俗物哲学者の独白

学校に一生引きこもることを避けるためにサラリーマンになった自称俗物哲学者の随筆。

右派

2014-02-15 10:18:06 | Weblog
 政治としての右派と歴史観としての右派は区別される必要がある。政治は既に右傾しているから政治的右派とは極右の偏った政治思想だ。歴史観は戦後一貫して左傾したままだから正しい歴史観が右派と見なされている。右・左は相対的な概念だがこれは不当であり是正するべきだろう。
 近現代史は覇権国アメリカを正当化することが最優先されている。
 北米ではネイティブアメリカン(インディアン)が原始共産制に近い平和で平等な社会を築いていた。土地の所有という概念を持たない彼らを騙して土地を取り上げることからこの国の歴史は始まる。こんな卑劣な建国を正当化するためには総てを歪めざるを得ない。
 黒人奴隷に対する人類史上最大規模かつ長期間の「品種改良」と人体実験が当時の最新技術を駆使して行われていたらしいが、この真相が公表されることは未来永劫あるまい。そんな非人道的行為をしたのはナチスと日本軍731部隊だけだったということにされている。
 ハワイ王国も簒奪した彼らにとって極東の黄色人種(イエローモンキー)の国日本は目障りだった。だから様々な挑発を繰り返した結果、日本は愚かにも彼らの罠に嵌って開戦して予定通りに惨敗した。ここからアメリカは自国史だけではなく日本史の改竄まで始める。極東国債軍事裁判(東京裁判)によって戦勝国が敗戦国を裁くという茶番劇を演出して日本人に対する思想統制が始められた。卑怯で残酷な日本軍を正義のアメリカ軍が打倒して民主化したというファンタジーだ。こんな馬鹿げた日本史を信じるのは阿呆と左翼教師だけだ。
 アメリカが押し付けたのは憲法と米軍基地だけではない。歴史こそ最悪の寄贈物だ。原爆投下という人類史上最悪の犯罪を正当化するために嘘の上塗りを続けている。日本の近現代史はアメリカ史と同様、アメリカ人によって作られたデタラメだ。
 超大国アメリカと喧嘩しても何のメリットも無いが、言うべきことは言わねばならない。黙っていれば嘘が事実に化けてしまう。曖昧さは思慮深さの現れでもあるが、二分法でしか考えない愚か者は勝手に黙認あるいは承認と意図的に曲解して歴史を歪める。

イルカ漁

2014-02-15 09:41:06 | Weblog
 ケネディ大使はイルカ漁を非人道的と非難した。欧米人のイルカ・鯨漁に対する反応は日本人には理解し難いところがある。欧米人が鯨を食べることに反対する理由は主に次の2つだ。1つは宗教的戒律でありもう1つは家畜と野生動物の区別だ。
 旧約聖書は「水中にいてヒレとウロコの無いもの」を食べることを禁じている(「レビ記」など)。だからウロコの無い鯨やイルカやタコやイカは食べてはならない。しかしキリスト教の普及以前から漁業が盛んだった地中海沿岸地域ではこの戒律は守られていない。キリスト教徒でさえ守っていない戒律を非キリスト教徒に守らせようとすることは余りにも傲慢だ。だからこの本音は滅多に表に出ない。
 もう1つは聖書のように明文化されてはいないが、家畜と野生動物は全く別の動物とする考え方だ。家畜はある意味では人造動物だ。人が関与することによって生まれた命だから人間が造物主に該当する。だから人間は被造物を自由に処遇しても構わないが野生動物はそうではない、ということだ。
 養殖と畜養の違いを考えれば比較的理解し易いと思う。近大鮪の場合、産卵・孵化から始めて成魚に育つまで一貫して管理下にある。このように一生を完全に管理するのが養殖であり家畜化だ。この場合、個体数を任意に増減することができる。一方、地中海黒鮪や鰻の場合は捕獲した稚魚を育てるだけだ。これが畜養であり、産卵・孵化には貢献せず捕獲するだけなので捕獲量を制限しなければ種の絶滅を招きかねない。家畜なら食べても良いというのは本来こういう意味だ。
 しかし宗教的戒律でさえ例外があるようにこちらも例外だらけだ。魚・野鳥・兎などは野生動物でありながら食用にされている。逆に犬や猫は家畜でありながら食用に使えば野蛮だと非難される。このように元々矛盾だらけなのだから彼らの基準を他民族に押し付けることは無理があり過ぎる。彼らの論拠の中には正当なものもある。少なくとも種を絶滅させるほど取り過ぎるべきではなかろう。イルカや鯨の場合、今のところ絶滅の恐れは無いのだから、彼らの文化の押し付けは迷惑なだけだ。ただの白人文化至上主義だ。