【今回は5作品をイッキ読み!】
今回は評論第十弾として最近読んだ5作品を勝手に評価したい。
内容は山本巧次作品1つ、平居紀一作品1つ、柚月裕子作品2つ、青柳碧人作品1つを読書感想文として紹介しよう。
「スカイツリーの花嫁花婿 光文社 (2021年5月)青柳碧人 58」
数多く登場する男女のうち、その一組がスカイツリー近くにある式場で結婚する一組が誰なのかというミステリー作品。
殺人が起きるわけでもないという切り口は面白いが、あまりの登場人物の多さで相当萎えること請け合い。
勿論、決着がわかった後半からは伏線回収の鬼である青柳ワールドが炸裂する。
だけどそんな道中、伏線を回収したところで・・・・という後味が残念なんだよな。
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「チョウセンアサガオの咲く夏」(2022年4月角川書店) 柚月裕子 50」
短編集・・・というかショートショート集。
それもすでに発表していた作品かつ書籍化されていないものがほとんどを占める。
しかもそれぞれ独立している作品(一部スピンオフ作あり)であるため、歌野氏のような得意の短編連作集のような何か期待のある伏線もない。
ヘビーな柚月裕子作品を知っているだけに物足りなさはあること必至。
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「孤狼の血 LEVEL2(2021年6月 KADOKAWA)ノベライズ作品 柚月裕子 65」
映画化されたものをTHE柚月裕子ワールドの作品としてノベライズされたもの。
なお、主人公「日置」を巡る動きや判断がこちらの想定を超えてきたところはさすがなのだが・・・。
ただ、ほかの主要人物らの行く末が早い段階で読めてしまっていたのが残念。
まあこの経緯があって、孤狼の血シリーズ本編2作目の「凶犬の眼」へとつなげたかったのかな。
だけど結末だけは映画よろしく、派手だったから展開がかなり強引だったなぁ…
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「早房希美の謎解き急行 (双葉文庫) 双葉社 2020年09月 山本巧次 64」
連作短編集。
架空の鉄道会社内で起こった事件に主人公が首を突っ込む形で解決につながるという痛快もの。
偉大なる祖父の存在がドラえもんチックで盛り下げるのだけど、まあ斜で読んでいる分には飽きずに読める・・・かな。
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【今回のMVPは?】
「甘美なる誘拐(2021年4月 宝島社文庫) 平居紀一 89」
「おおぉ、なるほど。」
終盤に結末が見えた時に感じた第一声がそれ。
実は、タネや登場人物の行く末がミエミエなんだけど、
「えっそうなの??」と大オチが最終的に含まれていたことに唸った。
作中、飽きずに読めるし。
登場人物もホント最低限であるところも名作の要素あり。
減点分は大オチ前の展開が少々雑だっただけ。
ちなみに本作は【2021年・第19回「このミステリーがすごい! 大賞」文庫グランプリ受賞作】らしい。
でもこの作者、この後に作品がないんだよな。
読んでみたい気もするが。
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