今回は、音楽記事です。
中ノ森BANDというバンドについて書きます。
前回からのつながり……というのも特にないんですが、まあ“しゃがれ系女性ボーカル”つながりといったところでしょうか。
中ノ森BANDは、ボーカル中ノ森文子を中心とする4人組のガールズバンド。
残念ながら、アルバム三枚出したところで解散してしまったんですが……パワフルなガールズバンドとして、私は注目していました。
おそらく、日本のロック界でもひそかに注目を浴びていたんだと思われます。
たとえばこのバンドは、ブルーハーツの甲本ヒロトさんから、「イソブラボー」という曲を提供されています。さらにそのシングルには、真島昌利さんの提供した曲も。この二人が他のバンドに曲を提供するのは初のことだったそうです。
また、ラストアルバムとなった「エレクトリックガール」では、三宅伸治さんがプロデュース。
三宅伸治といえば、忌野清志郎のバックバンド「ナイスミドル」のバンドマスターをつとめていた人です。その三宅さんが、プロデュースをしている……このことを知ったとき、私はにやりとしました。
三宅伸治さんがプロデュースをしているということは、ロックの“お墨付き”を得ているということにほかならない。ふっ、やはり俺の耳は間違っていなかったか……と。まあ、趣味嗜好が似ているということですから、当たり前といえば当たり前なんですが。
(また、これは後になって知ったことですが、先述したシングル「イソブラボー」でも、三宅さんはバンドとともにアレンジを手がけています)
ともかくも、忌野清志郎と公私で親交のあったミュージシャンと共同作業しているということは、キヨシローが一つの基準となっている私としては、重要なポイントです。
そんな中ノ森BANDの、Whatever
という曲があります。
2枚目のシングルで、おそらく、代表曲といっていいでしょう。
バンドが活動していた頃ラジオ番組をやってたんですが、そのラジオで、リスナーがこの曲のラスト部分を真似してみせるというコーナーがあったりもしました。
レコード会社がアップしている動画を貼り付けておきましょう。
中ノ森BAND / Whatever
ストレートなロックサウンドと、中ノ森文子さんのパワフルかつ表現力豊かなボーカルが魅力です。
が、その歌詞もまた注目です。
タイトルになっているwhatever
という言葉は、ロックを象徴するような英単語だと思うんですね。
特に90年代以降……たとえば、オアシスがずばりWhatever
というタイトルの曲をやってますが、ニルヴァーナの
Smells Like Teen Spirit
にもこの単語が出てきます。90年代の英米ロックをそれぞれ代表するともいえる二曲に、使われている言葉なのです。
それをタイトルに掲げた歌を歌うというのは、それなりに覚悟がいるでしょう。しかし、中ノ森BANDはそれをやってのけたのです。そこで歌っている内容も、オアシスが「俺が何になろうが俺の自由」と歌ったスピリッツを継承しています。
中ノ森文子さんは、だいぶ前にテレビに出た時に、ニッケルバックがいいといったかと思えばマディ・ウォーターズが好きだともいい……もう、そういうロックの歴史を先史時代から現代にいたるまで踏まえてきているミュージシャンなのです。
そんな中ノ森BANDが再結成してくれないものかな……と、私はちょっと思っています。
アップありがとうございます。
最初にこのグループを知ったのは「映画 結婚しようよ」。
映画の中で歌う「風になりたい」は良かったです。
たしか、「風になりたい」が最後のシングルになったんでしたっけね……
映画に出るという話があって、これから上り調子になっていくかというところで、突然の解散発表というかたちだったと記憶してます。
それがもう、十年以上前のこと……時のたつのは早いものです。