静岡駅から梅ケ島温泉へは、バスで2時間ほど。なぜ、山中なのに梅ケ島という名なのか、不思議です。この場所は、安倍川の源流付近でとても山深い場所、交通の不便な場所を「陸の孤島」と呼ぶように、昔は行くのに、たいへん難渋するので、島という名前が付いたのかも知れません。安倍川に沿って走る道をさかのぼっていくのですが、大昔は身延の方から安倍峠ぬけていくのが主流だったそうです。
初日は、梅ケ島温泉から徒歩40分ほどの「安倍の大滝」を見物して宿に行く予定でしたが、9月の台風による土砂崩れで、道は通行止めになっていました。それで、現在車両は通行不能の安倍峠、身延にぬける林道を30分ほど歩いてみました。台風による土砂崩れが何十個所とあり、復旧させるには数年かかる。まあ、この不景気な状況で復旧させる予算はないだろうから、廃道化するのじゃないかと思いました。
さて、一枚目の写真は梅ケ島温泉にある湯之神社に架かる橋の上から撮ったものです。周りは急斜面の山に囲まれており、植林に適さない地形のようです。そのため、紅葉を楽しめる景色が残されたのだと思いました。二枚目は、新窪乗越から大谷崩の中の道で撮ったものです。大谷崩は、1707年に起きた大地震により崩壊してできたもので、日本三大大崩の一つだそうです。残りの二つは、富士山の大沢崩れ、静岡県の大崩海岸という説と、富山県の鳶山崩れ、長野県の稗田山崩れという説がありました。後者の説の方が他県にあるので、すわりがよさそうな感じがします。