2年前にも当ブログでご紹介した大吉山のシイの花。
遠目に山がぽこぽこと黄色く染まり、光を浴びると金色に見えます。
GW頃の宇治周辺の山、特に宇治中心部の山はどこもこんな感じで、まるで黄色いブロッコリーみたい。
今年もそんな山が一番手近に感じられる大吉山から朝日山に登ってみました。
宇治駅から宇治川右岸を北上、さわらびの道を少し行くと宇治上神社の鳥居が見えてきます。
なんだかんだと用事を済ませてから出かけたので時刻はもう15時を過ぎていました。
時間が遅いので今回は参拝はパス。
神社の上の方に、金色もこもこがちょうど見えていました。
目指す大吉山の登り口付近。
さすがはGWの観光地、この辺りを散策する人がまだ大勢いました。
上り始めてすぐに宇治名木百選のシイノキに出会います。
樹齢200年、樹高22m、幹周2.22m。
大きすぎて、樹幹まで写っていませんでした。
しばらく歩いても何も咲いていない・・と思ったら、何やら白い花を付けた低木。
(右の方にはモチツツジがありましたが、ほとんど花は終わり)
エゴノキでした!
もう咲いてるんですね。
ぶら下がり系の可愛い花。蕾も丸くて可愛いです。
こちらでもカナメモチは蕾。咲いたら白いもこもこになりそう。
そして今日の主役、ようやく見つけました。
遠くからみたらもこもこなのですが、結構樹高が高いので下からでは分かりにくいのです。
そう、こちらがシイの花!
沢山の雄蕊が付いているので、雄花です。
で先ほどから、シイとかシイノキと書いていますが、いったい何ジイなのでしょうか。
こちらについては2年前のブログでツブラジイではないかと一応考察していますが、確証はなし。
有名なスダジイ、ツブラジイともに照葉樹林の構成種で、混在することも多いようです。
日差しの当たっている花を見下ろすとこんな感じ。
なるほど、これでもこもこに見えるのですね~
新緑の道を進みます。
少し日が傾いているので、道が陰になって少し暗いです。
半分くらい上ると、モチツツジの花が沢山現れてきました。
ほんの少しだけですが標高が高いのでまだ花が残っていたようです。
あれ、誰かに見られてる??
目玉のような木の模様、背が高すぎて葉の写真すら撮れませんでした。
この木は何でしょうね~
で、正面にきらきら光る金色の木!
あまりに綺麗だったので撮ったのですが、写真では全然伝わりません。
こちらもシイです。
もっと伝わらないのがシイの花の匂いです。
前にも書きましたが、シイの花には、クリの花やタケノコの甘皮のような独特の青臭い匂いがあります。
なので、シイの花が咲いている季節に山に行くとまあ臭いのなんのって(笑)
展望台に向かう最後の坂の横には、そんなシイの樹林が広がっています。
超やる気のない写真で恐縮ですが、ご覧ください。
樹皮に裂け目があまりないので、ツブラジイではないかと思った次第。
ちなみに、京都府のレッドデータブックには、保護すべき地域生態系として「シイ群落」が指定されています。
そして、その中にはこの「興聖寺・宇治上神社のシイ群落」もちゃんと掲載されているのです。
西日本は照葉樹林帯であり、自然の状態ではシイが優占種のひとつとなるそうです。
林内の状態によって、シイだけになるか、他の樹種も入るか変わるそうで、この辺りではほかにも、
アラカシ、ヤブツバキ、カナメモチなどが入り込んで樹林を形成しているそうです。
まさに普段見かける木ばかり!
寺社が守っている山なので、このままの状態が保たれているのでしょう。
もう少しで山頂です。
おや、白い花が沢山地面に落ちています。
マメ科の花のようですね。
地面に花や実が落ちていたら、上を見上げる法則、で見上げてみると、あらら・・・
なんとこんなところにまでハリエンジュが侵入していました。
ちょっとびっくりです。
こちらが展望台。宇治市街が一望できます。
前にヤマガラやシジュウカラやクロジなどが出てきてくれた場所です。
今はエサが豊富な時期だからか、小鳥は誰もいません・・・
ここから朝日山の方に向かうことにしました。
ということで続きます。
【撮影:2023/5/4 宇治市】