俗物哲学者の独白

学校に一生引きこもることを避けるためにサラリーマンになった自称俗物哲学者の随筆。

ぬるま湯

2014-01-09 10:16:18 | Weblog
 JP(日本郵便)の民営化後の「過酷な」業務が報道される度に呆れる。JPのぬるま湯体質、そしてそれをぬるま湯と感じない報道機関の姿勢は元民間企業人には理解できない。
 朝日新聞によると「配達の遅れが常態化している」のは「配達員の人手不足が理由」(どちらも8日付け朝刊)とのことだ。こんな馬鹿な理由を容認するのはなぜだろうか。一方には「官業」に対する甘やかしがあり、もう一方には郵政民営化に対する反発がある。JR北海道によるデタラメ営業を「人手不足が理由」と認める気だろうか。これほどまでに怠慢に対して寛大な記事は殆んど見たことが無い。
 「朝日新聞の調べでは(中略)少なくとも全国6ヶ所の郵便局でこうした実態が確認された」そうだ。たった6郵便局での怠慢を根拠にして郵政改革が誤りだったと決め付けるような論法は全く理解不可能だ。このわずか6局での怠慢ぶりをあたかもJPの欠陥であるかのように報じるのは非常識だ。
 JP社員の自爆営業も彼らのぬるま湯体質の現れだ。彼らほど換金し易い商品を扱っている事業者はいないだろう。だから正当な努力をせずに安直な方法で責任逃れをしているだけだ。
 宝石店の店長ならどうやってノルマを達成するだろうか。親類縁者は勿論のこと、あらゆるツテを使って正当な営業努力をする。彼らには自爆営業のような馬鹿な手法は使えない。金の地金ならともかく宝石の換金性は驚くほど低い。ノルマを達成するために自分で買っていればすぐに破産してしまう。だから地道な営業活動が絶対に欠かせない。JP社員に自爆営業が横行するのは、換金性が高いからわざわざ努力するよりも自分で買って横流ししたほうが楽だからに過ぎない。こんな甘ったれに同情する必要など全く無い。
 普通のことでも甘やかされた人には地獄と思えるだろう。こんな甘ったれ揃いだから公務員は金食い虫になる。努力を正当に評価する厳しい企業をマスコミはブラック企業と非難するが、そんな記事を書く記者およびそれを報じさせる上司はぬるま湯にどっぷりと浸かった甘ったれだ。

安全運転

2014-01-09 09:41:48 | Weblog
 交通ルールを守れば周囲も本人も安全だ。交通ルールを守らなければ周囲にとっても本人にとっても危険だ。交通ルールを守ることは社会のためであり本人のためでもある。
 当たり前のことをわざわざ書いたのはルールやしきたりが本来そういうものだからだ。ルールやしきたりは単に秩序を守るためだけではなく本人を守っていることが少なくない。暴走族のようにルールを破る人は他人にとって危険なだけではなく、自らを危険に晒している。
 本来ルールは共同体のためにある。つまり個人と社会の双方のために定められる。しかし作り方に問題がある。
 1個のケーキを二人で分ける場合、両者が少しでも多く取ろうとすれば争いになる。これを公平に分配する方法がある。一方が分割をして他方が先に選ぶ。こうすればどちらも文句を言えない。ところが現状はそうではない。最初からケーキを不公平に切ってそれを切った人が先に取る。これでは公平に分けられない。ケーキを割る人と選ぶ人は別であるべきだ。
 政治とは利益集団の対立だろう。集団の利益を守ろうとする人が法律を作ってもその集団のための法律であって国民のための法律ではない。司法が違憲立法審査権を持っているのは立法府の暴走を防ぐためだ。
 しかしそれでも不充分だ。政治資金規正法は「政治家の政治家による政治家のための法律」だ。違憲性は無いが抜け穴だらけの悪法だ。政治家を規制するための法律を政治家に作らせることが根本的に間違っている。違法にはならない脱法が初めから準備された欠陥法だ。こんな法律は国民審査を受けるべきだろう。