声優の三石琴乃さんが、インボイス制度への反対を表明しました。
三石さんといえば、『セーラームーン』の主人公・月野うさぎや、『エヴァンゲリオン』の葛城ミサトなどの訳で知られる大物声優。この方が、声優界を代表するようなかたちでインボイス制度に反対の声をあげたのです。
今年の10月に開始が迫っているインボイス制度ですが……小規模な個人事業主やクリエイターといった人たちに大きな打撃を与える可能性が懸念されており、かねてから各方面で反対の声があがっていました。
クリエイターという部分では、声優だけでなく、漫画、アニメ、演劇といったジャンルで反対の声が挙がっています。
こうした分野では関係者同士が一般企業における「取引先」のような関係ではない場合が多いこともあって(たとえば漫画家とそのアシスタント、など)、さまざまな問題が指摘されているのです。それらの問題は、単に「今まで払わなくてよかった費用を払わなければならなくなって経済的に苦しくなる」というだけではなく、文化のすそ野を縮小させ、衰退に追いやることが懸念されています。
しかしどうやら国の側は、どれだけ反対が起きようとインボイス制度を止めるつもりはなさそうです。
この一連の経緯をみていると、とにかくこの国は、文化などというものはどうでもいいという価値観なんだなと思わされました。
文化とお金を天秤にのせたら、なんの迷いもなく文化のほうを切り捨てるという……コロナ禍における諸々をみていてもそうでした。つまりは、日本という国の運営に関わっている人たちにとっては、それが基本なのでしょう。
で、「おやすみ、ゴジラ」なんですが……これは、三石琴乃さんの歌のタイトルです。
三石さんは歌手としてCDを出しておられて、そのなかに「おやすみ、ゴジラ」という歌があるのです。
だからなんなんだ、という話ではありますが……
インボイス制度に関するインターネットの記事で、この制度を襲い来る怪獣にみたてたイラストがあるのを見て、その外見がゴジラによく似ていました。それで、このインボイスという制度は日本のクリエイター界に襲いかかるゴジラのようなものかもしれないと連想が働いたわけです。
そのゴジラによって、この国の文化が破壊されつくしてしまうのか……それとも、おやすみゴジラということになるのか。しかと注視してきたいと思います。