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【今回は5作品をイッキ読み!】
今回は評論第二十弾として最近読んだ5作品を勝手に評価したい。
内容は中山七里作品2つ、似鳥鶏作品3つの合計5作品について読書感想文として紹介しよう。
「卒業したら教室で(2021年3月 創元推理文庫 ) 似鳥鶏 56」
「市立高校シリーズ」の9巻目で最終巻。
これまでの連続巻とは一線を画すような全く変わった流れになっている。
本作は叙述系トリックと非トリックが螺旋状に絡まる展開。
なお、本巻の主軸は中後半に解決し、その後エピローグとなる。
ちなみに筆者のあとがきが続き、読者が最も知りたいであろう結末をサプライズで紹介されるのだけど・・・
最終巻なのに、これでよかったのか?
という結びに超ガッカリしちゃった。
まあこれも似鳥ワールドなのだろうけどさ。
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「シャーロック・ホームズの不均衡(2015年11月 講談社タイガ) 似鳥鶏 78」
兄妹が強大な組織に巻き込まれながら難事件を解決していく連作集。
メインの兄妹の存在からは想像もつかない、似鳥鶏氏の作品に珍しく結構なバイオレンス展開がある謎解き本である。
ただし、あまりに現実離れしているので没入しにくいのが難・・・かな。
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「シャーロック・ホームズの十字架(2016年11月 講談社タイガ) 似鳥鶏 71」
この巻で完結するホームズ遺伝子群シリーズの短編連作集。
本巻を読むには前巻を読んでおく必要アリ。
名探偵コ○ンの雰囲気がだんだん色濃くなっていく中、最終話のトリックがナゾナゾ込みでやや萎えてしまった。
展開は前作と比べるとマイルドにはなったことに加え、物語は読みやすいので読み切ることが出来た・・・けども。
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「アポロンの嘲笑(2017年11月 集英社文庫) 中山七里 86」
原発と震災に関する事実をベースに、殺人事件を絡めてその実態を明らかにしたともとれる社会派ミステリー。
主軸の本線は決してぶれることなくストーリーは進むところが非常に読みやすい。
何より、追う側と追われる側の背景とともにスピード感ある展開が読み手を飽きさせない。
ただし、ちょっとだけ登場人物が多いのと捨て線があることで本線が複雑化したのがちょっと残念。
でも原発事故から一定の期間が過ぎた今こそ、原発とは何なのかという意味を改めて考え、それを知るだけでも読むに値する作品だと思う。
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【今回のMVPは?】
「ヒートアップ(2014年8月 幻冬舎文庫) 中山七里 92」
「ヒート」シリーズの第二弾。
前作の「魔女は甦る」から登場人物および構成は一新されているが、ベースはしっかり引き継がれている。
そのため、前作を読んでおくことがこの作品をより楽しむコツになる。
加えて、相変わらずのスピード感と緊迫感が終盤に訪れるところも読みどころだ。
なお、中山七里作品にしては珍しく、叙述系のネタも放り込まれているところはアクセントになっていたのかなぁと。
まあ、強いて言うなら・・・そのオチはチョットみえみえだったけどさ。
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