俗物哲学者の独白

学校に一生引きこもることを避けるためにサラリーマンになった自称俗物哲学者の随筆。

危険

2014-12-10 10:18:21 | Weblog
 地震よりも交通事故のほうが怖い。東日本大震災は死者15,889人で行方不明者2,598人だ。阪神大震災は死者6,434人で行方不明者3人だ。その一方で昨年の交通事故死亡者数は、減少傾向にあるとは言え4,373人だ。戦後の累計で比較すれば交通事故死のほうが10倍ほど多い。
 原発よりも石炭のほうが怖い。チェルノブイリ原発事故以外で死者は出ていないが、石炭による大気汚染の被害は甚大だ。一説によると華北の住民5億人の寿命が5年縮まっているとのことであり、単純計算すれば25億年が失われることになる。
 飛行機よりも自動車のほうが怖い。あるデータによると航空機事故による死亡者数は200億㎞あたり1人であり、自動車は3億㎞あたり1人だ。
 青酸カリよりもアルコールのほうが怖い。青酸カリによる死亡者は筧千佐子容疑者絡みの犯罪以外では殆ど無いが急性アルコール中毒による死亡者は多数だ。
 このように人は非日常的なものを怖がる。
 食品添加物による死亡者は国内では未だ一人もいないが、食中毒による死亡者は多い。食品添加物を過度に怖がるよりも食品の鮮度や安全性に配慮すべきだろう。日本人は化学物質を過度に怖がる。
 しかし極悪の化学物質でありながら薬を怖がる人は極めて少ない。私のような薬嫌いはごく少数で、大抵の人は薬を飲めば健康になれると信じている。実際には大半の薬は不快感を軽減するだけの対症療法薬に過ぎず必ず副作用を伴う。これはオウム真理教よりも悪質なマインドコントロールが働いているとしか思えない。
 製薬会社の利益率は極めて高い。商品原価10%にも満たない薬を派手な宣伝と医師懐柔策によって売りまくる。自動車と並ぶ大スポンサー様である製薬会社に媚びるマスコミは薬の危険性を指摘しようとはしない。
 一部の薬だけが危険な訳ではない。薬は本質的に危険物だ。薬とは人体に異常反応を起こさせることを意図した劇物だ。薬の効果とは人体を正常化することではなく異常にさせることだ。異常な状態を更に異常にさせることによってマイナス×マイナス=プラスとなって正常になることを期待している。もし上手く働かなければ、抗精神病薬で多発しているような医原病患者にされてしまう。抗精神病薬の中には意欲を削ぐ薬もあるらしい。暴れる精神病患者を大人しくさせるためには有効だろうが、廃人にしてしまうこともある。ロボトミー手術にも等しいデタラメ医療だ。


効かない薬

2014-12-10 09:38:35 | Weblog
 2011年の薬の売上高ランキングを知った。1位は認知症の薬のアリセプト、2位は高血圧の薬ブロプレス、3位はやはり高血圧のディオパン、4位は高脂血症のリピトールとのことだ。これらの薬には共通点がある。どれも効かない薬だ。
 かつてサラ金が繁盛していた頃、何かの番組でサラ金にとっての上顧客について解説していた。確実に返済する客は上顧客ではなく適度に滞納する客のほうが良いとのことだった。延滞料を加算することで金利は一層高くなるし、こんな客との関係は何年もズルズルと続くからだ。
 サラ金と同様、ズルズルと使い続ける患者こそお得意様だ。治ったり副作用で死んでしまったら困るが、治らずに使い続けてもらえれば沢山売れる。
 効かない薬と決め付けるのは偏見と思われるかも知れないがこれには根拠がある。アリセプトの添付文書にはこう書いている。「認知症症状の進行抑制」と書いた上で「認知症の病態そのものの進行を抑制するという成績は得られていない」と書かれている。普通に読めば訳が分からない。一方では「効く」と書きもう一方では「効かない」と書いてあるように読める。実は「症状は抑制するが病態の進行は抑制しない」ということだ。つまり外に現れる症状は抑えるが病気そのものには全く効かないということだ。確かに症状が緩和されればそれで良いのかも知れないが、病気の進行を防がない薬を「治療薬」と呼んでよいのだろうか。化粧品のように若々しく見せるがあくまでその場凌ぎに過ぎない、ということだろう。
 2日付けの「無駄の温床」で書いたことだが、私にとって生活習慣病の薬は全く効かない薬だった。検査数値が悪いからとして無理やり飲まされていたが、服用をやめたら正常値に戻るというとんでもない薬だった。もしかしたら中水準で安定させるという効能があったのかも知れない。つまり高熱になるのを防止すると共に、健康な人の体温を37℃に保つような効能があったのではないだろうか。これでは幾ら薬を飲み続けても正常値にはならない。軽度の異常値で安定させる薬が本当に可能かどうかは分からないが、それに近い効能を持つ薬だろう。これでは医療費が膨らみ続けるのは当然のことだ。