ロック探偵のMY GENERATION

ミステリー作家(?)が、作品の内容や活動を紹介。
『ホテル・カリフォルニアの殺人』(宝島社文庫)発売中です!

『ホテル・カリフォルニアの殺人』あらすじ・その2 謎のメッセージ 

2017-08-29 21:51:22 | 『ホテル・カリフォルニアの殺人』
前回に引き続き、テレビドラマの番宣ふうに『ホテル・カリフォルニアの殺人』のあらすじを紹介していきます。

刑事の捜査に協力することになったトミーですが、謎解きは、思うように進みません。

ひとまず犯人の候補として名前が挙がったのは三人。

・歌い手たちのナンバー2であるイザベラ
・事件の直前にやってきた謎の男ジョー・ギャツビー
・事件と前後して姿を消した先住民のベン

なかでも、もっとも怪しいのはイザベラ。
ナンバー2である彼女が、トップである歌姫の座を狙ってジョセフィーヌを殺害したという線が濃厚です。
しかし、彼女には鉄壁のアリバイがありました。
ジョセフィーヌが殺害された時刻には、ほかの女たちとともに団体練習をしていて、殺害現場に行くことは不可能なのです。
もっとも疑わしい容疑者に完全なアリバイが存在することで、早くも、事件解決は難航しそうな雰囲気です。


そんななか、ホテルの臨時従業員として書類の整理にあたっていたトミーは、奇妙なものを発見しました。

それは一枚の羊皮紙で、次のような文字が書かれているのです。




いったんは手を止めたものの、特に深く考えることもなく、トミーはそれをゴミ袋に放り込もうとします。
しかし、この文字に反応を示したのが、ジミー・クロフォード。

「ここに書いてある三つの名前のうちの初めの二つは、東方の三賢者だ」

ジミーはいいます。
そう。Balthazar と Melchior は、いわゆる「東方の三賢者」のうちの二人。そして、Solomon というのは、旧約聖書に登場するソロモン王のことなのです。

「これは、啓示かもしれねえ。俺はこいつがなにかの手がかりになると信じるよ」

そんなふうに色めき立つジミーに対して、トミーは冷静です。

俺の見るところ、神様というのはそんなに親切なお方じゃない。

しかしながら、これが事件に関係している可能性も考えられなくはない。
そこで二人は、この羊皮紙を刑事のボガートに見せてみることにしました。

トミーとしても、それほど期待をしていたわけではありません。
しかし、意外なことに、これが大きな反応を引き起こしました。

「こいつはもしかすると、福音かもしれんぞ」

ボガートは、かっと目を見開いていうのです。

「今回の事件の謎を解く大きな手がかりかもしれねえ」

彼がいうには、この三つの名前には共通点があります。そしてそれが、密室殺人の謎を解明する一つのヒントになるかもしれないというのでした。

やれやれ、とうとう刑事までが神頼みか。

半信半疑のトミーでしたが、しかし、刑事の推理は当たっていました。
これによって、謎解きは一歩前進することになるのです。

はたして、この三つの名前はなにを意味するのか……?

その答えは、ぜひ『ホテル・カリフォルニアの殺人』を読んで、確かめていただきたいと思います。
なにしろ“番宣”ですから。
では、どうぞ、よろしくお願いします。