今日も、名取芳彦(ほうげん)さんの般若心経から
舎利子(しゃーりーしー) 色不異空(しきふーいーくう) 空不異色(くうふーいーしき) 色即是空(しきそくぜーくう) 空即是色(くうそくぜーくう) 受想行識(じゅーそうぎょうしき) 亦復如是(やくぶーにょーぜー)
の芳彦さん流現代語訳をお伝えします。
「舎利さん、いいですか。物事は、その働きも、存在も、いろいろな条件が重なってそうなっているのです。ですから、その条件が変われば、結果も変わります。その条件は刻々と変化してやむことがありません。世の中はどんな物でも、事でもそうなっているのです。」
ということだそうです。舎利さんとは、お釈迦さんの弟子(智慧第一)のようです。
話としては、世の中のどんな物事でも条件が変われば、結果も変わるという話で、常識的な話だと思いますが、きっともっと深い思いがあるのではないでしょうか。
次の経にうつります。
舎利子(しゃーりーしー) 是諸法空相(ぜーしょうほうくうそう) 不生不滅(ふーしょうふーめつ) 不垢不浄(ふーくーふーじょう) 不増不減(ふーぞうふーげん)
この現代語訳は、次のようです。
「舎利さん、よくお聞きなさい。いろいろな条件の中には自分の努力というものもありますが、それだけではありません。ほかに私達には想像もつかないような条件が入り込んでいるのです。」
やはり、条件が変われば結果も変わるという話は、常識的な単純な話ではありませんでした。想像もつかないような条件とは、何でしょうか。
次のフレーズが楽しみです。
是故空中無色(ぜーこーくうじゅうむーしき) 無受想行識(むーじゅーそうぎょうしき) 無眼耳鼻舌身意(むーげんにーびーぜつしんにー) 無色声香味触法(むーしきしょうこうみーそくほう) 無眼界乃至無意識界(むーげんかいないしーむーいーしきかい)
となります。その訳は、
「どんな物でも、何もないところから突然何かが出現することもないし、いきなり何もなくなってしまうということもないのです。なくなるにしても何らかの条件があるはずだからです。物事は一見増えたり減ったりしますが、よく考えてみれば、ある場面から別の所へ移ったり、形を変えただけなのです。実質は増えても減ってもいません。私達が頭で考えることも、常に変化しています。”その日の気分”というのも心が変化しているあかしです。いつも自分は自分で変わらないと思っていても、変化しているのです。なかなかそのことに気がつかないことが多いですが。」
となってきました。でも、これが「想像もつかないつかない条件」なのでしょうか?
多分,YESだと思うのですが、「別の所へ移ったり、形を変え、増えても減ってもいない」という話は、まるで株などの投資(ゼル・サムゲーム・・・株取引はゼロ・サムではなく、為替取引はゼロ・サムであるといわれているようです。)のことのようです。
それはともかく、ここで言いたいことは、「自分も世の中も常に変化しているが、それに気がつかないだけだ!」ということでしょうか?
そこからは色んな思いが小生にも浮かんできますが、皆さんはいかがでしょうか。
まさに「諸行無常」の心境です。今日は、この辺で失礼します。