ビルボード・チャート日記 by 星船

1970年代から80年代にかけての特にビルボードのチャートを中心に、洋楽を愛する皆さまにお届けするブログです

ビルボード Billboard All American Top40 1989年2月4日付 シェリフ Sheriff - When I'm With You

2025-02-02 20:00:00 | 1989年ビルボードTop40
1989年ビルボード Billboard All American Top40、1989年2月4日付、2位から上がって初の1位はSheriffの"When I'm With You"。Sheriffですが、カナダオンタリオ州で結成されたロックバンド。70年代後半に結成されて、85年には解散してしまったグループですが、カナダでヒットしてから6年後にアメリカのラジオで紹介されチャートを上昇、初のヒット曲がついにNo.1となりました。

2位は6位からアップ、Paula Abdulの"Straight Up"。ポーラ・アブドゥルですが、アメリカカリフォルニア州出身のシンガーであり、ダンサー、振付師。元々、NBAのチアリーダーから振付師として活躍、歌手としての初めてのシングルが、ついに2位まで上がってきました。

3位は5位からアップ、White Lionの"When The Children Cry"。White Lionですが、アメリカニューヨークで結成されたロックバンド。セカンドアルバム『Pride』からのファーストシングル"Wait"が初のTop40ヒットで最高位8位を記録。この曲が2曲目のTop40ヒットで初のTop3入りです。

4位は7位からアップ、Bon Joviの"Born To Be My Baby"。Bon Joviですが、アメリカニュージャージー州で結成された日本でも大人気ハードロックバンド。1984年にファーストシングルの"Runaway"が最高位39位と初のTop40ヒット。86年には、"You Give Love A Bad Name "、"Livin' on A Prayer"が、2曲連続のNo.1、さらに、88年には"Bad Medicine"もNo.1と、3曲のNo.1ヒットを持つハードロックグループとしては異例の大人気バンド、この曲で6曲目のTop40ヒット、4曲目のTop5ヒットとなりました。

5位は9位からアップ、Tone Locの"Wild Thing"。Tone Locですが、アメリカロサンゼルス出身のラッパー。初のヒットシングルがTop5入り、5位まで上がってきました。

この週初のNo.1となったのがSheriffの"When I'm With You"。1位はこの1週間、年間チャートは37位。Top40には13週と、多少短いヒットだったので年間チャートは低めですが、初のシングルヒットがNo.1を記録しました。

このSheriffの"When I'm With You"ですが、冒頭にも書きましたが、1位になった時にはすでにバンドは解散してしまっていたという、異例の経緯をたどって大ヒットに結びついた曲です。

Sheriffですが、カナダオンタリオ州出身のロックグループ。結成は1979年、ファーストアルバムのリリースは1982年で、カナダではファーストシングルが多少ヒット、続く2枚目のシングルがこの曲"When I'm With You"で、カナダではTop10に入るヒット、アメリカでも、Top40には届きませんでしたが、Hot100には入るスマッシュヒットになりますが、続く2枚目のアルバムがヒットせず、バンドは1985年には解散してしまいます。

1988年になって、アメリカラスベガスのDJがラジオで流し始め、その人気がアメリカ全土に広がります。その人気に目を付けたレコード会社がこの曲を再リリース、瞬く間にチャートを上昇し、ついにNo.1となりました。

When I'm With You"の曲の作者はバンドのメンバーArnold Lanni。70年代後半から80年代初めにかけて、ラヴァーボーイやトライアンフ、ストーンボルトなど、カナディアンロックグループの爽やか系ロックバラードがヒットしましたが、この曲もまさにその系統の曲、良い曲でしたねぇ。よくぞこの曲が80年代も後半になってから大ヒットしたものです。

この曲がリリースされた82年にはすでにMTV全盛期に入っていましたが、この曲のMTVは作られてはいなかったそうです。

この曲、最後の部分が曲のハイライト、リードボーカルのFederico ‘Freddy’ Curci ですが、息継ぎをせずに20秒近く歌います。注意して聞いてみてくださいね。

SheriffのメンバーFreddy CurciとSteve DeMarchiですが、この80年代後半には、元ハートのメンバーRoger FisherなどとロックバンドAliasを結成、1990年には、シングル"More Than Words Can Say"が、最高位2位を記録する大ヒットとなります。


今週    先週    song    /    artist
1 2 WHEN I'M WITH YOU / SHERIFF
2 6 STRAIGHT UP / PAULA ABDUL
3 5 WHEN THE CHILDREN CRY / WHITE LION
4 7 BORN TO BE MY BABY / BON JOVI
5 9 WILD THING / TONE LOC
6 3 ARMAGEDDON IT / DEF LEPPARD
7 8 THE WAY YOU LOVE ME / KARYN WHITE
8 4 DON'T RUSH ME / TAYLOR DAYNE
9 10 ALL THIS TIME / TIFFANY
10 1 TWO HEARTS / PHIL COLLINS
11 13 I WANNA HAVE SOME FUN / SAMANTHA FOX
12 14 THE LOVER IN ME / SHEENA EASTON
13 11 HOLDING ON / STEVE WINWOOD
14 18 SHE WANTS TO DANCE WITH ME / RICK ASTLEY
15 19 WALKING AWAY / INFORMATION SOCIETY
16 20 WHAT I AM / EDIE BRICKELL & NEW BOHEMIANS
17 23 ANGEL OF HARLEM / U2
18 25 YOU GOT IT (THE RIGHT STUFF) / NEW KIDS ON THE BLOCK
19 24 DIAL MY HEART / THE BOYS
20 26 SURRENDER TO ME(FROM "TEQUILA SUNRISE") / ANN WILSON & ROBIN ZANDER
21 30 LOST IN YOUR EYES / DEBBIE GIBSON
22 12 MY PREROGATIVE / BOBBY BROWN
23 27 A LITTLE RESPECT / ERASURE
24 16 EVERY ROSE HAS ITS THORN / POISON
25 29 THE LIVING YEARS / MIKE + THE MECHANICS
26 32 ALL SHE WANTS IS / DURAN DURAN
27 37 RONI / BOBBY BROWN
28 28 SHAKE FOR THE SHEIK / THE ESCAPE CLUB
29 36 PARADISE CITY / GUNS N' ROSES
30 21 LITTLE LIAR / JOAN JETT & THE BLACKHEARTS
31 15 SMOOTH CRIMINAL / MICHAEL JACKSON
32 33 MY HEART CAN'T TELL YOU NO / ROD STEWART
33 17 PUT A LITTLE LOVE IN YOUR HEART / ANNIE LENNOX & AL GREEN
34 40 DON'T TELL ME LIES / BREATHE
35 22 I REMEMBER HOLDING YOU / BOYS CLUB
36 46 GIRL YOU KNOW IT'S TRUE / MILLI VANILLI
37 44 I BEG YOUR PARDON / KON KAN
38 41 IT'S NO SECRET / KYLIE MINOGUE
39 47 YOU'RE NOT ALONE / CHICAGO
40 49 JUST BECAUSE / ANITA BAKER

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26 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (太ったボンジョビ (・Ο・` ))
2025-02-02 20:49:35
存在のないバンドのNo.1、
ホワイトライオンがこんなとこまで、しかし他が強すぎ、
なんとシェリフが私の唯一の、カラオケ外人ライバルのエリックさんがマジ練習していたエイリアスのメンバー!、
いろいろと驚きのあるチャートですが、いやー何と言ってもヒルコリンズの1👉️10位はひどい扱い過ぎますね😃
ここまでのトップからのとてつもない落ち方、ビルボーさんも時にはやりますな☺️
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シェリフのその後… (音時)
2025-02-02 21:02:44
https://neverendingmusic.blog.jp/archives/23488491.html
星船さんも書いている彼らのその後…元Sheriffの Freddy Curci(Vo)と Steve DeMarchi(G.)が中心になってバンド名 "Alias(エイリアス)" を結成、他のメンバーのArnold Lanni(Key.)とWolf Hassell(B.)はバンド名"Frozen Ghost"を結成します。

その後"Alias"の方は、"More Than Words Can Say(きみがほしい)"の全米2位の大ヒットを翌年(1989年)に出しました!(ちなみに"Alias"って意味は"別名"って意味だそうですよ)
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三重苦 (hannah)
2025-02-02 21:33:10
星船さん、こんばんは。
Sheriffというグループ、存在していたことも、解散したことも、この曲も、知らないことの三重苦ですね。
最近は三重苦に近い曲も増えてきました。
カナディアンロックグループよかったですね。
Herartもそうでしたし、Loverboyの曲はカッコよかったです。
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実力派グループ (星船)
2025-02-02 22:08:24
太ったボンジョビさんこんばんは。
そういえばこの週、フィル・コリンズはびっくりの強烈ダウンだったです。この80年代後半では、こんな事ほとんどなかったですが、10年ぶりくらいでしょうかねぇ。
このNo.1の時には存在していなかったですが、新しいバンドを作り、また2位まで上がるヒット、実力はあったグループなんでしょうね。
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良い曲作ります。 (星船)
2025-02-02 22:19:42
音時さんこんばんは。
Aliasは「別名」ですか。Sheriffのまま再結成したかったんでしょうけど、かなわなくって別名にしたんでしょうか。その別名のAliasでの復活の大ヒット"More Than Words Can Say"の曲の作者は元Sheriffの二人、Freddy CurciとSteve DeMarchiですね。このNo.1ヒットの方はFrozen Ghostに移ってしまったArnold Lanni、Sheriffはソングライティングの才能ある人たちのグループだったのでしょう。
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さわやかなロック (星船)
2025-02-02 22:22:33
hannahさんこんばんは。
そうですか、でもこの曲"When I'm With You"ですが、70年代風の懐かしい感じのするソフトロックでした。カナダのロックグループ、さわやかな音を出す良いグループがたくさんありますね。
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Unknown (太ったボンジョビ σ(´・ε・` ))
2025-02-03 16:09:12
初めて聴く前から「昔の歌がDJたちによってグングンチャートを上昇中」みたいなことが(ソースとなりえるのはFMfanくらいしかないけど)、と知らされていて、FENで初めて聴いたときに「これかぁ、確かに古いっスねー😃」と妙なワクワク感がありました。
うーん、83年でしたかー、あの辺はブリティッシュインベージョン2の真っ盛りで、カナダバンドだとラバーボーイのホットガールズでさえイマイチヒットでしたもんね~。
でもこれを89年1月という極寒の中で聴くと、緩さがイイですな、となるから不思議であります。ダンスポップとメタリックがたくさんの中、イイ感じで目立っておりました。
でも1位はやり過ぎのような気がしないでもないでもないかなあ☺️
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こんな1位も (星船)
2025-02-03 18:24:22
太ったボンジョビさんこんばんは。
この曲、当初は83年のヒット曲だったですが、曲としては、もっと前の70年代後半っぽい曲でもありました。ホント89年の曲では、「ダンスポップとメタリックがたくさんの中イイ感じで目立って」いましたねぇ!こんな1位もいいもんじゃあないでしょうか。
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Unknown (太ったボンジョビ (๑•̀∀-)و.)
2025-02-03 19:33:45
うふふふ、アルバム全曲トライ、にわか聴きでやってみましたぞ😃
A①~A③はポップロックでやや激しめでして、これならラバーボーイとあんまり変わらない、83でなく82年ならチャンスはあったかも?
A④でウェンナイムウィズユー、確かにこのシングルにはここでなら納得、この時点でハードロックバンドのロックバラードなんて、89年を先取りし過ぎていたのでしょうか?
B面は最初がバンヘーレンのランニンウィザデボゥを思わせますが、聴くほどにプログレ色が強いです。そして芸風が似ているのはStyxであります。ボーカルがデニスでやんす激似でありまして、もしかしたらコーナーストーンLP以前のスティクスはこんな感じなのでは?
そしてA⑤とB⑤はなんとスピーディなハードロック!つまり何でも出来る器用●乏、おっとこれは言い過ぎです、ごめんなさい😫
私はB面の方がややクサクサで気に入りましたが、同郷のラバーボーイと比べるなら、ゲットラッキーLPには「ウァンニッツオーバー」という超クサクサソングがいい味出していたので、そんなのがあれば……という感じでした。惜しかった🤧
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ダンスポップとHRの中 (hannah)
2025-02-03 21:38:06
星船さん、こんばんは。
そうかー、皆さんおっしゃるように、ダンスポップとHR系が多い中、こういうちょっと70年代風の曲を聴くとほっとしますね。
それと、長年Billboardを聴いていましたが、1位から10位までダウンは初めてではないでしょうか。
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