紫草(日本ムラサキ)の記

日本ムラサキの紫根は輸入品に頼っています。薬用また、染料として国産紫根の生産普及、流通を期待しています。

2018.紫根掘り

2018-10-24 19:50:39 | 染料栽培
「2018.紫根の生育結果を調べる」
紫根の収穫作業は初霜が来てからと決めているが・・・。
どうも生育結果が気になる。土の様子を含め数本掘り出して見る事にする。
特に気になるのは、初めての栽培である東隣の畑である。
高い畝を作ったのだが苗数に合わせ急遽、幅を広げた記憶がある。
7〜8月の日照りと水不足の影響も心配であった。


畝のムラサキにスコップを入れるが土が固くて使えない。
石かと思ったが周囲、どこも固い。
石もあったが耕作してない層に根が伸びている様である。
畝幅を広げたので、切り返した畝の土は、浅い畝となったのである。
またこの状況は、7〜8月の日照りと水不足の状況と同じ状態と思われる。
紫根の収穫は、この層が水分を含む時期を待つ必要がある。



赤い根を見て、まず何より安堵する。この色がなければ染料にならない。
スコップが使えなければツルハシに頼るより他ない。
大きな石かと思ったが水分を失った粘土層であった。
紫根が大きな土塊を抱えている。棒で叩き、土塊を崩して紫根を取り出す。
この畑は初めての栽培なので、これを奇貨とするより他ない。



場所により紫根の生育状況が異なる。3態、共に貴重な収穫である。
土の神に手を合わせなくてはなるまい。
畝作りが、急こしらえである証も受け止めなくてはなるまい。


洗って、まずまずの生育と見て納得する。
早速に、2〜3cmのサイズにカットして乾燥させる。
乾燥させてからのカットは、固くて手に負えないからである。


紫根の太さは、染料としては5mm以下のサイズが使いやすい。
太いとグラム数は多いが、表皮の染料部分がそれ程多い訳ではない。
肉厚な部分に染料が吸収される分を考えるとお得とは言えない。


この選別は、謂わゆるクズ根で捨てる代物である。
しかし、染料を抽出して見るとかなり効果的な染料が出る。
経験上このサイズを細根として珍重している。
紫根の収穫時期は、11月中旬頃に先送りとなりそうである。

   「つるはしの おもさにまさる いろえたり」
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日本ムラサキ、採種・考

2018-10-19 18:56:56 | 染料栽培
「ムラサキの種子を採る時期到来」
比較的気温が高く、降雨もありムラサキの花はまだ咲き続けている。
茎の先端が伸びている証でもある。
紫根も生育中と見て良いであろう。
しかし、当地では最高気温が15℃を下回り最低気温10℃を切る様になる。
紅葉便りとともに、多くの株の中で葉が黄葉し始める茎が出てくる。


葉が黄変すると、生育はストップし黄緑の葉の先が枯れてくる。

種も下部から黒い種となり、灰黒色、褐色となる。

最上部は緑色の種で完熟は望めない。
褐色の種が多いが完熟の目安は、種が外に反り返る様子で判断する。


白い種は、完熟後に日が経過するに従って出てくる。
中には急速に痛んだ種が白くなる場合もある。


完熟し、白くなった種は小さな衝撃でも落ちこぼれる。
こうした種が出る前に枝を切り、種の採種をする。


 終花一輪。
多くの種子を集めたいが、良い種を揃い集める必要がある。
一番最初に咲いた花の種と、2週間前に花弁を落として結実した種がある。
同じ枝で3ヶ月の差がある。完熟した種でも1ヶ月以上の差を持っている。
かなり遅れて発芽してくる種の原因はこんな処にあるのかも知れない。
枝上部は切り捨て、完熟種も褐色の種と灰黒色の違いで切り分ける。
切り集めた枝は1日乾燥させて、種を落とす作業をする。

  「こだわりて すみをつつきて たねあつめ」
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日本ムラサキ、栽培サイクルを探る(続)

2018-10-12 18:40:16 | 染料栽培
「秋苗、その後の生育」
9月末から10月に掛けて比較的気温が高く、何より雨が多かった。
それ故、秋苗は順調に生育中である。
困ったことに、ムラサキばかりでなく他の草々も芽吹いて大きくなる。
霜が来れば、枯れる草であるが気になって仕方がない。
籾殻を掛けてみたが余り効果はない。


ブロック内、やはりスギナが気になる。
引き抜けるスギナは、わずか1節を取り残した根からの芽であった。


苗床のムラサキの現状である。

大きく生育した苗。

最近発芽したばかりの苗、生育の差は致し方ない。
課題はどれが、厳寒の冬を越して春の芽を見せてくれるかである。


ブロック内、籾殻より敷き藁の方が雑草除けには効果があるか?
あいにく藁束は手に入っていない。土手の葦をカットして敷いてみる。


手前から苗床、ブロック内の苗。
奥は花も終わり、間もなく掘り出されるムラサキ。
3形態が緑を保っているが、秋苗の試みは自生のムラサキには有り得ない。

  「むだごとと しりつつのぞむ ののくさや」
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