昨日、佐川前理財局長の証人喚問が行われました。
それを中継で見ることはできなかったのですが、夜になって、テレビのニュースで断片的に映像をみました。
その様子を見ていて、山本周五郎の「わたくしです物語」という短編を思い出しました。
城内で起きるさまざまな不祥事を、ぜんぶ自分がやったことにして罪を背負う男の物語です。
たとえば高価な壺が割れたとか、大金がなくなったとか……そういう事件が起きると、私がやりましたといって名乗りでるのです。
本当にやったのは、角下勝太とか、沢駒太郎とかいう連中です。角下勝太は、「かくした・かつた」=「隠したかった」であり、沢駒太郎は「さわ・こまたろう」=「さあ困った」というような言葉遊びになっています。なかには、安倍幸兵衛(「あべ・こうべえ」=あべこべ)という人物も出てきます。
もう少し卑近な例でいうと、小林よしのり氏の漫画『おぼっちゃまくん』に出てくる名乗出升雄みたいなものですかね。
「名乗出升雄」と書いて「なのりでますお」。
ネーミングセンスは「わたくしです物語」に通ずるものがありますね。
名乗出升雄は“お助け軍団”の一人で、主人公の御坊茶魔がなにか粗相をすると、「私です」と名乗り出るのです。どんなにあきらかな状況であろうと関係なく、主人である茶魔がとがめられないように「私がやったのです」と名乗り出ます。
うろ覚えですが、その名乗出升雄の罪を肩代わりしようとする姿勢に心を打たれた茶魔が、みずから過ちを認める……というようなエピソードを読んだ気がします。
そんなふうになってくれないもんですかね。
まあ、現実は漫画のようにはいかないかな……
それを中継で見ることはできなかったのですが、夜になって、テレビのニュースで断片的に映像をみました。
その様子を見ていて、山本周五郎の「わたくしです物語」という短編を思い出しました。
城内で起きるさまざまな不祥事を、ぜんぶ自分がやったことにして罪を背負う男の物語です。
たとえば高価な壺が割れたとか、大金がなくなったとか……そういう事件が起きると、私がやりましたといって名乗りでるのです。
本当にやったのは、角下勝太とか、沢駒太郎とかいう連中です。角下勝太は、「かくした・かつた」=「隠したかった」であり、沢駒太郎は「さわ・こまたろう」=「さあ困った」というような言葉遊びになっています。なかには、安倍幸兵衛(「あべ・こうべえ」=あべこべ)という人物も出てきます。
もう少し卑近な例でいうと、小林よしのり氏の漫画『おぼっちゃまくん』に出てくる名乗出升雄みたいなものですかね。
「名乗出升雄」と書いて「なのりでますお」。
ネーミングセンスは「わたくしです物語」に通ずるものがありますね。
名乗出升雄は“お助け軍団”の一人で、主人公の御坊茶魔がなにか粗相をすると、「私です」と名乗り出るのです。どんなにあきらかな状況であろうと関係なく、主人である茶魔がとがめられないように「私がやったのです」と名乗り出ます。
うろ覚えですが、その名乗出升雄の罪を肩代わりしようとする姿勢に心を打たれた茶魔が、みずから過ちを認める……というようなエピソードを読んだ気がします。
そんなふうになってくれないもんですかね。
まあ、現実は漫画のようにはいかないかな……
山本周五郎の作品が味わい深いと思っています。
https://blog.goo.ne.jp/sdtm/e/2b826ce4a8a02f7fddceeaf65325dd4b
人は惑うものだと、、
市井の人々を描くまなざしと、単純に割り切れない心の機微を描く筆致、それに、磨き抜かれた文章のなせるわざでしょう。
そういう意味では、「わたくしです物語」のようなユーモアはどちらかというと異色かもしれませんが……