物価と賃金がいずれも上昇傾向にあることから、4月から年金の支給額が4年ぶりに上がる。とはいってもその額は、0.1%とすずめの涙ほど。
年金の支給額は、物価や賃金に応じて上がることとなるが、年金の財政基盤強化のため、物価や賃金の上昇よりも低く抑える「マクロ経済スライド」があり、本来0.6%の引き上げとなるところが、今回は0.1%に抑制された。
老後の生活を支えるのは年金だけ。高齢者のあげる老後の不安の第1は老後の生活費。これから、物価や賃金は増加の一途をたどることだろう。だが、それに相当する年金支給額の引き上げは、名目上は上がるが、実質は、物価や賃金の上昇との間に大幅なかい離ができる。
デフレのあとで来るであろうインフレは、大幅な物価の上昇も予測され、年金生活者を直撃することだろう。これからが不安でならない。もう長生きはしたくないと言いたくもなる。