ロック探偵のMY GENERATION

ミステリー作家(?)が、作品の内容や活動を紹介。
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RCサクセション、COVERSの世界

2024-08-12 21:44:08 | 日記


先日の記事で、RCサクセション「明日なき世界」のオーディオ動画を載せました。

そこでもちょっと書いたんですが、清志郎関連の動画は、Youtubeで随時アップされているらしいです。アルバムCOVERSに関しても、全曲がYoutubeにアップされているようで、これは感涙もの。
COVERS期のRCは、古くからのファンにとってはちょっととっつきにくいところがあるかもしれませんが……私にとっては、ここからタイマーズの活動に入っていくあたりが、清志郎の世界に入っていく入り口でした。そして、清志郎のキャリア全体からみれば、COVERSでやっていることはむしろ原点回帰といえるでしょう。そんなわけで、この時期のRCを知ってほしい、再評価してほしい。ということで、今回はRCのYoutubeチャンネルからCOVERS収録曲のいくつかを紹介したいと思います。


「ラブ・ミー・テンダー」。
いわずとしれた、ロック史上不朽の名曲。

Love Me Tender

この曲については、このブログでこれまで何度か書いてきました。エルヴィス・プレスリーの曲として有名で、前に記事を書いた映画『エルヴィス』でも当然流れていましたが……もともとは19世紀に作られた曲。“キング”エルヴィスによって新たな命を吹き込まれ、以来数々の大物アーティストたちにカバーされたこの曲を、忌野清志郎は反原発ソングとして歌いました。
こういう反原発ソングを歌っていたことで、アルバムが発売できなくなるという騒動があり、この事件がタイマーズというバンドの出発点となり、清志郎は東京FM事件といったさらなる大事件を巻き起こしていきます。事件を起こすロックンローラー……忌野清志郎は、そういう稀有な存在でした。



「サマータイム・ブルース」。
これもまた、世界中で多数のアーティストにカバーされてきたロックスタンダード。
ここでは、泉谷しげるさんと三浦友和さんが参加しています。三浦さんはミュージシャンというわけではありませんが、高校時代から清志郎の友人でした。

Summertime Blues

この歌も、歌詞は原発問題を扱ったものとなっています。
忌野清志郎が死去した2009年、フジロックに初登場した頭脳警察がこの曲をカバーしたという話がありました。


ボブ・ディラン「風に吹かれて」。
この曲には、山口冨士夫さんが参加。そして、清志郎のキャリア後期において右腕ともいうべき存在だった三宅伸治さんが参加しています。

Blowin' In The Wind


ジョニー・リヴァース「シークレット・エージェント・マン」。
なんとここでは、演歌歌手の坂本冬美さんがゲスト。
坂本冬美さんとは、細野晴臣さんも加えて3人でHISというユニットもやっていました。

Secret Agent Man

「明日なき世界」に参加していたジョニー・サンダースは、この曲にも参加しています。
また、冒頭部分の音声は大韓航空機事件で知られる金賢姫のもの。この人の名前は、タイマーズの「あこがれの北朝鮮」でも出てきます。北朝鮮という国には深い関心をもっていたのでしょう。独裁者を嗤うというスタンスは、まさにロックンローラーの真骨頂といえます。


ローリング・ストーンズ「黒くぬれ!」。
ここでは、山口冨士夫、三浦友和、三宅伸治というメンツがそろい踏み。
あるインタビューで、ストーンズの好きな曲はと問われた清志郎がこれを挙げていました。そういうお気に入りの曲をチョイスしたということでしょう。

Paint It Black


「マネー」。
オリジナルはバレット・ストロングという人ですが、ビートルズがカバーしたバージョンのほうが有名じゃないでしょうか。私も、ほぼビートルズの曲として認識しています。
山口冨士夫、三浦友和、三宅伸治というメンツはここでもそろっています。

Money


ビートルズの名前が出てきたところで、最後にジョン・レノン「イマジン」。

Imagine

最近パリ五輪で、DJが「イマジン」を流して選手同士の小競り合いを収めたという話がありました。今なお、そういう存在であり続けている……これもまた、不朽の名曲である証しでしょう。



長崎原爆忌

2024-08-09 16:27:36 | 日記


今日8月9日は、長崎原爆忌です。

例年どおり、関連記事を書こうと思うんですが……

今年の長崎平和祈念式典では、ちょっとしたトラブルがありました。

イスラエルの大使を招待しなかったことで、欧米6か国が自国の駐日大使を式典に参列させないという措置をとったのです。

長崎市としては、「不測の事態が発生するリスクを避けるため」としていますが、その真意がどうあれ、結果としてある種の政治問題になってしまいました。

米欧側は「イスラエルをロシアやベラルーシと同列に見ていることになる」というふうに反発しているわけですが……少なくとも、ガザ侵攻に関するかぎり、そこはもう同列とみられても仕方ないんじゃないのかという気はします。
ここに至るまでの歴史的経緯を考えれば、イスラエルを単純に被害者とみることはできません。報復攻撃の権利を仮に認めるとしても、その後イスラエルがやっていることは度を越した過剰防衛のそしりを免れないでしょう。だからこそ、世界中で激しい反対運動が起きていたわけです。ガザをめぐっては、昨年イスラエルの閣僚が核の使用も「選択肢の一つ」と発言したりもしています(ただし、ネタニヤフ首相はこの発言を批判)。そういったことを考えると、今回の件はいろいろとひっかかりを感じるところが多く、後味の悪いものとなりました。本来、平和祈念式典というのはそういうものではないはずなんですが……戦争がいかに人間を狂気に陥れるかということが、今回の件で示されたんじゃないでしょうか。




広島原爆忌 2024

2024-08-06 22:32:10 | 日記

今日8月6日は、広島原爆忌です。

毎年このブログでは、関連記事を書いてるんですが……

今年はどういったことを書こうかと思っていたら、Youtubeでこんな動画を見つけました。


Long Time Ago

忌野清志郎がやっていたバンド、タイマーズの曲。
広島の原爆投下について歌った歌ですが、そこから反原発というテーマにもつながっています。今なお先の見えない福島第一原発のことを考えると、やはり清志郎の慧眼には感服させられます。

これまで忌野清志郎あるいはその関連バンドについては何度も取り上げてきましたが、どうやらYoutube上では清志郎関連作が時折新たにアップされているようで、以前はなかったと思われる動画がいくつか見つかりました。
ついでなので、そのなかからRCサクセションでやった「明日なき世界」を。

Eve Of Destruction

この曲は、以前一度紹介したと思います。
バリー・マクガイアの曲に高石ともやさんが日本語詞をつけたものがベース。破滅的な戦争の脅威を念頭においた歌であり、そこには核兵器の恐怖も当然含まれているでしょう。

余談ながら……動画の概要欄を見て気づいたんですが、この曲にはジョニー・サンダースが参加してるんですね。
この曲が収録されているアルバムCOVERSは大物ゲストが多数参加していますが、そんな人までいるわけです。
そして、このアルバムをめぐる騒動が、タイマーズにつながっているということで……いかに忌野清志郎という人がロックだったかということをあらためて感じます。
広島原爆忌の話に戻ると、原爆という負の記憶の風化に抗うことが、清志郎にとっては原発問題とも地続きになっていたわけです。
LONG TIME AGO では、原爆投下が「44年前」のこととして歌われますが、それからさらに時は流れ、今やもう80年近く前のできごと。核をめぐるここ数年の議論を見ても、記憶の風化は、いよいよ重大な問題になりつつあるのではないでしょうか。それに抗う原爆忌であってほしいと思います。



7周年

2024-08-04 22:32:46 | 日記


今日は、8月4日。

拙著『ホテル・カリフォルニアさの殺人』発売から7周年となります。

もう7年も経つのか……という感想です。

その間、こうやってブログをやったりといろいろやってきたわけですが……その甲斐あってというか、最近ちょっと新しい動きをいろいろと考えられるようにもなってきました。
具体的なアクションがある場合には、またお知らせできればと思っているところです。

……というわけで、今後ともよろしくお願いします。