俗物哲学者の独白

学校に一生引きこもることを避けるためにサラリーマンになった自称俗物哲学者の随筆。

不老

2014-01-13 13:30:59 | Weblog
 アンチエイジングとして行われていることの大半は「若く見せる」ということに過ぎない。これは大変な間違いだ。大切なのは若く見せるということではなく若くある=老化を遅れさせる、ということだ。
 健康そうに見せるよりも健康であること、賢そうに見せるよりも実際に賢いことのほうが重要であることに誰も異存は無かろう。アンチエイジングにおいてはこんな常識が忘れられている。
 ケネディ大使のシワの多さは非常に目立つ。母親のジャクリーヌ譲りの美貌であるだけに余計に惜しまれる。大半のアメリカ人ならアンチエイジング治療を行うだろうが敢えて行わないのは彼女がその有害性を知っているからだろう。ホルモン療法によって肉体的にも精神的にも若返る効果があるらしいがそれによって癌の発症率は顕著に高まるそうだ。
 ドーピングをすれば一時的に身体機能を高めることができる。しかしそれによって選手生命だけではなく生命そのものをも危険に晒すことになる。カンフル剤は所詮一時的な効果でしかなく、長期的に使用すれば悪影響のほうが大きくなる。
 健康のために重要なのは栄養と運動と休養だろう。薬や化粧品は有害物だ。「持つ(have)」ことよりも「である(be)」ことのほうが重要だが、これらと比べて「であるように見せる」ことの価値は遥かに低い。虚栄のために人は何と多くの無駄遣いをしていることだろうか。

失われた歴史

2014-01-13 13:11:10 | Weblog
 1940年にこんな「欧州新経済秩序」が発表された。「ヨーロッパの通貨を統一して金本位制から脱し、ヨーロッパ域内のヒト・モノ・カネの移動を自由にする。」
 これはユーロの先駆だ。ユーロの理念を半世紀以上も前に世界に発信したのは、なんとナチスだった。
 ナチスにはしばしば驚かされる。こんな素晴らしい政策があったのか、と。そうでなければ第一次世界大戦の敗戦国が僅か25年で最強国になれる筈が無い。
 我々はナチス=悪という図式で教えられている。だから悪いことしかしなかったと思い込んでいる。しかし国際経済政策に関しては、戦後にアメリカを中心にして築かれてその後破綻したブレトンウッズ体制よりもナチスの政策のほうが遥かに優れていたことは歴史が証明している。アメリカが金本位制を放棄した「ドルショック」は1971年のことだ。
 私は大日本帝国の歴史を殆んど知らない。これから勉強しようと思っている。なぜ文明から取り残されて資源にも恵まれない極東の島国が僅か半世紀で先進国の仲間入りをできたのか、私が持っている知識では理解できない。学校で教えられた歴史は「戦前の日本は軍国主義の暗黒時代だった」の一点張りだ。歴史に対しても是々非々の姿勢が必要だ。
 退職後の勉強で分かったことが少しだけある。最も「戦犯」の名に値するのは新聞社だということだ。新聞が大衆の好戦気分を煽ったから政治家も軍部も「民意」に逆らえなかったということだ。当時は今以上に政治思想が未熟だったために民主主義とポピュリズムを区別できなかった。「民意」は常に正しいとするのが当時の民主主義だった。
 新聞社による犯罪的行為を隠蔽するために新聞は自らの意思で言論を統制している。つまり戦前・戦中の歴史をファンタジーに変えている。中国・韓国と同様、新聞が伝える近現代史も史実ではなくファンタジーだ。なお当時最も好戦的だったのは朝日と毎日だったと言われている。