紫草(日本ムラサキ)の記

日本ムラサキの紫根は輸入品に頼っています。薬用また、染料として国産紫根の生産普及、流通を期待しています。

日本ムラサキ・定植開始

2020-05-30 14:39:39 | 薬草・薬用植物
「2020日本ムラサキ定植点描」
育苗疲れに陥った。
定植に踏み切っても良いのだが、最低気温10℃の予報を見てまた思い止まった。
5/25 地温は急速に下がるまいと定植をスタートした。


春苗ポット、小型スコップ、長柄スプーン

小型スコップはポットのサイズと同じ。深い穴にポットの培土を半分程入れる。
畑の土と混ぜ合わせる。


苗を引き出す。長い根だ。この培土で良く生育した。
穴の深さを長柄スプーンで見当をつける。

穴の上部へ。根は軽く振って、絡み合う根を解しておく。深植えにならない様に葉の位置を決める。

穴の周囲の土を丁寧に落とし込む。赤い根が隠れる位置まで土を寄せる。
波板で仕切られた小さな3角形が生育スペースである。


遮光ネットの下になる様に影を移動させる。

全体を遮光ネットで覆う。
土の湿気具合を見て、この作業をする必要がある。スコップで開けた穴が崩れては、厄介な事になる。
この状態であれば水をやる必要も無い。
定植作業は苛酷な仕事である。膝を屈して、腰を折ったり伸ばしたり、屈み込んでの仕事は辛い。
苗の活着は10日〜2週間もしないと判らない。
簡単には枯れないが、新しい葉が出るか茎が伸びるかしてやっとやれやれとなる。

   「このつちが あうかあわぬか とうかかん」
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日本ムラサキ・越冬の苗

2020-05-23 14:43:22 | 薬草・薬用植物
「畑にて冬越しの苗を発見」
昨年の春彼岸に新芽を見た苗床の苗は、今年、壊滅的な現状である。
定植時期も近くなり、最後に残るは筒栽培の整備である。
20個の筒があるが、中にはわずかに土が入っているだけだある。
投入用土の準備に一汗流す。筒を並べ直して新芽苗を発見。
8個の筒には、半分以上の土が入っていた。そこに秋苗が移してあったのだ。
筒はプラダンに黒マルチを巻き付けた手製の代物である。


これだけ筒の上に顔を出しているのに気付かなかった。
2本立ちである。


隣の筒である。芽は小さく数日前の新芽か?

黒のマルチが集熱力高いと思われる。

塩ビ波板の筒である。これは土が少なく、かなり深い場所である。
越年の苗は発芽とは言わず、新芽と呼んでいる。
室内で育苗中の発芽苗と比較して見ると一目瞭然の違いがある。


部屋から出して庭先に並べて、陽射しに当てて定植を待つ。 

苗総数は350個+𝜶である。天候不順で定植時期に躊躇している。
例年6月1日前後が当地では無難と判断している。
昨年は、ほとんどが畑の苗床であったので特に迷いは無かった。
ハウス栽培であれば、こんな心配や迷いは無いであろう。

    「いつになる ひとりだちする しこんなえ」


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日本ムラサキ、絶望の苗床

2020-05-16 16:31:18 | 薬草・薬用植物
「日本ムラサキ・畑の苗床発芽なし」
畑の苗床4ヶ所に変事が起きた。苗の芽が出ないのだ。
春先の気候の推移が時々逆転したのが原因かと思われる。

今日か明日かと日々見守ってきたが、想定外の事態を受止めざるを得ない。
定植時期は目前である。
4ヶ所も苗床を作った理由は、発芽しない苗床の経験があるからだ。
発芽しない原因は不明である。しかし、全滅の経験は初めてである。
苗床は生育した秋苗を含み4ヶ所準備したのだが、全て同様の事態となっている。
畑で自然に苗が育ってくれれば楽だからの思いが、裏目に出たのである。


晩秋に種を播いて春先の発芽を待ったが、遂にこの状況である。
3月に2、3の発芽らしき芽を見たが、それも消えてスギナのみの苗床となっている。
種はやや浅播きであったかも知れない。
厳寒期を越しての発芽であるから、霜柱で飛び出す深さではダメだと言える。


これは秋苗の新芽であるが芽を出しては、寒気で傷んだ様である。

同様の秋苗の新芽である。別の苗床であるが新芽の苗は3個である。
昨年はこの様な苗で苗床が一杯であった。5/17には定植をしていた。


これは、苗床とは別に秋の収穫で余りにも細く小さい紫根で、
翌年の生育を期待して植え替えておいた紫根の新芽である。
20本程を同様にして、冬を越したのだが、新芽を見せたのはこれ1本のみである。
越冬を前に根元に既に新芽を見せるのだが、それが無く首を傾げた記憶がある。


自宅室内にて育苗中の苗である。自宅室内での育苗は厄介である。
定植に備えて庭先にて時々陽射しに当てる。
最低気温が10°Cを越える日は外に出したままとなる。
給水はジョウロを使えるので、おお助かりである。
この苗に全てを託す事になった。

   「さいばいは これがさいごか さいんあり」
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日本ムラサキ・新栽培地開拓

2020-05-09 15:42:26 | 薬草・薬用植物
「野生仕立ての日本ムラサキ」
日本ムラサキの野生適地は「ススキの生える斜面」と何処かで読んだ記憶がある。
ススキの生える地は、日当たりが良い事を意味していると思われる。
また斜面は平地、窪地に対しての意味で湿気の残らない乾燥地の意であろう。
かつて野生の「紫草」を群落として見た人の記録と思われる。

栽培適地の条件とは、年々掛け離れて行く傾向にある。
栽培装置は自然の畑には、不似合いこの上も無い。
栽培は収穫を意味しているので、そこに工夫が生まれるのは仕方が無い。


何とか波板の上部まで土を入れる事ができた。
苗数約60本が定植可能である。
今までの作業で、他と異なるのは仕切り板が中央に1列通っている事だけである。
また、見た目では判らないが再投入した土の天地替えと踏み固めである。
土の踏み固めは、雨水を何とか含ませない事からの判断である。


早春から整備をしてきた隣の耕作放棄地である。
野生仕立ての群落作りを胸にしながら、この畑を見る事にした。
それが実現できるのではと、ふと考えた。傾斜地である。


中央部を掘って見た。畑の土である。荒野の土とは異なる。
表土を10cm程削ると良いのかも知れない。


苗数を数えると栽培用の畝をまだ10m2畝が必要である。
3年前に、この畑の下部南端で2畝の栽培を試みた事があった。
残り苗数を見て、大急ぎで畝を作り定植したのだった。
畝の地下深い様子は、確認の間もなかった。苗はよく育った。
しかし、収穫には困惑した。畝の下には大きな石が多数あったのだ。
紫根はその石を抱いて地下深く生育したからである。

畑地としての養分もあり、このままでは畝は簡単には出来そうも無い。
しかし、畑の上部は大きな石は無い様である。
苗があるなら何とか頑張らねばなるまい。

  「まにあうか なえのそだちと うねのでき」

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日本ムラサキ・定植準備(続3)

2020-05-02 19:35:28 | 薬草・薬用植物
「簡略、波板仕切り栽培装置セット」
この栽培装置はw型の波板なしのセットである。
w型波板が終わったので、手間を掛けないセットとなった。
地上部は20cm、25cmが地下とした。


園芸用語に「天地替え」と言う言葉がある。
畑で作物を栽培して、連作障害を避ける為に考えられた方法の様である。
普通の野菜などは、畑の表土15〜20cm位でそれ程深く根は張らないからであろう。
今までずっと栽培していた畑を、深掘りして見た。
掘り上げられた表土、草の根が沢山ある。


天地返しの下層の固い土、粘土質である。スギナの根が伸びている。

表土の下20cm以下は、硬く締まった地層である。
愛用のスコップが簡単には入らない。
紫根がこの層に入ると、根はタコの脚状になる。
この固い地層を崩して、柔らかくしてみたらどうだろうと思いつく。


掘り起こした後、踏んで固めて置く。
フワフワ状態ではこの上に、嵩高く土を投入しても締まった土の層とはならない。
大雨の際、水分を含み過ぎて紫根の生育に障害が出る事が予想されるからである。


波板のセットが一応確定した。更に土を入れて固定する事になる。
天地を返した表土を更に入れなくてはならない。
残された下層の土だけでは、セットが満杯にならない。
天地返しは、土を掘り上げなくとも、出来る工夫がありそうである。
波板のセットも平の波板だけなら、土を掘り出さずに挿し込む事が出来そうである。
このセットはまだ終了していない。午前、午後と作業を続けてダウンしてしまった。
老体には無理な作業であった。回復には時間がかかりそうである。

     「あいようの すっこぷつえに かえりみち」
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