今から十日ほど前のことになりますが、推理作家協会に加盟する作家13人が、沖縄問題に関して声明を出しました。
正式には、「辺野古基地工事中断と沖縄県との誠意ある対話を要求する提言書」。
斯界の大御所・西村京太郎さんはじめ、近藤史恵さん、柳広司さん、深緑野分さんと錚々たる顔ぶれ。
今年の県民投票で投票者の72%が反対という結果が出たことについて、「投票の結果を無視し、工事を中断することなく、また対話にも応じない現政権の対応は異常」と、政府を強く批判しています。
よくぞいってくれたと思います。
賛同者には、私にとって『このミス』の先輩である佐藤青南さんや、深町秋生さん、乾緑郎さん、そして、私が世話になった評論家の千街晶之さんも名を連ねています。また、私にとって大学の先輩にあたる碧野圭さんも。頼もしいかぎりです。
このブログで何度か触れてきましたが、辺野古に本当に基地を作っていいのか。
環境面の問題だけでなく、軟弱地盤が指摘される辺野古に基地を作るのは、推進派のいう安全保障という観点からみても問題があるのではないか。
そして何より、幾たびもの選挙で示された沖縄の民意をどう考えるのか……
辺野古の問題は、単に沖縄だけの話でなく、地方と中央の関係というところに敷衍することもできるでしょう。
先日の台風15号でも、千葉県南部に大きな被害が出ていますが、政府が迅速に対応しているとはいいがたいでしょう。ツイッターなどでは、被害の惨状が当事者から発信されているにもかかわらず、対応は後手に回っています。
いったい政府は、本当に地方を大事にする気持ちがあるのか――こういうことはきちんと批判されなければならないでしょう。
その意味で、今回の声明に私も賛意を表したいと思います。