「木下黄太のブログ」 ジャーナリストで著述家、木下黄太のブログ。

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我が子の被曝を懸念するが、妻に受け入れられない男たちへ、台湾からの光明。

2013-03-06 00:27:27 | 福島第一原発と放射能

3/20(水・祝)木下黄太講演IN横浜 

「健康被害の現状と放射能防御~事故から二年が過ぎて」 

18:30開場、19:00開始(~21:00予定) 

関内ホール<小ホール> 主催 横浜子供の会 

申込→http://kokucheese.com/event/index/78824/

 

 一昨年の秋に首都圏から、台湾の台中市へ避難、移住された男性がいらっしゃいます。小学生のお子さんと一緒に避難されました。原発事故以降は、福島産の農産物を避ける程度はされていて、群馬、茨城とかの野菜、肉、卵なら食べておられたそうです。ご本人にいくつかの身体症状かと思われる状態があったそうです。しかし、奥様と放射能の話をされても分かり合えず、男性からみると、奥様は、所謂「安全厨」的な方だそうです。

男性はお子さんの健康に配慮されて、お子さんとお2人だけで台湾に行かれたそうです。ビザを取られて、子供は台中の学校に通わせているそうです。

僕は健康相談や、台中に伺った時にお会いする可能性があったのですが、日程があわずにお会いはしませんでした。その時に奥様から、親権を巡って裁判になっているお話はなんとなく伺っていました。親権というのは考え方が難しく、大概は、母親が圧倒的に有利なケースが多いですし、被曝避難という現象を、どういうふうに台湾当局が考えるのかは今後の参考になる話です。

しかも、実は、子どもを放射能避難させたいのに、それを阻まれて苦悩する夫たちという存在は、僕はずっと深刻な相談を聞き続けています。日本国内で、法的に親権で勝てる可能性は極めて低く、男たちにとって、我が子を守りたいという想いを、妻という驚異の壁に阻まれる現実があるからです。

女性たちよりも、遥かに深刻で、追いつめられる、男たち。こうした突破口が台湾から聞こえてきたことは、わずかな光明になるかもしれません。


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http://japan.cna.com.tw/Detail.aspx?Type=Classify&NewsID=201303040002

「原発怖い」台湾に避難した夫、妻に娘連れ去りで訴えられる
2013/03/04 15:58:51

(台中 4日 中央社)2011年の福島第1原発の事故を受け、幼い娘を連れ単身で台湾に避難してきた日本人男性が、2人の台湾暮らしに反対する妻と裁判を争い“在台権”を勝ち取った。台湾紙「聯合報」が4日付で報じている。

被災地からほど近くに住んでいたというこの男性は、事故発生の年の11月、食品などへの放射能の影響が心配だとして、妻ら家族の反対を押し切り、仕事を辞め7歳の娘を連れて台湾に避難、今は中部の台中市で暮らしている。

昨年2月に娘の様子を見に来た妻は、言葉の通じない環境で友達もおらず寂しそうにしている娘を目にし日本に連れ帰ろうとしたが、夫がこれを拒否したため台中地方裁判所に提訴、夫には様々な問題があり、娘に対する保護者としての権利を直ちに停止して欲しいと訴えた。

妻側は、自分が父親から受け継いだ遺産2000万円分を夫に持ち逃げされ、また提訴を取り下げなければ娘を連れてフィリピンに逃げると脅されたなどと主張したが、台中地裁では、現在小学校3年生になる女児は現地の学校にもなじんでいるとして、女児の生活の安定性を重視。裁定により、妻は毎月来台し娘と面会することができるが、夫の了解なしに娘を連れ台湾を出てはならないとされた。

原発事故の影響は数十年単位で続くと主張する夫は、今後は台湾に避難する日本人がさらに増えると思われるので移民仲介業で生計を立てるつもりだと述べ、妻にもぜひ台湾に来て欲しいと希望している。

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「被災地からほど近くに住んでいた」というのが、まず首都圏ということです。また「遺産2000万円分を夫に持ち逃げされ」は、事実関係が多少違うというご本人のお話はありました。しかし、概ね、このとおりだそうです。

この話が大きいのは、お子さんがきちんと台湾の学校になじんでいる状況を重く考えた台中の裁判所が、この男性がお子さんと台湾に留まることを認めたことです。被曝影響をどう考えるのかということが、大きくマイナスにはならず、彼とお子さんの生活実態が台湾で確立していることで、妻が子供を台湾外に勝手に連れ出すことはできなくなったという判断です。

もちろん家庭事情とか、そのお子さんがどういう状態なのかとか、いろんなことが影響すると思います。ビザの内実なども含め。しかし、これは、被曝避難と言う事。さらに父親が主導し、母親が反対し取り戻そうとしている構図でも、留まることが認められたという事なんです。

いろんな意味で、女たちよりも、さらに男たちの内実の苦悩は、この原発事故を巡って、本当は深いと僕は認識しています。そして、この話はそうした男たちの中、ある人々にはエールとなるものなのだと思います。久しぶりの嬉しい話として、書くことに致しました。

追伸

「判決文は実は受け取ったばかりなのです。地裁が裁定した内容は、記事の通りだと思います。しかし、私が知るより先に、なぜ新聞に出ているんだろう?」というのを、ご本人から伺っています。台湾は、先に新聞に出るのでしょうか。これは、面白い。判決文は後で受け取ることは多いんですけど。

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富山ではいくつかの新聞が「ガレキ阻止大会」を報じています。

上は『毎日新聞』、下は地元紙の『北日本新聞』です。

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健康被害と思われる症状が、深刻化しています。報告相談はまずメールを。 

 

 僕のメールアドレスnagaikenji20070927@yahoo.co.jp(コピーして貼り付けて下さい)

 

 講演など、何か業務的な依頼をされたい方も原則このメール⇒電話でお話しする順番です。 

 

  事故発生当時の行動記録や数値データなどを細かく教えてください。問い合わせの内容も書いてください。 健康被害の状態を皆で共有化し、事態の推移をあきらかにしていく作業が最も必要です。

 

  「関東・南東北の被曝エリア(東京全域を含む大半のエリア)にいる皆さんは、放射性物質の少ないエリア、できれば愛知県から西のエリアに、移住するべきです。妊婦、子供、未成年、妊娠可能な女性は優先して移住すべきです。他の皆さんも極力移住してください。被曝から二年近く経過しています。初期被曝は深刻で、慢性被曝の影響がさらに危険です。食物、飲料のみならず、吸気による被曝も軽視できません。回避する方法は限定的です。あなたやあなたの家族の命が何よりも大切です。一刻も早く移住してください。」 

  甲状腺の検査、甲状腺のエコー検査、さらにふつうの血液検査のうち、 血液像の検査(白血球、特に好中球)や異型リンパ球の確認、大人の女性はサイログロブリンの 数値も確認した方が良いと思います。

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木下黄太講演IN横浜
「健康被害の現状と放射能防御~事故から二年が過ぎて」

 

3月20日(水・祝) 18:30開場、19:00開始(~21:00予定)
関内ホール<小ホール>
 JR関内駅 北口 徒歩6分、市営地下鉄関内駅 9番出口 徒歩3分
 地図 http://kannaihall.jp/access/
定員 260名(予約優先)
託児はありません。ベビーカーのおあずかり不可。
主催 横浜子供の会

申込→http://kokucheese.com/event/index/78824/

 

*参加費:おひとり(中学生以上)1000円。当日お支払いください。なるべく、お釣りのいらないようにお願いします。
*申し込みは、中学生以上はお一人ずつ行って下さい。
*同伴の小学生がいる場合、小学生と書いて、メッセージ欄に、その人数を明記して下さい。なお、幼稚園児以下はお膝でお願いします。これも、幼稚園児以下と書いて、人数を明記して下さい。
*申し込み完了メールが予約票の代わりとなります。携帯画面かプリントアウトして当日、受付にて、ご提示ください。
*全席自由。
*キャンセルされる方は、必ず、こくちーずのキャンセル画面にて手続きを行って下さい。問い合わせのメールフォームからキャンセルできません。