このブログでは、過去に、何度かアマゾンオーディブルというものについて書きました。
“本を聴く”ことができる、オーディオブック……アマゾンが提供する定額制サービスが、アマゾンオーディブルです。
もうオーディブルというものを使い始めてだいぶ長くなりますが……最近その新たな用法を見出しました。
まあ、そんな大げさなことではりませんが……オーディオブックで聴くのは、小説でないものがいいんじゃないかということがあります。
これまでずっと小説のみを聴いてたんですが、オーディブルのラインナップには、小説でない本もあります。一冊試してみると、どうもそっちのほうがよいのではないかという気がしてきました。
小説だと、どうしても朗読者のキャラづくりとか演出にイメージを左右される部分が出てきてしまいます。そしてこれは、しばしばマイナスに働くという……
これは私の感想というだけでなく、おそらく多くの人がそうなんじゃないかと想像してます。
アマゾンでは、一つの作品に関してオーディオブックとそうでないバージョンでそれぞれにレビューがあるんですが、概してオーディオブックのほうが評価が低い傾向にあるように見えます。きっちり比較してみたわけではありませんが……オーディオブックのレビューを見ると、朗読への不満をちょくちょく目にするのです。いかな声のプロとはいえ、一人の朗読者が老若男女を演じ分けることからくる違和感や、キャラの作りすぎ(これはおそらく、キャラの区別をはっきりつけるためにそうせざるをえない部分があるのだと思われますが)というのがどうしてもあり……慣れればそれほど気にならないとはいえ、その演出によってキャラのイメージが左右されることからくる微妙な違和感は、おそらく作品そのものに対するイメージにも相当に影響を与えてしまっているはず。それがはっきりと自覚される場合もあり、後になって、これは文字で読んだほうがよかったな、と後悔するようなことも少なくないのです。
そこへいくと、小説でない新書系の本などは、そういう問題がありません。
図やグラフなどは添付ファイルを開いて確認しなければならないとか、初耳の固有名詞や専門用語を音声だけでははっきり認識しづらいといった問題はありますが……しかし、小説作品が朗読に受ける影響を考えれば、そうした問題はほとんど無視できるレベルと個人的には思ってます。ゆえに、オーディオブックではそういうものをメインに聴いたほうがいいのではないかと思われるのです。
近頃、アレックス・ヴァン・ヘイレンが回顧録を出版していて、そのオーディオブック版には亡きエディと共に作った最後の曲が収録されているという話ですが、こういったサービスもオーディオブックならではでしょう。そんなふうに見てみると、オーディオブックという媒体にもまだいろいろ可能性がありそうです。