植物と自然2 2月増大号 ムラサキ特集 1978 Vol 12 No.2 p53~54より転載
邦産ムラサキ園芸栽培の実際 伊賀達紀(著述・野草研究家)
2.採種
ムラサキの種子の完熟には、約80日を要する。種子の色が変化してくるが、どの色になった時が完熟を示すかを
正確に規定する事はできない。分枝に長らく附着していた種子の果皮は、白色に変色しているが、これは完熟が過ぎ
ている。長い蕚が濃緑から黄色に変色し始めた時を一応完熟の時として採種を行っている。黄色の順序は多
少不順の場合もあるが、だいたい開花の順にならっていて、1分枝上の種子が同時に熟することは無い。1個の花で
完全に分果をさせた場合は、4個の種子が得られるが、普通は2個のものがもっとも多く、蕚のみのもの、種
子中胚の発育不良のものがかなり混じる。特に一応生育を続け開花も終了した大株が、7、8月頃急に枯死した場合
に多発する。
例1
枯死年月日・・・・昭和52年7月15日
第1花(頂花) 開花日・・・・5月2日
同上 草丈....50cm
6月20日までの開花総数・・・・135個
採種した分果総数・・・・297個
以上の分果297個を水選してみると、
1.水底に沈下し、完熟を示すもの・・・・153個
2.浮上したため除去したもの・・・・144個
3.浮上した144個をヤットコで果皮を割る
イ、分果中がまったく中空のもの・・・・113個
ロ、胚の発育不良のもの・・・・31個
例2
昭和52年8月10日までに枯死したムラサキ7本について、頂花開花日、分果数、水選沈下数(完熟)、浮上および
浮遊した数について調査してみた。7本についてNo.1~No.7までの番号を付した。
ムラサキの番号 頂花開花日 分果数 浮上および浮遊 沈下数
No.1 5月3日 145 80 65
No.2 5月4日 450 208 242
No.3 5月6日 297 141 156
No.4 5月9日 99 40 59
No.5 5月17日 44 25 19
No.6 5月22日 23 10 13
No.7 5月22日 37 20 17
鉢植ムラサキの場合も、花に小形のものが多い関係上、未熟種子を多数生ずる。これらのものを播種する時は、特に
種子の選別に注意する。
邦産ムラサキ園芸栽培の実際 伊賀達紀(著述・野草研究家)
2.採種
ムラサキの種子の完熟には、約80日を要する。種子の色が変化してくるが、どの色になった時が完熟を示すかを
正確に規定する事はできない。分枝に長らく附着していた種子の果皮は、白色に変色しているが、これは完熟が過ぎ
ている。長い蕚が濃緑から黄色に変色し始めた時を一応完熟の時として採種を行っている。黄色の順序は多
少不順の場合もあるが、だいたい開花の順にならっていて、1分枝上の種子が同時に熟することは無い。1個の花で
完全に分果をさせた場合は、4個の種子が得られるが、普通は2個のものがもっとも多く、蕚のみのもの、種
子中胚の発育不良のものがかなり混じる。特に一応生育を続け開花も終了した大株が、7、8月頃急に枯死した場合
に多発する。
例1
枯死年月日・・・・昭和52年7月15日
第1花(頂花) 開花日・・・・5月2日
同上 草丈....50cm
6月20日までの開花総数・・・・135個
採種した分果総数・・・・297個
以上の分果297個を水選してみると、
1.水底に沈下し、完熟を示すもの・・・・153個
2.浮上したため除去したもの・・・・144個
3.浮上した144個をヤットコで果皮を割る
イ、分果中がまったく中空のもの・・・・113個
ロ、胚の発育不良のもの・・・・31個
例2
昭和52年8月10日までに枯死したムラサキ7本について、頂花開花日、分果数、水選沈下数(完熟)、浮上および
浮遊した数について調査してみた。7本についてNo.1~No.7までの番号を付した。
ムラサキの番号 頂花開花日 分果数 浮上および浮遊 沈下数
No.1 5月3日 145 80 65
No.2 5月4日 450 208 242
No.3 5月6日 297 141 156
No.4 5月9日 99 40 59
No.5 5月17日 44 25 19
No.6 5月22日 23 10 13
No.7 5月22日 37 20 17
鉢植ムラサキの場合も、花に小形のものが多い関係上、未熟種子を多数生ずる。これらのものを播種する時は、特に
種子の選別に注意する。