太田忠司の『麻倉玲一は信頼できない語り手』を読んだ。驚きの真実が待っているミステリー?
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ライターの熊沢克也は、死刑が廃止された日本で最後の死刑囚となった麻倉玲一の手記を書く取材で三河湾の離島にある特別拘置所に赴く。そこで麻倉玲一の起こした殺人について本人から話を聞くのだが・・・。熊沢が麻倉の手記を依頼されたのは、海外生活が長く麻倉のことをほとんど知らないため。ネットなどで麻倉のことを調べずに取材するよう言われて指示に従うのが大きなポイント。さらに島ではスマホが使えないというのが伏線。島から帰ってネットで調べると麻倉玲一なんて死刑囚は存在していなくて・・・。
最終盤に一気の伏線の回収で驚きの連続。見事に騙されたよねー。いい感じで騙された感の残る作品で楽しく読める。ミステリー好き、どんでん返し好きなら読んでおきたいねぇ。
以下ネタバレなので未読の方は読まないように。
熊沢は見事に麻倉玲一が最後の死刑囚だと信じ込んで騙されていた。熊沢の島での取材は実は彼を軟禁するためで、誘拐を装って彼の父から身代金をせしめた犯人グループ。犯人グループは、熊沢の父が密輸したコカインの被害者の関係者っていうのが巧い構成だ。
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