宿野かほるの『ルビンの壺が割れた』を読んだ。
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結婚式前日に新婦が疾走してしまって、結婚できなかった男。彼女は行方不明だったのだが、30年近くたってからFACE BOOKで彼女らしき女性を見つけてメッセージを送る。期待はしていなかったのだが、彼女から返信があって・・・。
メッセージのやり取りで語られる書簡形式の体裁。二人の出会いと恋に落ちていく様子が語られ、それぞれが当時は内緒にしていたことも語られて、最後に驚きの真実が・・・。
ラストに待っているのは衝撃の真実で、けっこうびっくり。こんな展開の小説はあんまり記憶にないなぁ。かなり意外性のある作品で、印象は強烈。以下ネタバレを含むので、未読の方は絶対に読まないこと。
最後の最後に語られるのは彼女が結婚式前夜に疾走した理由。結婚式前夜に彼のアパートで髪飾りを発見するのだが、その髪飾りが交番のポスターにある行方不明の女児のものと同じで、彼女は警察に通報。男は捕まり、女児殺害で無期懲役だったのだが、30年近くたって出所してきたというのが真実だ。