上の写真を見て、たぶんつまらない写真だと感じるかと思います。ちょっと一瞥しただけで、終わってしまうかもしれません。しかし、このけもの道は、シカが何十年と通っていることがわかります。道をふさぐように横たわる、苔むした倒木が、20cmぐらいの幅で消えています。これは、シカの蹄で磨り減らすというか、削っていったのでしょう。ここまでくるのに、相当の年月が必要だと思います。そう考えると、この道にとても親しみを感じるのです。
ところで、人間のものではない幅の狭い踏み跡が、森の奥へと続いている道が、だいたいけもの道です。そこをあえて歩いて行くのですが、だいたい錯綜していて、途中で見失い、適当に歩いて、また登山道にもどるのですが、下手すると遭難の危険性もあります。もし、けもの道をたどってみようと、興味をお持ちになりましたら、常に地図で自分の位置が把握でき、安全な地点に戻れるという確信のある場所で、けもの道を探ってみてください。