動物の体の大きさを決める要因は様々だ。一夫多妻制の動物であれば雌雄の差が大きい。これはオス同士で喧嘩をして勝ったほうがメスを独占するため、オスの体だけが極端に大きくなったからだ。ゴリラやゾウアザラシなどが典型例だ。
ゴリラと近縁の種でありながらチンパンジーの性差は小さくオス同士の体格差も小さい。これは乱婚制で、オス同士がメスを巡って争わないからだ。しかしとんでもない方法で繁殖競争が行われている。精子がメスの子宮内で授精競争をする。どの精子が卵子に辿り着けるかは殆んど運任せだ。だから多くの精子を放出できるオスのほうが子孫を残せる可能性が高くなる。チンパンジーが他の動物と比べて異様に大きな睾丸を持っているのはこんな事情があるからだ。
体の大きさは気温によっても左右される。恒温動物の体は一般に寒冷地ほど大きくなり、これをベルクマンの法則と言う。表面積は長さの二乗に比例し、体積は三乗に比例するから、大きいほど体積に対する表面積が小さくなる。表面積が小さければ熱を奪われにくいので寒さに強いという訳だ。
ベルクマンの法則は人類にも当て嵌まる。男性の平均身長が最も高いのはオランダ人で何と183.8㎝だ。以下はデンマーク、アイスランド、スウェーデン、ノルウェー、ドイツ、オーストリアと北部ヨーロッパ諸国が上位に並ぶ。
実は世界一大きなオランダ人と、当時は今よりもずっと小さかった日本人が戦ったことがある。蘭領印度つまり現代のインドネシアが主戦場だった。大きなオランダ人はまさかちっぽけな日本人に負けるとは思わなかっただろう。オランダが惨敗したことを象と蟻の戦いのようなものだったと喩えれば当時の日本人に失礼だろうか。
国内でも気温による身長差はあるようだ。17歳男子の身長は高い順に①青森②鳥取③秋田④山形⑤石川⑥北海道となっている。北海道がトップでない理由は2つ考えられる。1つは弥生人よりも小柄だった縄文人の末裔であるアイヌ民族の血を引いていることで、もう1つは他の地域から移住した開拓民の子孫が多いので淘汰による選別を受ける期間としては短か過ぎるからだろう。
逆に背が低いのは①沖縄②広島③高知④鹿児島⑤岡山⑥山口と、見事に南方に偏る。沖縄の場合、縄文系の人が多くしかも最南端に位置し、背が低くなるための理想的な条件を満たしている。
背の高低は優劣ではない。しかし大半のスポーツにおいては背が高いほうが有利だ。背が低いという理由だけでスポーツエリートから外されることは明らかに理不尽であり、身長差で不利にならないようにルールを改めるべきだと私は常々考えている。
ゴリラと近縁の種でありながらチンパンジーの性差は小さくオス同士の体格差も小さい。これは乱婚制で、オス同士がメスを巡って争わないからだ。しかしとんでもない方法で繁殖競争が行われている。精子がメスの子宮内で授精競争をする。どの精子が卵子に辿り着けるかは殆んど運任せだ。だから多くの精子を放出できるオスのほうが子孫を残せる可能性が高くなる。チンパンジーが他の動物と比べて異様に大きな睾丸を持っているのはこんな事情があるからだ。
体の大きさは気温によっても左右される。恒温動物の体は一般に寒冷地ほど大きくなり、これをベルクマンの法則と言う。表面積は長さの二乗に比例し、体積は三乗に比例するから、大きいほど体積に対する表面積が小さくなる。表面積が小さければ熱を奪われにくいので寒さに強いという訳だ。
ベルクマンの法則は人類にも当て嵌まる。男性の平均身長が最も高いのはオランダ人で何と183.8㎝だ。以下はデンマーク、アイスランド、スウェーデン、ノルウェー、ドイツ、オーストリアと北部ヨーロッパ諸国が上位に並ぶ。
実は世界一大きなオランダ人と、当時は今よりもずっと小さかった日本人が戦ったことがある。蘭領印度つまり現代のインドネシアが主戦場だった。大きなオランダ人はまさかちっぽけな日本人に負けるとは思わなかっただろう。オランダが惨敗したことを象と蟻の戦いのようなものだったと喩えれば当時の日本人に失礼だろうか。
国内でも気温による身長差はあるようだ。17歳男子の身長は高い順に①青森②鳥取③秋田④山形⑤石川⑥北海道となっている。北海道がトップでない理由は2つ考えられる。1つは弥生人よりも小柄だった縄文人の末裔であるアイヌ民族の血を引いていることで、もう1つは他の地域から移住した開拓民の子孫が多いので淘汰による選別を受ける期間としては短か過ぎるからだろう。
逆に背が低いのは①沖縄②広島③高知④鹿児島⑤岡山⑥山口と、見事に南方に偏る。沖縄の場合、縄文系の人が多くしかも最南端に位置し、背が低くなるための理想的な条件を満たしている。
背の高低は優劣ではない。しかし大半のスポーツにおいては背が高いほうが有利だ。背が低いという理由だけでスポーツエリートから外されることは明らかに理不尽であり、身長差で不利にならないようにルールを改めるべきだと私は常々考えている。