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【今回は5作品をイッキ読み!】
今回は評論第二十一弾として最近読んだ5作品を勝手に評価したい。
内容は中山七里作品5つについて読書感想文として紹介しよう。
「スタート!(2015年2月 光文社文庫) 中山七里 84」
ガラッと同氏の趣向(イメージ)を変え、映画製作にかかるドラマ仕立てのストーリーとなっている。
勿論、中山七里氏ワールドも道中散りばめられていて、楽しく飽きずに最後まで読める。
そのため大オチが見事だった分、終盤間際の本ネタがちょっと残念だったかも。
でもおススメとしていい作品だったと思う。
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「月光のスティグマ(2014年12月 新潮社 / 2017年7月 新潮文庫) 中山七里 90」
同氏作品にはメインとなるパターンがある。
それは、携わった事件について、最終的に解決するものの必ず痛みを伴ったうえでの結末という展開だ。
この作品についてもベースはそうであって、ある程度の将来展開も読めるのだけど、終盤は一気に坂を下るように急展開がある。
そしてこの結末まではさすがに想定すらできず・・・っていうところですかね。
さすがの大どんでん返し、いい作品でした。
読み終わった後に何とも言えない感覚が残る作品でもあったしね。
なお、3作品目に紹介する「総理にされた男」という作品にちょっとだけリンクすることもあるので、まずは同作を読む前に本作は必ず読んでおいて欲しい。
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「総理にされた男(2018年12月 宝島社文庫) 中山七里 82」
完全フィクションが前提の長尺ドラマ。
同氏の作品としては珍しく殺人事件が生じないクリーンなストーリー。
かなり政治色強い展開なので食らいつくのが大変だが、展開そのものは非常に面白い。
なお、前作「月光のスティグマ」と一部つながっている。
同作を事前に読み込んでおくと面白みが増える。
こういう遊び心っぽい紐づけを作品をまたいで登場させる演出が、同氏の作品をリピしたくなるんだよな。
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「闘う君の唄を(2018年8月 朝日文庫) 中山七里 75」
ストーリーテラーが主人公であり、主人公自身が大きなポイントとなっている同氏が得意とするストーリー展開。
ストーリーテラー側と事件側の2本筋で話は進む。
そのため、読者にはどちらへウエイトやポイントを置いて読み進めるかもカギになる。
なお、中盤以降から急展開となり、ラストは中山七里作品らしく大どんでん返しがある。
だけど、勘のいい人じゃなくても事件側の犯人が最初っから分かってしまうんじゃないかというところが減点したところ。
しかし、登場人物が非常に少ない点やほとんど飽きずに読み込めたところは評価しておきたい。
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【今回のMVPは?】
「テミスの剣(2017年3月 文春文庫) 中山七里 98」
一つの事件が幾重にも折重なる社会派ミステリー。
「静おばあちゃんにおまかせ」のおばあちゃんが現役のころのお話等が混ざるので、同作は事前の読み込みは必至。
なお、自分が想像していた以上に折り重なっていた伏線がオーラスで断続的かつ一気に回収へかかる様がメチャ痛快。
王道のミステリーだが、最初から最後まで色々な感情を持ちながら、一切飽きずに読める作品で超おススメ
正直なところ、これまで読んだ中山七里作品において1・2を争うくらいの面白い作品だったと強く評価したい
ミステリ好きなら絶対読んで欲しい作品の一つとなった。
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