なおパパ日記

前日の自分からの変化/成長を記録してみます!

2017年 書籍74(貧困のない世界を創る)

2017年05月18日 | 

 ムハマド・ユヌスさんの”貧困のない世界を創る”を読破しました。
 著者は、マイクロ・ファイナンス(ソーシャル・ビジネス)という仕組みをビジネスモデルにしたグラミン銀行を創り、貧困層を救済し続けている方です。ノーベル平和賞も受賞しておられます。
 1970年代のバングラディッシュは、天災と独立戦争などで何十万人もの国民が餓死している状態だったそうです。
 また、奴隷制度が敷衍しており、42の世帯を調査したところ、わずか27ドルの返済をするために、奴隷として働き続ける生活をしていたというのです。カイジというマンガでも表現されていますが、奴隷を支配する側は自分で有利なルールを作れるので、奴隷になった人々は永遠にその状態から抜け出せないのです。
 どの時代の、どの地域に生まれるか、自分ではコントロールできないことで、人生が決まっている不公平感にメスを入れ、27ドルを無利子で貸し付け、返済をしてもらうことで42世帯を救済することから始まります。
 無利子で貸し付けるということは、銀行としての利益はでません。が、社会貢献をしたい富裕層が出資し、ビジネスモデルは成り立っているというのです。富裕層は、さらにお金を獲得したいのでなく、社会に貢献したい!という欲求が強いことに目をつけ、出資したお金は、返済された際に元本のみ返金されるという仕組みになっています。
 貧困層の返済率は、98.6%というのだから素晴らしいですよね。江戸時代の借用書に、返済できなかった場合は、皆の前で笑いものにしてください。と書かれていたのと同じく、人間としての恥が担保になっている構図になっています。
 人間は可能性を信じてもらえると、それに呼応しようとするのでしょうね。人間の美しい側面を知れたステキな一冊です。


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