ケインズは「雇用・利子および貨幣の一般理論」に「穴を掘ってそれを埋める仕事でも失業手当を払うよりも景気対策として有効だ」と書いた。あるいはこれは誰が言ったのか知らないが「ヘリコプターから現金をバラ撒けば景気は良くなる」という言葉もある。経済学をよく知らない私はこれらの言葉から経済学を馬鹿にしていた。ホモ・エコノミクス(経済合理性に基づいて個人主義的に行動する人間)という仮説と併せて経済学とは哲学以上に空理空論が横行すると思っていた。
これは私の無知だった。後者はともかく前者のケインズの言葉には大切な前提条件が付いていた。「失業者が多い時は」と。つまりこれはあくまでカンフル剤だ。一時凌ぎの対策のことだった。
医療も同じだ。人を切ったり毒物を飲ませたりすべきではない。しかし非常時はそうではない。内臓を切り取ったり薬=毒を飲ませたりする必要が生じる。たとえ有害なことであろうとも非常時には必要な措置だ。
戦争は良くない。しかし必要な戦争もある。ナチス・ドイツが侵略を始めた時、イギリスは平和裏に解決しようとして介入しなかった。そのうちにドイツは侵略地から資源を獲得して強国になってしまった。そのためにイギリスは強国となったドイツと戦う破目になり第二次世界大戦を招いてしまった。
悪政が許されるのは一時凌ぎに限られる。悪政を続ければ国が破綻する。大切な前提条件を無視して無駄な公共事業を続ければ国の借金は雪だるま式に膨らんでいずれは大増税が必要になる。
ケインズの経済理論として「乗数効果」という言葉がある。収入を得た人が消費をすればそこに新たな収入が生まれるからその効果がさざ波のように広がるというものだ。
しかし穴掘りと東海道新幹線を比べてみよう。穴掘りは付加価値を生まない。しかし東海道新幹線は巨大な付加価値を生んだ。仕事もレジャーも活性化された。無駄な公共事業は最小の乗数効果しか生まないが、有効な公共事業なら乗数効果を最大化することができる。
無駄な公共事業は高齢者を狙った詐欺と大差は無い。詐欺でさえ乗数効果を生む。しかしこれを有効な経済活動と考える人などいまい。「ある」「ない」で評価すれば何であろうとも経済効果はある。大切なのはどれだけ大きな効果が生まれるかということだ。
これは私の無知だった。後者はともかく前者のケインズの言葉には大切な前提条件が付いていた。「失業者が多い時は」と。つまりこれはあくまでカンフル剤だ。一時凌ぎの対策のことだった。
医療も同じだ。人を切ったり毒物を飲ませたりすべきではない。しかし非常時はそうではない。内臓を切り取ったり薬=毒を飲ませたりする必要が生じる。たとえ有害なことであろうとも非常時には必要な措置だ。
戦争は良くない。しかし必要な戦争もある。ナチス・ドイツが侵略を始めた時、イギリスは平和裏に解決しようとして介入しなかった。そのうちにドイツは侵略地から資源を獲得して強国になってしまった。そのためにイギリスは強国となったドイツと戦う破目になり第二次世界大戦を招いてしまった。
悪政が許されるのは一時凌ぎに限られる。悪政を続ければ国が破綻する。大切な前提条件を無視して無駄な公共事業を続ければ国の借金は雪だるま式に膨らんでいずれは大増税が必要になる。
ケインズの経済理論として「乗数効果」という言葉がある。収入を得た人が消費をすればそこに新たな収入が生まれるからその効果がさざ波のように広がるというものだ。
しかし穴掘りと東海道新幹線を比べてみよう。穴掘りは付加価値を生まない。しかし東海道新幹線は巨大な付加価値を生んだ。仕事もレジャーも活性化された。無駄な公共事業は最小の乗数効果しか生まないが、有効な公共事業なら乗数効果を最大化することができる。
無駄な公共事業は高齢者を狙った詐欺と大差は無い。詐欺でさえ乗数効果を生む。しかしこれを有効な経済活動と考える人などいまい。「ある」「ない」で評価すれば何であろうとも経済効果はある。大切なのはどれだけ大きな効果が生まれるかということだ。