ロック探偵のMY GENERATION

ミステリー作家(?)が、作品の内容や活動を紹介。
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ストーンズ記念日 社会派としてのストーンズ

2022-07-12 21:00:47 | 日記


今日7月12日は、ローリング・ストーンズ記念日。

ということで……ストーンズ特集。

先月のビートルズ記念日にあわせて、「社会派としてのストーンズ」ということでやっていこうと思います。


Gimme Shelter。
何度かこのブログでは紹介してきたと思いますが、ストーンズ自身の動画はこれがはじめてではないでしょうか。

The Rolling Stones - Gimme Shelter (Live) - OFFICIAL PROMO

  いま嵐が俺の命をおびやかす
  身を寄せる場所が見つからなけりゃ
  俺は消えてしまうぜ

先日書いたように「戦争はたった一発の銃弾ではじまってしまう」と戦争のことが歌われますが、戦争にかぎらず災害や飢饉といったことを歌っているようにも解せるでしょう。


Brown Sugar。
現在のストーンズは、ライブのセットリストからこの曲をはずしているといいます。
理由は、歌詞の内容が差別的と批判されているため。
冒頭で奴隷貿易のことを歌っているのは告発という意味合いとも解されるわけですが……厄介な議論に巻き込まれるのを避けるために封印したというふうにもみえ、もやっとする部分もあります。まあ、長期間ビッグであり続けているバンドゆえに、こういうかたちではからずも時代を反映してしまうということなんでしょう。

The Rolling Stones - Brown Sugar (Live) - OFFICIAL


名もなき労働者をたたえる「地の塩」。
伝説のロックンロールサーカスの映像です。

The Rolling Stones - Salt Of The Earth (Official Video) [4K]

「地の塩」という言葉は、聖書の一節からとったもの。
いわゆる「山上の垂訓」のなかに出てくる言葉で、社会における善良な人といったような意味合い。


Street Fighting Man。
直訳すると、「路上で闘う男」……そのタイトルが示すとおり、ストレートに民衆の政治闘争をテーマにした歌です。
ベトナム戦争当時、反戦デモに参加した経験などをもとにしています。
 
The Rolling Stones - Street Fighting Man (Live) - OFFICIAL

  夏はきた
  まさにいま路上の闘争のとき

と歌われます……が、その後には「だが、あわれな小僧に何ができる?」という徒労感も表明されます。

  まさに革命のとき
  だが、ここじゃ妥協案をさぐることだけ
  で、あわれな小僧に何ができる?
  せいぜいロックバンドで歌うことぐらいさ

そして最後には、「路上で闘う男に居場所はない」と結ばれるのです。
ストーンズがロックの世界においてスターであったとしても、政治の世界で影響力をもてるわけではない……実際政治運動に関与してみて、そういう諦観にいたったともいいます。
まあ、民衆が路上で政治運動に関与すれば、程度の差はあれだいたい諦観をもつことになると思われ……それが60年代末のその種の運動を退潮させていったのでしょうが、その徒労感を突き破ってクレバーな抵抗を続けていくのが、パンクということになるのです。




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