俗物哲学者の独白

学校に一生引きこもることを避けるためにサラリーマンになった自称俗物哲学者の随筆。

憲法解釈

2014-02-25 10:02:34 | Weblog
 解釈を変えることによって実質的に憲法を変えるなんてとんでもない話だ。しかし解釈を変えればどうにでも変わる憲法にも問題がある。法は曲解を許さない明確なものであるべきだ。
 法律であれ契約であれ、大切な箇所は明文化されて曲解を許さない文章になっている。憲法が曲解を許すならそれは憲法が欠陥品であることの証明だ。そんな憲法を一字一句変えさせまいとする自称護憲派の罪は大きい。彼らは日本国憲法を不磨の大典にしようとする超保守主義者だ。
 私は第9条〔戦争の放棄〕以外に第15条〔国民の公務員選定罷免権〕や第89条〔公の財産の支出利用の制限〕なども改正すべきだと考えている。改正の必要が無いならこれらを文字通り履行すべきだろう。これらの条文は無視されているから多分大混乱に陥るだろう。
 政治資金規制法は最初から抜け道を用意した極悪法だ。これによって政治家は合法的に裏金を集めることが可能になったから小沢一郎氏は無罪放免になった。こんな「政治家の政治家による政治家のための」悪法ではなく憲法は国民のためのものであるべきだ。憲法は国の根幹であり権力者による曲解を許さない厳密なものであるべきだ。憲法も法律も国民を縛るだけのものではない。権力者をも縛るからこそ存在価値がある。憲法を解釈変更によって歪めることは許されないしそんな曲解を許す曖昧な憲法を放置することも認められない。
 憲法は改善され続ける必要がある。改悪を恐れる余り改善を拒絶する人こそ憲法の精神を蹂躙することに大きく貢献している。

義務教育

2014-02-25 09:35:51 | Weblog
 オリンピックは終わったので、人を白けさせかねないメダリスト批判の記事を書いても良かろう。スノーモービル・ハーフパイプでの銀メダルの平野歩夢選手とその親についてだ。彼は小学校4年生でプロ契約を結び国際大会の経験を積み重ねたそうだ。こんなことが許されるのだろうか。
 私は戦前の児童による奉公や身売り、あるいは本当にあったかどうかは知らないがサーカスへの子売りをイメージしてしまう。小学校4年生でプロ契約をしたということは小学校の低学年の時点でかなりハイレベルな技に挑んでいたということだ。つまり判断力の無い児童に対してかなりの危険を伴うハーフパイプの技を親が強制していたということだ。これは児童虐待ではないだろうか。
 平野少年は殆んど学校には通っていないらしい。中学3年生までは義務教育なのだから親は憲法26条に定められた「保護する子女に普通教育を受けさせる義務」を果たしていない。インタビューに答える平野少年は、テレビ局が一所懸命編集して誤魔化しているが、同年代の標準レベル以下の知性しか持ち合わせていないように思える。
 これが英才教育だと考える人もいるだろう。しかしハーフパイプはかなり危険なスポーツだ。怪我をして選手生命が絶たれた時、彼はその後をどのようにして生きられるのだろうか。義務教育さえ満足に受けていない異常な境遇の平野少年は使い物にならない。
 聡明な高梨沙羅選手は全然違う。彼女は高校入学の4か月後に高卒認定試験に合格した。その甲斐あってあちこちの大学から引く手数多らしい。仮にジャンプ競技ができなくなっても、スポーツで磨いた体力と精神力、あるいは大学で身に付けた学力を生かして立派な社会人になれるだろう。
 子役として成功した人がその後、犯罪者になるなど人生に失敗するケースは少なくない。彼らはまともに教育を受けなかったので第二の人生を築けなかったのだと思う。潰しの利かない人生は危険すぎる。平野少年がそうならないことを願いたいものだ。