俗物哲学者の独白

学校に一生引きこもることを避けるためにサラリーマンになった自称俗物哲学者の随筆。

XP

2014-01-25 10:04:37 | Weblog
 先日、パソコンを買い替えた。WindowsXPのサポートサービスが4月9日に終了するからだ。空騒ぎになるかも知れないとも思っていた。2000年問題の時、職場では大騒ぎをしていたが実際には殆んどトラブルは発生しなかった。
 買い替えを決意したのは、最近特に調子が悪かったからだ。フリーズ対応している時間のほうがサクサク動いている時間よりも長かったので、騙し騙し使うよりもこの際買い替えたほうが得だと考えた。
 しかしヴァージョンアップは思ったほど簡単ではなかった。
 私はIT機器の扱いは決して苦手ではない。それは機械の指示に素直に従えば良いからだ。ところが今回は商品添付のマニュアルと機械が違う指示を出したために行き詰ってしまった。あとから分かったことだが、これは実はどちらでも良いことだった。そんなことを知らないからこれまでに使っていたIDなどを探し回ったりして全く無駄な時間を費やした。これらは結局必要無かった。
 以前にパソコントラブルのためにプログラムを初期化した時もサポートセンターに脅されて過剰な反応をしたものだ。専門家は最悪を想定して滅法細かく指示をするが実際はかなりいい加減でも充分に対応できたことが、これも後になってから分かった。
 多分、WindowsXPを使っている人は少なくなかろう。どうせヴァージョンアップするのなら早目の対応をお勧めしたい。3か月前でも電話相談の待ち時間はうんざりするほど長かった。多分、消費増税直前の3月末には大混乱になるだろう。いずれ必要なものなら早目に買ったほうが結局、長く使える。Windows8.1のサポートサービスが打ち切られるまでに故障して使えなくなる可能性はかなり低いから早く買い替えるほど長く使えるだろう。これまでと違うメーカーにしたこともあり使い方が若干違うので当初は少し戸惑ったが操作性は大幅に向上した。

群居本能

2014-01-25 09:34:54 | Weblog
 500万年前の猿人の時代から人類は群居生活を続けている。多分、30万世代にも亘るだろう。当然、人類は群居生活に適応する。つまり群居動物に相応しい本能を身に付けることになる。集団としての利益を守ろうとすることこそ群居本能の現れだ。
 個体の利益と集団の利益は必ずしも一致せずしばしば矛盾する。この矛盾に対応するために人類は高い知性を獲得したのではないかとさえ私は考えている。
 集団の利益を守るために必要なことは異端者の排除だ。例えば鴉は仲間が攻撃されれば集団で反撃する。この時、反撃に参加しない者がいれば、彼は仲間からは守られているのに仲間を守るための危険を冒さないのだから、生存の可能性が高まる。こんな個体が増えれば鴉の共同社会が滅ぶのでこんな変種は群から排除される。変種を識別するために必要なのが高い知性だ。個体を特定して彼の貢献と裏切りを正確に記憶しなければ信賞必罰はできない。
 人類が恩と恨みに対して敏感なのは味方と敵を識別するためだろう。恩や恨みは貸借関係として長く記憶される。恩返しとは違って、恨みを晴らすことは必ずしも公認されてはいないが合法的な手法であれば許容される。忠臣蔵や半沢直樹が人気を集めるのは人類には群居本能から派生した報復欲が備わっているからだ。
 群居本能があるからこそ思いやりや労りの感情が生まれるのだが群居本能は諸刃の剣だ。当たり前の話だが群居本能は知性ではない。だから有害なものだけではなく異質なものの総てを嫌う。自分達と異なる者を異端として排除しようとする。民族であれ宗教であれ、少数者を差別する。これは群を同質化しようとする群居本能の暴走だ。差別やいじめは本能に基づいているからこそ解決が難しい。