今回は、ひさびさのアニメ記事です。
とりあげるのは、松本零士先生原作のアニメ『宇宙海賊キャプテン・ハーロック』です。
なんで唐突にそんなものが出てくるかというと……これは、ちょっと前に書いた記事からのつながりなのです。
今年に入って、本格的なブログ初めということで、太宰治の『右大臣実朝』という小説について書きました。
そこで「アカルサハ、ホロビノ姿デアラウカ。人モ家モ、暗イウチハマダ滅亡セヌ」という実朝のせりふを紹介したんですが……私がこのセリフを知ったのは、じつは『キャプテン・ハーロック』をとおしてでした。アニメ版の最終回で、この言葉が引用されているのです。
一応説明しておくと、『宇宙海賊キャプテン・ハーロック』は、先述したとおり松本零士先生の漫画をアニメ化したもの。
タイトル通り、宇宙海賊のキャプテン・ハーロックが主人公で、海賊船アルカディア号を駆って宇宙からの侵略者マゾーンと戦います。原作は未完の作となっていますが、アニメ版は最終的にマゾーンと決着をつけるまでが描かれました。
その第一話が東映アニメのYoutubeチャンネルで公開されています。
Youtubeに飛ばないと視聴できないようですが……
【公式】宇宙海賊キャプテンハーロック 第1話「宇宙にはためく海賊旗」 <1970年代アニメ>
なぜこのアニメに太宰の言葉が引用されているのかというと、これは作品のテーマに深くかかわってきます。
第一話で描かれているように、この作品における未来の地球は、まさに「アカルサハ、ホロビノ姿デアラウカ」を体現する状態となっているのです。
物質的には豊かさの頂点に達し、政府が提供する娯楽に満足する民衆――まさに、パンとサーカス。虚栄に溺れ、頽廃し、活力をうしなってしまった地球人は、日々を遊び暮らすことに慣れてしまい、すっかりふやけてしまっています。危機が迫ってきても、見えぬふり、聞こえぬふりをきめこんで、昨日までと同じように遊び暮らすことしか考えていません。
そんななかで、いざ危機が迫ったときそれに立ち向かう力を持っているのは、無法者のハーロックなのです。
ハーロックは、亡き友の遺していった宇宙海賊船アルカディア号で果敢に宇宙からの敵マゾーンと戦います。
そのアルカディア号です。
今回プラモ作りというやつに挑戦してみたんですが……どうにもあまりうまいできではなかったので、大幅に画像加工してます。
友よ 明日のない星となっても君は地球を愛していた
この星 捨てて行きはしない
と、オープニングテーマでは歌われます。(ただし、テレビでは流されない二番)
まさに、これがしびれるところです。
ハーロックは、堕落しきった地球に絶望していますが、ただ己の信ずるところに従ってマゾーンと戦います。このハーロックという人物が、じつにかっこいい。ゆえに、ハーロックはほかの松本零士作品にもたびたび登場しています。また、最近ゲームの『スーパーロボット大戦』にアルカディア号が参戦したりもしているそうですが、これもやはりハーロックに魅力ゆえでしょう。
天才エンジニア大山トチローの手になるアルカディア号は、無敵です。
未来を失った人類の、最後の希望――
エンディングテーマでは、次のように歌われます。
きみが気に入ったなら この船に乗れ
いつかなくした夢がここにだけ生きてる
そして、このアニメでもう一人忘れてならない人物が、有紀螢。
私個人としては、森雪よりも、メーテルよりも、この人が松本零士ヒロインの頂点です。
こちらもやはり、プラモ制作し……画像加工を施しました。
これは、ハーロックの別のプラモについているオマケみたいなものなんですが、まあ、思ったよりも有紀螢感が出ていました。ただ、あの松本零士風美女の雰囲気が十分に再現できるとはいいがたいですが……