道ゾーンはやっぱり大変でした…