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【今回は5作品をイッキ読み!】
今回は評論第二十二弾として最近読んだ5作品を勝手に評価したい。
内容は青柳碧人作品2つ、中山七里作品2つ、國友公司作品1つについて読書感想文として紹介しよう。
「むかしむかしあるところに、やっぱり死体がありました。(2021/10/21 双葉社) 青柳碧人 78」
昔話ミステリーの第二弾。
五作品の短編集だが、うっすらと連作になっている。
評価的には前半はたしかに面白かったのだけど最終話「ぶんぶく」がかなりゴチャついて減点。
オチにこだわりたいのは分かるが、登場人物が多すぎて煩雑化したのは残念だった。
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「むかしむかしあるところに、死体があってもめでたしめでたし。(2023/8/8 双葉社) 青柳碧人 55」
昔話ミステリーの第三弾。
過去作と同様、短編集だがオーラスの作品で一本につながるというもの。
しかし、今作は伏線回収劇も弱く、ファンタジー感が強すぎて推理に没頭できず。
加えて複雑すぎてしまったことで、ただの小説として読むにとどまってしまった。
特に前作同様、登場人物が多すぎて煩雑になる失敗例。
最後の最大の謎もすっきりせず未解決なので次作に続くのかそのままなのかもモヤモヤで。
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「セイレーンの懺悔(2020年8月 小学館文庫) 中山七里 77」
推理小説を書くコツは、いかに遠回りして落とすかだという。
この本も案外序盤で犯人が判明しておきながら・・・のドラマになっている。
ただし、最終的なオチは想像だにしない答えが待っているのも中山七里ワールド。
多彩な変化球で最後は見事に三振を取ってゲームセットとなる王道ミステリーだろう。
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「翼がなくても(2019年12月 双葉文庫) 中山七里 79」
いわゆる叙述トリックのように視点をメインストーリーに向けさせ、実は叙述トリックではないのではないかという結末を迎えるという案外斬新な展開。
主筋やトリックそのものはたしかにフワッとしているけれど、最後までしっかり飽きずに読ませてくれるのだから、さすがの中山七里作品、脱帽です。
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【今回のMVPは?】
「國友公司 ”ルポ 歌舞伎町” (彩図社 2023年3月) 80」
知人より紹介を受けて本読。
作者自身の足で稼いだ実話とインタビューを軸に構成。
主にはコロナ過以前のネタを占めるため、現状とは大きく異なっている可能性もあるが、当時の歌舞伎町界隈での実態の片鱗がうかがえる。
「なるほど」と思うところもあれば、リアルに顔をしかめたくなるようなところもあるが、実際にはそれも氷山の一角で全部書けば出版できないジレンマもあろうところがちょうどいいのかも。
なかなかこれだけ作者が身を削ってネタを紹介する読み物って中々なく新鮮だったし、歌舞伎町と言えばライブハウス新宿LOFTはいまだにオレも行く場所だからねぇ・・・思うところもいっぱいあるということで。
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