今回は、『ホテル・カリフォルニアの殺人』制作裏話・番外編の続きです。
前回“超隠し玉”の打診を受けたところまで書きましたが、その話を進める前に、もうちょっとだけ寄り道して、文学フリマのことを書こうと思います。
以前このブログで書いたように、私は福岡の文学フリマにも出品していたのですが、その出品作は、トミーシリーズだったのです。
文学フリマに出す本は、手作りです。
費用のことを考えると、それほどページを増やすわけにはいきません。そこで、短編を収録した作品とすることにしました。
長編がアルバムとすれば、シングルのような感じです。
で、何を書くか。
これも以前書いたように、その時点におけるトミーシリーズの既成作品には、連作短編集がありました。そのなかの一つを利用することにしました。
その連作短編集、すなわち、メフィストに応募した『トミーはロック探偵』では、次の6つの曲を取りあげていました。
・ストーン・ローゼズ「メイド・オブ・ストーン」(The Stone Roses, Made of Stone)
・ビーチ・ボーイズ「素敵じゃないか」(The Beach Boys, Woudn't It Be Nice)
・マディ・ウォーターズ「ローリン・ストーン」(Muddy Waters, Rollin' Stone)
・ヴェルヴェット・アンダーグラウンド「黒い天使の死の歌」(Velvet Underground, Black Angel's Death Song)
・ニルヴァーナ「スメルズ・ライク・ティーン・スピリット」(Nirvana, Smells like Teen Spirit)
・ビートルズ「ストロベリー・フィールズ・フォーエヴァー」(The Beatles, Strawberry Fields Forever)
そのなかの一つである「素敵じゃないか」を、いうなればシングルカットという形で収録しました。
しかしながら、既成の作品だけでは芸がない。そこで、この企画のための書き下ろし短編も書きました。
そのタイトルは、「朝日のあたる家」。
トラディショナルソングですが、作中ではアニマルズの曲として紹介されています。
この二つの作品を収録した小冊子として、出品されました。
そして翌年の文フリ福岡にも、私は出品しました。
このときは、2作とも書き下ろしでした。
一つは、トミーシリーズで、「雨を見たかい」。
いうまでもなく、CCRの曲がモチーフです。
そしてもう一つは、トミーではなく、私のなかでもう一つ別のシリーズになっている作品でした。
……というわけで、トミーシリーズには、これまで挙げてきたような作品があります。
それらを、私もいつか発表したいと思っています。
これらの作品が気になって読んでみたいという方は、宝島社に手紙を送って、トミーシリーズの作品が読みたいんだとアピールすると、そのうち発表されることもあるかもしれませんよ(笑)