ニックが自転車を買った。ニックの子供達にも一台ずつ買った。3台とも結構した。3台とも別の店で買った。それぞれ売り手の個性があり面白かった。ニックのは、富士吉田市で唯一ロードバイクを売っているという店で買った。ホビットのような元気な夫婦の店。入って見て決めるまでに30分もかからなかった。ニックの息子の時は三時間、娘の時は半日かかって選んだ。
パパホビットにトラックで自転車を届けて貰うと、ニックは早速ヘルメットを付けて、専用の手袋をはめて試し乗りに出掛けた。ゆっくり角を曲がると、いきなりの猛スピードで峠を下って行った。結局ニックはスピードが好きなのだ。スキーや車が好きなのもそれだ。チェロの演奏にも必ずスピード感を出す。決して速く弾くという事じゃない。ジャズでいうドライブ感だ。疾走感。生きていると実感する速度。ニックは音楽を乗りこなしている。命懸けで、スピードを楽しんで。
夜になって、フリッツ・ライナーシカゴ響の花のワルツを聞く。これこれ。このスピード感。俳句でいうと、勢い、ですね。
ニックが夢中で立ち上がり、ライナーと一緒に花のワルツを指揮してる後ろで私は、トンベパドブレ、グリッサード、アッサンブレ、トンベパドブレ、グリッサード、アッサンブレ、トンベパドブレ、シャッセ、アッサンブレ、ピケアラベスク‥‥‥をひたすら踊った。誰か外から見る人がいたら、悪魔に憑かれた夫婦みたいに見えるだろうなあ。
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