今日から、新たに4府県に緊急事態宣言、5府県にまん延防止等重点措置が適用されます。
まん防の対象には、わが福岡県も。
7月11日に解除されてから一か月も経たないうちに……まあ、いまの感染爆発をみれば、やむをえないところでしょうが。
いっぽう新聞なんかでは、連日オリンピックにおける日本の“戦果”が大々的に報じられています。
私はテレビをほとんど見ないのでわからないんですが、テレビも同様のようです。
かたやオリンピック、かたや緊急事態にまん坊――この異様な状況を、どう呑み込めばいいのか。そう考えているうちに、私は美空ひばりの「お祭りマンボ」を思い出しました。
美空ひばりの代表曲の一つといっていいでしょう。
ソ~レソレソレお祭りだ~という陽気に聞こえる歌ですが……実はあれ、よくよく聞いてみると悲しい歌なのです。
隣のおじさんと、そのまた隣のおばさんが祭りに興じている間に、おじさんの家は火事で焼け、おばさんの家は空き巣にはいられるという……
曲の最後は、こんな感じになります。
お祭りすんで 日が暮れて
冷たい風が吹く夜は
家を焼かれたおじさんと
へそくりとられたおばさんの
ほんに切ないため息ばかり
いくら泣いてもかえらない
いくら泣いてもあとの祭りよ……
知らないうちにそうなってしまっていたというのではなくて、祭りの最中に、その危険について警告はなされています。
しかし、おじさんもおばさんも、祭りに浮かれて聞く耳を持ちません。なにをいってもワッショイショイ、なにをいってもピーヒャララ……という具合です。
これは、まさに日本の現状じゃないでしょうか。
五輪と感染拡大の関係ということに関してはあちこちで議論になっていますが……この「お祭りマンボ」で考えると、五輪開催によるいわゆる間接的影響がすっきり理解できると思うのです。
つまり、五輪という“お祭り”騒ぎによって、なにをいってもピーヒャララという状態になってしまっている人が多数いるのではないか。
だとしたらその先に待っているのは……おそろしい状況かもしれません。
あとの祭りとならないことを願うばかりです。