タイでは内紛が続いている。デモ隊はインラック首相の辞任を要求している。日本ではその背景が殆んど報じられないのでただの暴動と思われ勝ちだが、どうやらコメが原因らしい。
昨年の夏頃までは報じられていたコメの高値買取制度が問題だ。正確にはこれはコメを担保にした融資制度だ。ところが融資額がコメの市場価格よりも高いために多くの農民が返済をせず、担保にされたコメを政府が大量に引き取ることになり作夏の時点で2000万tもの在庫になっていたらしい。高値のコメは輸出競争に耐えられず、前年は世界シェアの29%を占めていた輸出量が2012年には17%にまで激減して、それまで31年間続けていたコメ輸出量世界一の座を明け渡すことになった。これは国家経済の危機だ。
この奇妙な政策の狙いは貧しい農家を支援して貧富の格差を縮小しようという崇高な目的とされているが、人口の6割を占める農民に対するバラ撒き行政とも思える。だからバンコク市民は怒っている。これは農村と都市の利害対立だ。しかし6割を占める農民票があるから選挙になればインラック政権が負けることは無い。
多数決の矛盾がモロに出ているためにマスコミはこのことに触れようとしないのだろうか。6割の農民と4割の非農民の利害が対立した時に6割を占める農民の利益が優先されるのが多数決だ。しかしそれが明らかに国益に背いているためにタイの経済は大混乱に陥っている。
中東ではシーア派とスンニ派などによる権力争いがある。多数派が権力を握れば少数派は冷遇されるから内紛になる。
アフリカでは部族間対立が深刻だ。旧植民地単位で独立国となったために、習慣も言葉も異なる複数の部族が1つの国を構成する。多数決で多数者が権力を握れば排斥される少数者は独立運動を起こすだろう。
中国では漢民族が9割を占める。仮に多数決によって民主的に決めてもチベットやウィグルの意向は反映されない。
多数者が権力を握るという仕組みは大きな矛盾を抱えている。多数決とは多数者が少数者を犠牲にして利益を独占するシステムだ。
昨年の夏頃までは報じられていたコメの高値買取制度が問題だ。正確にはこれはコメを担保にした融資制度だ。ところが融資額がコメの市場価格よりも高いために多くの農民が返済をせず、担保にされたコメを政府が大量に引き取ることになり作夏の時点で2000万tもの在庫になっていたらしい。高値のコメは輸出競争に耐えられず、前年は世界シェアの29%を占めていた輸出量が2012年には17%にまで激減して、それまで31年間続けていたコメ輸出量世界一の座を明け渡すことになった。これは国家経済の危機だ。
この奇妙な政策の狙いは貧しい農家を支援して貧富の格差を縮小しようという崇高な目的とされているが、人口の6割を占める農民に対するバラ撒き行政とも思える。だからバンコク市民は怒っている。これは農村と都市の利害対立だ。しかし6割を占める農民票があるから選挙になればインラック政権が負けることは無い。
多数決の矛盾がモロに出ているためにマスコミはこのことに触れようとしないのだろうか。6割の農民と4割の非農民の利害が対立した時に6割を占める農民の利益が優先されるのが多数決だ。しかしそれが明らかに国益に背いているためにタイの経済は大混乱に陥っている。
中東ではシーア派とスンニ派などによる権力争いがある。多数派が権力を握れば少数派は冷遇されるから内紛になる。
アフリカでは部族間対立が深刻だ。旧植民地単位で独立国となったために、習慣も言葉も異なる複数の部族が1つの国を構成する。多数決で多数者が権力を握れば排斥される少数者は独立運動を起こすだろう。
中国では漢民族が9割を占める。仮に多数決によって民主的に決めてもチベットやウィグルの意向は反映されない。
多数者が権力を握るという仕組みは大きな矛盾を抱えている。多数決とは多数者が少数者を犠牲にして利益を独占するシステムだ。